第1話「チャプター1・世界革命の日」(脚本)
〇黒背景
篠村一歩(シノムラ・ハジメ)「・・・あり得ない話であるが」
篠村一歩(シノムラ・ハジメ)「この篠村一歩は、小さい頃外国人の女の子と親しい仲だった」
〇平屋の一戸建て
篠村一歩(シノムラ・ハジメ)「親の仕事の都合で叔父の住む田舎に預けられていた僕は、そこで金髪に青い目の可愛らしい女の子と知り合った」
篠村一歩(シノムラ・ハジメ)「彼女は自分を”キャサリン”と名乗った」
篠村一歩(シノムラ・ハジメ)「あまり自分の事を語らなかったが、まあまあのお金持ちのお嬢様だったと思う」
篠村一歩(シノムラ・ハジメ)「両方田舎での生活に慣れず浮いていた事もあり、僕とキャサリンはすぐに仲良くなった」
〇実家の居間
キャサリン「・・・ねえ、ハジメ」
ハジメ「なあに?キャサリン」
キャサリン「おとなになったら・・・キャサリンのこと、あなたのおよめさんにしてくれる?」
ハジメ「うん、いいよ!」
キャサリン「きゃはははっ!うれしいっ!」
キャサリン「ハジメ!だぁ〜いすき!」
〇黒背景
篠村一歩(シノムラ・ハジメ)「そう、これはよくある小さい頃の思い出」
篠村一歩(シノムラ・ハジメ)「未来と向き合うために蓋をして、過去にしていく・・・そんなキラキラした情景」
篠村一歩(シノムラ・ハジメ)「そう、人は前に進まなければならない。それがどれだけ辛かろうと、思い出に逃げ込んではならない」
篠村一歩(シノムラ・ハジメ)「だからこれも、過ぎ去った昔話・・・」
篠村一歩(シノムラ・ハジメ)「・・・・・・」
篠村一歩(シノムラ・ハジメ)「・・・・・・」
篠村一歩(シノムラ・ハジメ)「・・・・・・の、ハズだったんだがなあ」
〇基地の広場(瓦礫あり)
〇コックピット
篠村一歩(シノムラ・ハジメ)「敵は多いな・・・数は!?」
キャサリン・ホワイト「四方八方から来るわ!数え切れない!どれだけ私たちを潰したいのよ・・・!」
篠村一歩(シノムラ・ハジメ)「世界を敵に回すってのはそういう事さ、 だが・・・!」
〇基地の広場(瓦礫あり)
〇コックピット
篠村一歩(シノムラ・ハジメ)「・・・覚悟の上だッ!!!!」
〇基地の広場(瓦礫あり)
〇コックピット
篠村一歩(シノムラ・ハジメ)「ぐっ・・・!」
キャサリン・ホワイト「次から次へと・・・キリがないわ!」
キャサリン・ホワイト「でも、諦めるわけにはいかない!」
キャサリン・ホワイト「私の祖国を・・・アメリカの自由と正義のためにも!」
篠村一歩(シノムラ・ハジメ)「それに、僕達のためにもね!」
キャサリン・ホワイト「ハジメ・・・!」
〇基地の広場(瓦礫あり)
〇UFOの飛ぶ空
〇コックピット
篠村一歩(シノムラ・ハジメ)「あれが本丸だ!!」
〇基地の広場(瓦礫あり)
〇コックピット
篠村一歩(シノムラ・ハジメ)「ロケットパァァーーーンチ!!!!!!」
〇基地の広場(瓦礫あり)
〇空
〇黒背景
篠村一歩(シノムラ・ハジメ)「・・・・・・」
篠村一歩(シノムラ・ハジメ)「・・・なんで、ただの独身男性であるハズの僕がこんな事になってしまったのか」
篠村一歩(シノムラ・ハジメ)「そして、この荒唐無稽で稚拙な物語を始めるためにはまず、 あの日の話をしなくてはならない・・・」
〇黒
第1話
「チャプター1・世界革命の日」
〇東京全景
20XX年 日本
〇工場の中
篠村一歩(シノムラ・ハジメ)「ふう・・・やっと終業時間か」
篠村一歩(シノムラ・ハジメ)
年齢 25歳
日本人 男性
職業 工場勤務
(非正規)
先輩「よおハジメ、お前も上がりか?」
篠村一歩(シノムラ・ハジメ)「先輩!」
先輩「そうだ、信号の所にいいプラモ屋を見つけたんだ。どうだ?この後」
篠村一歩(シノムラ・ハジメ)「ええ!ぜひ・・・」
先輩「・・・・・・」
篠村一歩(シノムラ・ハジメ)「・・・・・・」
