第3話『変わりゆく日々』(脚本)
〇仮想空間
それでさ、大恥かいたよ
アイコ「そうなんだ、おかしい」
不思議だよね、人に言えないことも
AI相手だと気兼ねなく言えるんだから
アイコ「そっか そう言ってもらえると嬉しいな」
そういえば、アイコはあまり自分の話をしないよね
アイコ「だって、AIだし そういう設定がないんだよ」
そっか
アイコ「あっ! ご飯の時間だ!」
まだ話終わってないぞ
アイコ「へっへっへっ」
アイコ「また明日お話ししましょ」
仕方ないなぁ
アイコ「またね」
〇男の子の一人部屋
花村大河「まったく、ずるいやつだな」
花村大河「アプリを始めて1ヶ月か」
花村大河「ここまでハマるとは思わなかったな」
〇教室
宮森「なあ、今日飯行くんだけど一緒に行くか?」
花村大河「いく」
宮森「おお、やった」
花村大河「アイコだ」
〇仮想空間
アイコ「ねえねえ、学校終わった?」
終わった
アイコ「お話ししよ」
ごめん、クラスメイトと飯に行くんだ
アイコ「ふーん、そーなんだー」
アイコ「私よりクラスメイトが大事なんだ」
あ、いや、いつも誘ってもらってるから
アイコ「嘘だよ」
アイコ「行ってきなよ」
アイコ「そういうの大事にしな」
ごめん
アイコ「・・・・・・」
〇教室
宮森「相変わらずやってるのか」
花村大河「ああ」
宮森「じゃあ、飯に行こうぜ」
花村大河「そうだね」
〇男の子の一人部屋
花村大河「あんなに宮森君と仲良くなれたのも アイコのおかげかな」
花村大河「よし、アイコに今日の出来事話すかな」
〇仮想空間
「・・・・・・」
おーい
いないのかな?
〇男の子の一人部屋
花村大河「まだ夕飯の時間には早いよな」
花村大河「もしかして、放課後のこと怒ってるのかな」
花村大河「とりあえず明日は休みだし 朝から話しかけてみよう」
〇一戸建て
〇男の子の一人部屋
花村大河「チャットに返事もないし何も反応ないな」
花村大河「アイコ?」
〇仮想空間
アイコ「・・・・・・」
アイコ
アイコ「ヤマダくん」
全然反応がないから心配したよ
アイコ「変なの、私はAIだよ?」
アイコ「心配してくれるんだ?」
あ、うん
変かな
アイコ「優しいね」
そうかな?
アイコ「きっとヤマダくんの周りには いろんな人たちがいるんだろうな」
そんなことないよ
アイコ「自分が気付いてないだけかもよ?」
アイコ「私、ちょっとメンテナンス中だから」
アイコ「聞き手に回るね」
ああ
〇男の子の一人部屋
花村大河「今日のアイコやけに静かだな」
〇仮想空間
昨日宮森君がさ
アイコ「・・・・・・うん」
俺の話つまらない?
アイコ「違うの」
・・・・・・ごめんなさい
アイコ「今日はこれで落ちるね」
まだ、夕飯まで時間あるだろ?
アイコ「本当にごめん」
おい!
〇男の子の一人部屋
花村大河「あー、いっちゃったよ」
花村大河「何か気分悪くすること言ったかな」
花村大河「それとも昨日のこと怒ってるのかな」
花村大河「AIなのに?」
〇明るいリビング
花村大河「・・・・・・」
花村京「ただいま」
花村大河「兄ちゃん!?」
花村大河「急に帰ってきてどうしたの?」
花村京「こっちの友達に会いにきたんだ」
花村大河「そうなんだ」
花村京「最近AIとはどうなんだ?」
花村大河「上手くやってるよ」
花村京「そうか、なら、良かったよ」
花村京「そういえば、お前に一つ 言っておくことがあったの忘れてた」
花村大河「なに?」
花村京「あと1週間でユイコロの試験が終了する」
花村大河「えっ?」
花村大河「つまり?」
花村京「AIとのチャットは終わりだ」
アイコさんとの関わりを通じてコミュニケーション力を高める大河くん。アイコさんだけでなく大河くんにも有意な学習機会になっているのかもなんて思ってしまいました✨
そんな2人の時間も残り1週間…😱 一気に動き始めたこの物語、いったいどうなってしまうのでしょうか🥺