Xヒーロー

語り部

第106話 信念的技(脚本)

Xヒーロー

語り部

今すぐ読む

Xヒーロー
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇散らかった部屋
  2021年 オレゴン州 ポートランド 国立霊長類研究センター B棟 一般寝室
セルゲイ・ライノヴィッチ「しかし汚ねぇ部屋だな···来週一斉清掃やらせなきゃだな···」
  そう言いながらセルゲイはフェードを見る。フェードが何も言わずただ構えをとっていた
セルゲイ・ライノヴィッチ「なぁ、1個聞くけどマジで勝てると思ってるか?」
  しかしフェードはその言葉に返さず、不用意に近づいたセルゲイに掌底を打ち込む
  数m吹っ飛んだ体に僅かながらセルゲイは『骨が軋む』音を聞いた。
フェード「闭嘴然后过来(黙って来い)」
  有無を言わさない発砲、体は瞬時にベットの影に隠れることを選んだ。
  ゆっくりと歩を進めるセルゲイの銃口は確実にベットの影の方へ向けられた。瞬間、チラりとフェードが顔を覗かせる
セルゲイ・ライノヴィッチ「どうした?勝てないと思ったら降参でいいぞ!?俺の能力の『範囲内』なんだからな!」
  言葉を終えた一呼吸の後、鏢がセルゲイに向けて投擲される
  セルゲイは自身に向かって飛んでくる鏢を三本躱した後、ベットの影に向けて体を晒す。そしてそこで投げつけられたのは···
セルゲイ・ライノヴィッチ「チッ···『写真立て』なんて投げて何になるっ!」
  セルゲイの苛立ちとは裏腹にフェードは一気に間合いを詰め、弾丸が発射される
  しかしフェードはその一撃を待っていたと言わんばかりに右足を軸にし、その場で回転しながら避け
  ハンガーの金具をセルゲイの手首にかけ、捻り、掌底で銃を弾き飛ばした後
  セルゲイの咄嗟に取り出したナイフの攻撃に合わせハンガーをぶつけ、ひるませる。そして
  ハンガーを首に勢いよく当て怯ませ、ハンガーの金具を首に引っ掛けセルゲイの体勢を崩した後
  天高く足で蹴り上げ、右足を軸に回転しながら踵でセルゲイのこめかみを貫きながら蹴り飛ばした
フェード「クロノス、外にいる皆を呼んでこい」
  そう言うとクロノスは人型に変化し、その場を離れる。フェードはゆっくりと歩みを進めながら環首刀を抜く
フェード「お前は既に脳震盪で気絶、もしくは意識があっても数分の命。本来なら必要ないことだが···」
フェード「相手の思い込んだことを現実にする能力。私が倒れているお前を見た瞬間『死んでいないかもしれない』」
フェード「少しだけそう思ってしまったが為に、お前は死ぬはずの命が無理やり延命されている」
フェード「敵とはいえ···せめて···私の手で」
  浅い呼吸と早打ちをする心臓を感じながらセルゲイはフェードを見つめ、言葉を漏らした
セルゲイ・ライノヴィッチ「Елена... Я верил в тебя... (エレナ···信じてたのに···)」
セルゲイ・ライノヴィッチ「Обман — это ужасно.(浮気するなんてひどいよ)」
セルゲイ・ライノヴィッチ「Не уходи... мой...(行かないで···俺の···)」
  フェードが静かにそれを受け止めながらセルゲイは全てを『停止』した
クロノス「クイーン!連れてきたよ、急ごう!」
  フェードは心臓に突き刺した環首刀を抜き、血を払い納刀するとクロノス言葉に一言返すだけに終わった
  To Be Continued··· ··· ···

次のエピソード:第107話 終わった恋なんてない

成分キーワード

ページTOPへ