AIのアイコ

ぽんたろう

第13話『練習』(脚本)

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〇大きい病院の廊下
雪島千砂「大丈夫かしら」
雪島千砂「ちゃんと仲直りできたらいいけど」
大内加奈子「アイナちゃんも18歳なんですから」
大内加奈子「きっと大丈夫です」

〇病室
雪島アイナ「・・・・・・」
雪島アイナ「ごめんなさい」
花村大河「・・・・・・」
雪島アイナ「やっぱり怒ってるよね」
花村大河「気にしないで」
花村大河「それよりさ」
花村大河「練習しようよ」
雪島アイナ「えっ?」
雪島アイナ「あんな酷いこと言ったのに許してくれるの?」
花村大河「許すも何も前のことなんて どうでもいいじゃん」
雪島アイナ「えっ?」
花村大河「ごめんなさいって言われたら それでいいじゃん」
花村大河「俺は何にも思ってないし」
雪島アイナ「ありがとう」
花村大河「うん」
雪島アイナ「ところで、練習って何の練習?」
花村大河「もちろん、卒業式の練習だよ」
花村大河「あれ? お母さんから聞いてなかった?」
雪島アイナ「聞いてたけど」
雪島アイナ「あ、そうだ」
雪島アイナ「そういえば、私が卒業式に出席できるように 掛け合ってくれたらしいね」
雪島アイナ「嬉しいよ」
花村大河「喜んでくれて良かった」
雪島アイナ「それで、練習って?」
雪島アイナ「私は別室から参加だよね」
花村大河「うん」

〇説明会場
  当日教室の一つを借りることができた
  そこでスマホを使って
  卒業式の映像を流すんだ

〇体育館の舞台
  当日、卒業生たちの名前が読まれていく
  そのとき、アイナちゃんの名前も
  読んでもらえるから

〇説明会場
  そしたら、アイナちゃんが
  別室から返事をするんだよ
  一応、会場のスマホからスピーカー越しに
  声が届くようになってるから
  これで、アイナちゃんも
  別室からただの参加じゃなくて
  実際に参加したことになる
  ただし、当日は学校側は人員を割けないから
  全部自分たちで準備すること
  その辺はアイナちゃんのお母さんと
  加奈子先生がやってくれるみたい
  本当は自分も当日
  手伝いたかったけど・・・・・・

〇病院の診察室
花村大河「というわけなんですが、どうでしょう?」
大内加奈子「やりましょうか」
花村大河「自分は当日のこと頑張ります!」
雪島千砂「でも、確か大河君も 同じ日が卒業式でしたよね?」
花村大河「まあ、そこはこっち優先で」
大内加奈子「卒業式には出席しなさい」
大内加奈子「こっちで準備とか当日のことはやるから」
花村大河「でも、俺が言い出したことだし」
雪島千砂「それぐらいやらせて」
大内加奈子「あなた達はやれることはやったわ」
大内加奈子「それに、あなた達がここまで頑張ったのに」
大内加奈子「私たち大人が 何もしないわけにはいかないでしょ?」
雪島千砂「ええ、せめて大人の義務を果たさせて」
花村大河「分かりました、お願いします」

〇病室
花村大河「ただ、ごめんね」
花村大河「これが限界だった」
花村大河「学校側、病院側の妥協点がこれだったんだ」
雪島アイナ「いいの」
雪島アイナ「これで、夢が叶うんだから」
雪島アイナ「そっか、学校に行って 卒業式に参加できるのかぁ」
雪島アイナ「楽しみ」
雪島アイナ「私の声届くかな」
花村大河「だから、練習するんだよ」
雪島アイナ「うん」
雪島アイナ「あと制服も出さないと」
雪島アイナ「一応持ってるんだよ、制服」
雪島アイナ「一度も着てないけどね」
花村大河「きっと似合うよ」
花村大河「ぜひ、見てみたいな」
雪島アイナ「卒業式までのお楽しみに」
雪島アイナ「でも」
花村大河「ん?」
雪島アイナ「卒業式の話は内緒だって言ったよね?」
花村大河「ごめん」
花村大河「俺に出来ることはないかって思って 先走っちゃった」
雪島アイナ「でも、嬉しい 本当に願いを叶えてくれたんだから」

