Xヒーロー

語り部

第105話 脱出開始(脚本)

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〇地下室
  2021年 オレゴン州 ポートランド 国立霊長類研究センター A棟 一時保管室
フェード「クソっ···!セルゲイが逃げる···!」
アナザー・オリジン「おっと···あいつと喧嘩する前にまず俺としてくれよ」
  この混乱の中、セルゲイは壁にできた穴から逃走し、そして目の前に立ちはだかる。
  シャルルは冷羅に駆け寄り安否を確認する中、皆が斎王を囲むようにアナザー・オリジンの前に立った
  しかし皆言葉にできない『恐怖』を感じていた。学校で、口伝で、本で、ドラマで、映画で、資料で、様々な形で見聞きした存在
  人類最強の男『神王雷華』。それに全く瓜二つの存在アナザー・オリジン。
  湧き上がる恐怖、反吐が出る緊張感、すべてが死に繋がる絶望感。
  ヒグマを前にして死を予見し、体を動かせなくなるように
  キング達も『死を覚悟していた』
アナザー・オリジン「うーん···守りながら戦うって···本気出せないだろ?外出るか?」
フェード「ならこのまま逃がしてくれるとありがたいがな」
アナザー・オリジン「それはダメだ。お前らとは喧嘩して決着をつける」
アナザー・オリジン「あ、いいこと思いついた!」
アナザー・オリジン「俺が1分ここで待つから、お前らはこの研究所から逃げろ」
アナザー・オリジン「ただし!俺は1分たったらお前らを探し出して喧嘩売る。もちろんそいつ···斎王だったか?」
アナザー・オリジン「『絶対に手は出さない』が···必ずタイマンはしてもらう。あ、でもタイマンが不安なら一気に来てもいいからな?」
  突如突きつけられた条件に困惑する中、鸞は何かに気づきこれを承諾した
  そして斎王達はその場から一斉に走り去り、アナザー・オリジンは椅子に腰を下ろしながら
  壁にかかっている時計をただじっ···と見続けた。そして動けないはずの冷羅の方を見つめた
アナザー・オリジン「『何時になったら再生する?』なんか必要なら取ってくるぞ?」
シャルル「再生するわけない···ボスはもう死んだんだ···お前が殺した」
アナザー・オリジン「隠してるつもりか?覚醒能力者は『五大元素』が十分にあれば再生できるって知ってんだよ」
アナザー・オリジン「冷羅の場合『水元素』、水分さえあれば再生は可能だ。まさか知らなかった訳じゃないよな?」
シャルル(これ本当なの···?だから斎王達は逃げたの?ボスなら···勝てるって···)
シャルル(エンチャントが知らないわけ無さそうだし、本当だとしたら···ボスを守らなきゃ···)

〇開発施設の廊下
  B棟 2階 廊下
エンチャント魔導法士「··· ··· ···という理由で冷羅は無事だ。シャルルもあそこで死ぬとは思えんし、サッサと逃げるに限る」
キング「しゃあねえか···一応じいさんが作った『抜け穴』あるし、そっから逃げるか」
鸞「逃げ道はどうする?来る時アナザー達と兵士がかなり居たが、相手してられないぞ」
エンチャント魔導法士「ベットか毛布がある部屋があれば、それらを作り替えてマットすれば2階から飛び降りれるぞ」
  だが皆の歩みは止まった。向こう側から現れた『同じ顔と身体の大軍』によって
キング「あれだけやってもまだこんなに居んのか···どんだけ居んだよ」
鸞「どうする···?どうやって突破する?」
  しかしエンチャントはその言葉に口角を上げ『目的を忘れてるな?』と鸞に返すと
  廊下の一部を作り替え『1回に繋がる穴』にした

〇開発施設の廊下
  B棟 1階 廊下
  エンチャントの作り替えた穴で皆無事に1階に降りたが、そこに居たのは···
エンチャント魔導法士「まずいっ···!一般の兵士だ、読まれていたかっ···!」
キング「前に出るな!『ゲート・ウェイ・ウォール!』」
鸞「キングのバリケードでとりあえず防げたが···反対側は階段だ。エンチャント、この部屋の壁に穴を開けて脱出できないか?」
  鸞の指示通りエンチャントは近くの部屋の壁に魔術で穴を開けるが、一発の弾丸がエンチャントの左肩を貫いた
セルゲイ・ライノヴィッチ「もっと疑ってかかった方がいいぞ?敵のホームなんだ、対策はし放題やり放題だ」
セルゲイ・ライノヴィッチ「どこにどう敵が来るかなんてお見通しだよ。『恋はいつだって疑念的だ』、絶対なんてないんだよ」
キング「ちっ···おい!反対側どうなんだよ、凪園!」
鸞「ダメだキング、反対側にも一般兵が潜んでいた···階段からもアナザー達が来た」
  完全に包囲された状況で、斎王達は互いの背中を預け構えをとった
  しかしそんな中でセルゲイの前に歩を進める者が1人
  皆彼女を見つめたが止めに入ることは無かった。『フェードならできる』という思い込みが
  『皆の力になった』
  To Be Continued··· ··· ···

次のエピソード:第106話 信念的技

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