告知事項あり。~事故物件のオバケ調査会社~

告知事項あり。制作チーム

第三話:「科学の使命」(後編)(脚本)

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〇山間の田舎道

〇車内
敷島杏「真山さん、後部座席の空気が 酷く悪いんですが」
真山文雄「窓開ける?」
敷島杏「そういうことじゃないんですよ」

〇散らかった研究室
樫村將基「私をその事故物件に案内したまえ。 その物件、この樫村が調査させてもらう」
岩倉哲也「先生が? ご存知とは思いますが、 内見は一名で行っておりまして」
樫村將基「構わんよ。 故障の原因は自身の目で見極めたい」
樫村將基「幽霊のせいにされてはたまらんからな」
岩倉哲也「調査にかかる費用はお出し出来ませんよ?」
樫村將基「はっ、金など。企業から腐る程貰っとるよ」
真山文雄「まあまあ! 機械に詳しい教授に調査して いただければ、いざという時も安心ですし」
敷島杏「そうですよ、万全な体制でって 社長もおっしゃってたじゃないですか」
岩倉哲也「・・・では教授、よろしくお願いします」
樫村將基「うむ、承った。ついては頼みがあるんだが」

〇車内
敷島杏「機材を取りに行くだけなら 社長はいなくてもいいんじゃないですか」
真山文雄「社長、あれで真面目だからさ」
真山文雄「新しい機材を使うなら自分も把握して おきたいんだって」
敷島杏「じゃあ仲良くなる努力もしたらいいのに。 大人でしょう!」
真山文雄「そこはなんか、譲れないものが あるんじゃない」
真山文雄「お、着いたみたいだよ」
敷島杏「え? ここって──」

〇古い倉庫
樫村將基「いわゆる町工場だ。 普段から懇意にさせてもらっている」
敷島杏「な、何というか。趣き深いですね」
樫村將基「汚くて小さな工場だって言うんだろ?」
敷島杏「わわわっ、すみません!  そんなつもりじゃ」
樫村將基「確かに大量生産では大手には敵わないがね」
樫村將基「実際に技術力を持っているのは こういう所なんだよ」
須田吾朗「過分なご評価、恐れ入ります」
樫村將基「やあ、須田さん。急なお願いを 聞いてくださってありがとうございます」
須田吾朗「教授の頼みならいつだって大歓迎ですよ」
樫村將基「責任者の須田さんだ。 須田さん、こちら岩倉不動産の──」
敷島杏「敷島と申します」
樫村將基「他の二人はお会いしたことありましたよね」
真山文雄「ご無沙汰してます」
岩倉哲也「どうも」
樫村將基「須田さん、例のものだけど」
須田吾朗「応接室のほうにご用意しております」

〇職人の作業場
樫村將基「うん、設計通り。いつも通りいい腕だ」
須田吾朗「教授のオーダーはいつも正確なので 技術者たちも気合いが入るようで」
敷島杏「樫村教授、これは?」
樫村將基「静電気測定装置だ」
樫村將基「電流が発生する前には必ず周囲の 電位差が発生するはずだからね」
岩倉哲也「なるほど、電流が発生したあとじゃ 機器に影響がでるからな」
真山文雄「でも、あのマンション部屋数 結構ありましたよ」
樫村將基「10個、都合してもらった。 充分だと思うがね」
岩倉哲也「よし、戻るぞ。内見までには 都内に戻っておきたいからな」

〇車内
敷島杏「あの、教授。 今日調査していただく物件なんですけど」
樫村將基「まさか幽霊が出るとか 言うんじゃないだろうね?」
敷島杏「そうではないのですが、 だた“ニオイ”がするんです」
樫村將基「“ニオイ”?」
敷島杏「上手く説明はできません、ただそういう 物件は危ないことが多いらしくて」
樫村將基「説明も出来ない感覚を根拠に 危険と言われてもね」
敷島杏「すみません」
樫村將基「だが――忠告は聞いておくよ。ありがとう」
樫村將基「モニタリング出来ない事象が存在すると いうのは、私も経験したことがあるからね」

〇デザイナーズマンション
敷島杏「あの、必要ないって どういうことでしょうか!」
永野圭太「言葉通りの意味ですよ。 あの部屋はもう他には貸しません」
永野圭太「だから調査も必要ない」
敷島杏「でも、あの部屋には絶対何かあります! 調査するべきです!」
樫村將基「敷島くん。ちょっといいかな。私が話そう」
敷島杏「教授?」
樫村將基「大学で電気工学を教えている 樫村と申します」
永野圭太「ふーん、大学教授」
永野圭太「まさかあなたもオバケが出るなんて 言うんじゃないでしょうね?」
樫村將基「いえ、私はあの部屋の室内環境を 危惧しているだけでね」
永野圭太「室内環境?」
樫村將基「異常な電圧が発生している可能性がある。 他の住民を脅かしかねないほどのね」
岩倉哲也「調査せずに被害が出ればオーナーの 管理者責任だ」
岩倉哲也「訴訟では負けるだろうな」
永野圭太「うるさい! とにかく調査はお断りだ! これ以上は警察呼ぶぞ!」

〇ファミリーレストランの店内
真山文雄「変な人でしたねぇ」
敷島杏「どうしてあんなに拒否されたんでしょうか」
岩倉哲也「さあな。大方、思い当たる節があるんだろ」

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