第104話 疑念的恋(脚本)
〇地下室
2021年 オレゴン州 ポートランド 国立霊長類研究センター A棟 一時保管室
シャルル「刺槍神技『リナルド』」
凪園無頼「風のビート『エリヌダス・スワイプス!』」
キング「いける···いけるぞ!完全にぶっ壊れてるはずのアナザーも段々動きが鈍ってきた!」
シャルル「やっぱり···これではっきりした。分かったよ、あいつの能力」
キング「マジか!どんなだ!?ヤベェ能力か?」
シャルル「あいつの能力、それは···」
シャルル「『相手の思い込んだことを現実にする能力』。それ以外ない」
シャルルの看破にキングと凪園はその場で思わずポカンとした。それもそうだ
もしそんな能力なら『ハズレもハズレ』。どうやって扱うんだよと···
だが2人はすぐに真実という確信を得る。それはセルゲイの表情だった
明らかに焦っている表情で彼は徐々に後ずさりしていく、そんな様子を見て2人は
シャルルの看破を『真実と確信し』身を引き締めて直した
セルゲイ・ライノヴィッチ「マジかよ···なんで分かるんだよ、ヒントそんな無かっただろ?」
シャルル「動くはずのない存在、その場にいなければならない理由、思い込みを強くさせるためのセリフ回し」
シャルル「分かりやすい。よくそんな能力で戦ってるなって思うけど···」
凪園無頼「クソハズレ能力じゃーん!俺だったらぜってーそんな能力頼んねー!」
セルゲイ・ライノヴィッチ「やっぱそう思うよな~···誰がどう見たってハズレ能力だ。気づくのに1年もかかったし、能力鍛えるのにそれ以上かかってるし」
そう言ってセルゲイはアナザーの群れの向こうで頭を抱えながら、ドアを開けようとする。しかし扉は先に開かれそこに居たのは
斎王幽羅「あ··· ··· ···」
フェード「いいタイミングだったな。さて···どこかに用事か?セルゲイ」
セルゲイ・ライノヴィッチ「あーあ···こういう時ヨンスみたいな能力なら速攻離脱できたのにな···」
アナザー達はキング達に倒され、背後には斎王達がおり、いよいよ打つ手なしとなったこの状況
セルゲイはただただため息をつくしかなかった。そのはずだった。しかし
セルゲイはその顔を『笑ませながら』話し始めた
セルゲイ・ライノヴィッチ「この能力発現してからなんでか知らんが俺『運が良くなった』んだよ。変だよな?」
フェード「おい、こいつ拘束するぞ。誰か縄かなんか持ってないか?」
セルゲイ・ライノヴィッチ「思うんだけどやっぱ能力がゴミで半分、運任せみたいな所あるからだなって思うんだよ俺」
フェード「ありがとう鸞。よし···これでもう逃げられない」
セルゲイ・ライノヴィッチ「今のこの状況もさ、俺にとってやっぱ『運が良かった』って思うんだよ。鸞とフェードがいるからな」
シャルル「鸞、フェード!そいつに対して『何も思うな!』」
セルゲイ・ライノヴィッチ「遅いっ!『積もる不信!』」
壁が破壊され何かが突っ込んでくる。フェードを守るようにクロノスは庇うと、目の前には瓦礫と『2人』が居た
皆目を丸くした。だがそれは今の状況に驚いたからではない
シャルル「ボ···ボスが···そんな···」
フェード「あの氷帝が··· ··· ···あんな···『上半身だけの姿』にされるなんて···」
セルゲイ・ライノヴィッチ「はっ、流石の氷帝もアナザー・オリジンには勝てなかったか」
セルゲイ・ライノヴィッチ「にしてもやっぱ俺運がいいな。あんな状況から逆転の芽が出てきたんだし」
セルゲイ・ライノヴィッチ「アナザー・オリジン。現在の命令を復唱しろ」
アナザー・オリジン「なし」
セルゲイ・ライノヴィッチ「だろうな···やっぱ野放しか···また命令系統がイかれたか。じゃあいつも通り命令を下す」
セルゲイ・ライノヴィッチ「データ登録された敵と喧嘩し勝利せよ」
アナザー・オリジン「命令更新。よーし···初めっか!」
To Be Continued··· ··· ···