第2話「チャプター1・予期せぬ再会」(脚本)
〇荒廃した国会議事堂
「市民の皆様おはようございます!WNN (ワールドニュースネットワーク)のお時間です」
「アメリカ新政権による”革命”から早1週間が過ぎようとしていますが、未だに旧勢力による抵抗の爪痕は各地に残っています」
〇壁
「そも──現状のアメリカは移民問題、気候変動にLGBT差別等、様々な問題により危機的状況にありました」
「しかし前大統領ランバート・ホワイトはそれらに向き合おうとせず、前時代的なマッチョイズムを振りかざし──」
「国を豊かにすると称した様々なヘイトの限りを尽くしたのです」
〇空
「そんな状況を打破すべく立ち上がったのが、新大統領アルテイシア女史です」
「彼女は米軍と協力し、邪悪なヘイト政権を打倒し革命を成し遂げました」
「さあみなさん、世界に新しい風を吹かせるために、あともう一息この革命に力を貸してください!」
「全てのヘイトへの特効薬、WNNがお送りいたしました!」
〇走る列車
篠村一歩(シノムラ・ハジメ)「へぇ、アメリカはクーデターで国家転覆かぁ」
篠村一歩(シノムラ・ハジメ)「また物価がおかしくなるんだろうなあ はあ・・・」
〇黒背景
第2話
「チャプター1・予期せぬ再会」
〇平屋の一戸建て
篠村一歩(シノムラ・ハジメ)「三日前、音信不通だった叔父から突然僕宛てに連絡が来た」
篠村一歩(シノムラ・ハジメ)「叔父・・・シノムラ博士は父さんの弟で、小さい頃僕の面倒を見てくれた発明家のおじさんだ」
篠村一歩(シノムラ・ハジメ)「曰く・・・」
シノムラ博士「君にしか頼めない仕事なんだハジメ君!内容は到着してから伝える!」
シノムラ博士「この事はくれぐれも、他言無用にしてくれ」
篠村一歩(シノムラ・ハジメ)「との事」
〇おしゃれなリビングダイニング
父親「おうわれごら!家の事はなんばしよっと!?父ちゃん置いてでかけるけ!?!?」
訳 家の事はどうするんだ?要介護の俺を置いて出かけるのか?
篠村一歩(シノムラ・ハジメ)「ご飯は作り置きしてるし、掃除は家事代行呼んだからいいでしょ?」
篠村一歩(シノムラ・ハジメ)(高額の自腹でね・・・)
父親「せからしか!!!!!!!!!!!!!!」
〇走る列車
篠村一歩(シノムラ・ハジメ)「・・・まだ殴られた頭が痛むや」
篠村一歩(シノムラ・ハジメ)「夕方までには帰らないと・・・」
篠村一歩(シノムラ・ハジメ)「・・・はあ」
〇ホームの端
〇平屋の一戸建て
篠村一歩(シノムラ・ハジメ)「・・・この家も久しぶりだなあ」
〇実家の居間
キャサリン「ハジメ!」
〇平屋の一戸建て
篠村一歩(シノムラ・ハジメ)「・・・・・・・・・」
篠村一歩(シノムラ・ハジメ)「・・・っと、僕は思い出に浸りに来たんじゃない」
篠村一歩(シノムラ・ハジメ)「・・・・・・」
篠村一歩(シノムラ・ハジメ)「・・・留守なのかな?」
シノムラ博士「おおー!待ってくれ!帰らないでくれ! ちょっと買い出しに行ってたんだー!」
篠村一歩(シノムラ・ハジメ)「あっ、おじさん!」
シノムラ博士
職業 科学者
独身
シノムラ博士「久しぶりだなハジメ君!大きくなって!」
篠村一歩(シノムラ・ハジメ)「おじさんも相変わらず元気そうで」
シノムラ博士「・・・兄貴は相変わらずかい?」
篠村一歩(シノムラ・ハジメ)「出かける時一発くらいました」
シノムラ博士「・・・すまん」
シノムラ博士「まあそんな事より、話は家の中でしよう。上がってくれ」
〇実家の居間
篠村一歩(シノムラ・ハジメ)(何もかも昔のままだ・・・)
篠村一歩(シノムラ・ハジメ)(・・・っと、話を進めなきゃ 夕方には帰って家の事しなきゃなんだから)
篠村一歩(シノムラ・ハジメ)「あのおじさん、僕にしかできない事って?」
シノムラ博士「ふむ、その事なんだがね・・・」
シノムラ博士「・・・アメリカの事は知ってるかね?」
篠村一歩(シノムラ・ハジメ)「あ・・・はい」
篠村一歩(シノムラ・ハジメ)「ネットのニュースでやっていました 大統領がクーデターで入れ替わって、国が新体制で動き出したって」
篠村一歩(シノムラ・ハジメ)「でも、その事に何の関係が?」
シノムラ博士「ふむ、その事なんだが・・・」
シノムラ博士「・・・ちょっとついてきてくれ」
〇地下に続く階段
篠村一歩(シノムラ・ハジメ)「地下通路!?家の下にこんなものが・・・!」
シノムラ博士「少し公にしにくい仕事を任されていてね」
篠村一歩(シノムラ・ハジメ)「公にしにくい仕事・・・!?」
シノムラ博士「まあなんだ・・・話は向かいながら聞いてくれ」
〇地図
シノムラ博士「前大統領・・・当時は実業家だったランバート・ホワイトは、このような事態を予測していたのだろう。私に国防のための──」
シノムラ博士「このようにクーデター等により国を乗っ取られた際の対処手段として”あるもの”の開発を私に依頼していた」
シノムラ博士「だから、私はこのような片田舎で生活を維持できる程の大金を得られていたんだ」
〇地下に続く階段
シノムラ博士「おっと、言っておくがテロに加担するような真似はしていないぞ」
シノムラ博士「国際法と日米安全保障条約に基づき、ちゃんとした手順を踏んで極秘裏に任された仕事だからな。そこんとこ勘違いしないでくれよ?」
篠村一歩(シノムラ・ハジメ)(でも・・・やってる事は個人で兵器か何か作ってるって事じゃないか)
篠村一歩(シノムラ・ハジメ)(それは・・・死の商人と変わらないでしょ)
〇地下広場
地下格納庫
シノムラ博士「そして完成したのが・・・こいつだ!」
篠村一歩(シノムラ・ハジメ)「これは・・・!?」
篠村一歩(シノムラ・ハジメ)「ろ・・・ロボット・・・!?」
シノムラ博士「多目的戦闘用人型重機第1号・・・私と大統領はジーカイザーと呼んでる」
シノムラ博士「元は新型重機として作られていた物に私が少々手を加えさせてもらったよ」
篠村一歩(シノムラ・ハジメ)「・・・おじさん、こんな物を僕に見せてどうしろって言うんです」
篠村一歩(シノムラ・ハジメ)「まさか僕にこれに乗って、元大統領のクーデターに手を貸せってんじゃないでしょうね!?」
シノムラ博士「その通りだ」
篠村一歩(シノムラ・ハジメ)「お断りします!!いくらおじさんの頼みでも、外国のお家騒動に手は貸せませんよ!!」
シノムラ博士「・・・彼女を見てもそう言えるかな?」
篠村一歩(シノムラ・ハジメ)「彼女?」
キャサリン・ホワイト「・・・・・・」
篠村一歩(シノムラ・ハジメ)「・・・あの、どちら様?」
キャサリン・ホワイト「・・・・・・ハジメっ」
篠村一歩(シノムラ・ハジメ)「えっ・・・」
〇実家の居間
〇地下広場
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