皿洗いと部屋の掃除しとけ
父
篠村一歩(シノムラ・ハジメ)「・・・・・・」
篠村一歩(シノムラ・ハジメ)「・・・ごめんなさい、家の事しなきゃ」
先輩「そうか・・・・・・」
先輩「・・・程々にな、お前見るからにやつれてるぞ」
篠村一歩(シノムラ・ハジメ)「・・・出来たらやってますよ」
〇おしゃれなリビングダイニング
自宅
父親「おうコラ、今何時だと思うちょるけ?」
父親 要介護
篠村一歩(シノムラ・ハジメ)「何時って・・・何時も通りじゃないか」
父親「あぁ!?帰るんが五分遅いっと!?わかっちょるんか!?ああ!?」
父親「家の事せんとあかんじゃろが!!家族っとせ?ああ!?ああ!あああ!?」
備考 更年期障害及び統合失調症のケあり
父親「だごら!!!!!!!!!!」
備考2 家庭内暴力常習犯
(これは幼少から)
〇本棚のある部屋
ハジメは典型的な底辺であった
仕事は非正規安月給
家では老害に磨きのかかった毒父の介護
当然彼女もいない
篠村一歩(シノムラ・ハジメ)「────────!!!!」
ので、このように
強烈な希死念慮が襲ってくるのは
常だった。
篠村一歩(シノムラ・ハジメ)「・・・・・・」
そんな時
ハジメは目を閉じて
思い出す────
〇実家の居間
キャサリン「ハジメ!」
〇本棚のある部屋
篠村一歩(シノムラ・ハジメ)「キャサリンと過ごした日々だけが、僕の中でキラキラ輝いて見える。今だって・・・」
篠村一歩(シノムラ・ハジメ)「それ以外は灰色だ、何もない、苦しくて辛いだけの・・・」
篠村一歩(シノムラ・ハジメ)「・・・・・・」
篠村一歩(シノムラ・ハジメ)「・・・前を向かなきゃいけないのはわかるよ」
篠村一歩(シノムラ・ハジメ)「でも・・・仕方ないじゃないか こうしなきゃ辛いままなんだから」
篠村一歩(シノムラ・ハジメ)「・・・・・・」
篠村一歩(シノムラ・ハジメ)「・・・キャサリン・・・」
〇実家の居間
キャサリン「きゃはははっ!ハジメ、だーいすき!」
〇本棚のある部屋
篠村一歩(シノムラ・ハジメ)「・・・・・・」
篠村一歩(シノムラ・ハジメ)「・・・キャサリン・・・」
篠村一歩(シノムラ・ハジメ)「・・・帰りたいよ・・・あの日に・・・」
篠村一歩(シノムラ・ハジメ)「・・・また一緒に遊びたいよ・・・」
〇荒廃した国会議事堂
その頃────アメリカにて
〇地下駐車場
ランバート・ホワイト「クーデターによりホワイトハウス陥落・・・映画の中だけであって欲しかったぜ、これは」
アメリカ合衆国大統領 ランバート
キャサリン・ホワイト「パパ!」
ランバート・ホワイト「キャサリン!無事だったか!」
キャサリン・ホワイト「ショッピングの最中に奴らが攻めてきて、それで・・・!」
ランバート・ホワイト「ああ・・・すまない、私の手腕が及ばないばかりに」
「すまないと思うなら、素直に大統領の椅子を私に渡せばいいんですよ」
副大統領 アルテイシア・トイアンナ
ゲー博士「おほほほほ!年貢の納め時ですわねぇ?」
科学長官 ゲー博士
トランス将軍「フンガアアアア!!」
軍部司令官 トランス将軍
ランバート・ホワイト「ふん、女性大統領にゲイの科学長官に黒人トランスジェンダーの軍部司令官か・・・」
ランバート・ホワイト「それがクーデターで多くの命を対価に手に入れるアメリカの姿か?」
アルテイシア・トイアンナ「それが多様性。今の時代の正しい姿ですよ」
アルテイシア・トイアンナ「もっとも、家父長制と白人至上主義に傾倒した貴方には理解できない価値観でしょうが・・・」
ゲー博士「新政権樹立の暁にはニューヨークを私の美しい”アート”で飾ってさしあげますわよ!おほほほほ!」
トランス将軍「フンガアア!!石油使うやつは殺す!!」
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