〇大きい病院の廊下
雪島千砂「良かった」
大内加奈子「無事仲直りできたみたいですね」

〇病室
花村大河「じゃあ、呼ぶよ」
雪島アイナ「うん」
花村大河「雪島アイナ」
雪島アイナ「は、はい」
花村大河「慌てすぎだよ」
雪島アイナ「だって、緊張しちゃって」
花村大河「ほら、もう一回やろうか」
雪島アイナ「うん」

〇病室
花村大河「今日の練習はこれぐらいにしとこうか」
雪島アイナ「うん」
雪島アイナ「練習って言っても 結局話しちゃったけどね」
雪島アイナ「本当だったら、こういうことを 放課後みんなでしてたんだろうな」
花村大河「そうだね」
花村大河「ねえ、一つ提案なんだけど」
雪島アイナ「なに?」

〇総合病院
宮森「良かったのか?」
宮森「部外者の俺が面会させてもらってさ」
花村大河「宮森君は部外者じゃないよ」

〇病院の診察室
看護師「先生、いいんですか? 面会時間や人数も増やして」
大内加奈子「私たちに出来るのは 彼女の望みを一つでも多く叶えることです」
大内加奈子「ご本人、ご家族からも了承済みです」
看護師「分かりました」

〇病室
雪島アイナ「こんにちは」
雪島アイナ「雪島アイナです」
宮森「宮森です」

〇病室
花村大河「ねえ、一つ提案なんだけど」
雪島アイナ「なに?」
花村大河「友達呼んでいいかな?」
雪島アイナ「えっ!?」
花村大河「今回のことで 手伝ってくれた友達がいるんだ」
花村大河「その人を呼んで、練習してみない?」
花村大河「そしたら、少しは度胸つくと思うんだ」
雪島アイナ「え、えっと」
花村大河「嫌なら、もちろん呼ばないよ」
雪島アイナ「そうだね」
雪島アイナ「いいよ」

〇中庭
花村大河「ここなら、少し人がいるから練習になるよ」
雪島アイナ「恥ずかしい」
宮森「でも、本当なら もっと大勢の前でやるんだよ?」
雪島アイナ「確かにそうだけど」
宮森「じゃあ、俺が名前を呼んであげるよ」
雪島アイナ「う、うん」
宮森「では・・・・・・」
花村大河「頑張れ、アイナちゃん」
宮森「花村大河」
花村大河「えっ!?」
花村大河「俺!?」
宮森「俺は一言もアイナちゃんの名前を 最初に呼ぶなんて言ってないぜ」
花村大河「確かに」
雪島アイナ「ははははは」

〇病室
雪島アイナ「練習もしたし、いろいろ話せたし楽しかった」
花村大河「うん」
雪島アイナ「宮森君、気をつかって帰っちゃったね」
花村大河「気をつかう?」
雪島アイナ「まあ、分からなければいいよ」
花村大河「ん?」
雪島アイナ「ゴホゴホ」
花村大河「大丈夫?」
雪島アイナ「う、うん」
雪島アイナ「声を出すこと増えたからかな」
花村大河「無理させすぎたかな」
雪島アイナ「気にしないで」
雪島アイナ「後悔はしたくないの」
雪島アイナ「例え、卒業式まで生きられなくても」
花村大河「・・・・・・」
雪島アイナ「こうして頑張っていたら後悔しないと思う」
雪島アイナ「多分、私ね」
雪島アイナ「ユイコロを始めて 大河くんに会ってなければ」
雪島アイナ「きっと後悔だけ残して死んでたかも」
雪島アイナ「ただ病院にいて、卒業式に出たいとか それすらも言えずに悶々としながら 過ごしていたんだと思う」
雪島アイナ「大河くんに会えて本当に良かった」
花村大河「俺もだよ」
花村大河「アイナちゃんに会えて本当に良かった」
花村大河「絶対卒業式成功させようね」
雪島アイナ「うん」

次のエピソード:第14話『声』

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