漆黒のデュランダル伝説 ~ただの中二病の俺が勇者に祭りあげられてしまった件~

ウロジ太郎

第1章第4節 『デュランダル覚醒イベント!?』(脚本)

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〇大きな木のある校舎
  気絶した霧乃を抱えた只野が、有住と対峙している。
エンヴィー有住「ヴィハハハ。どうする。デュランダル。 仲間を庇って戦えるか?」
只野男志(やばいぞ! どーすんだ! 俺! 何か、何か ・・・ええい! ままよっ!)
只野男志「ふ ・・・フッ。愚かな。 貴様はすでに死神(タナトス)の掌の上よ」
只野男志「黒星召喚(サモン・ブラックホール)!」
エンヴィー有住「な、街ごと消す気か!?」
只野男志「貴様の、上だ」
エンヴィー有住「!?」
  上を向くエンヴィー有住。
只野男志(よし! かかった! 今だ!)
  霧乃を抱え、逃走に移る。
エンヴィー有住「なんだ ・・・なにも無いでは・・・」
エンヴィー有住「あっ! こらっ! またこの手か!」

〇学校の廊下
  霧乃を抱えた只野が走ってくる。
只野男志「はぁはぁ ・・・体育、まじめにやってればよかった ・・・ぜぇぜぇ」
エンヴィー有住「どこだぁ! 人をコケにしやがって! 上か? 待ってろ!」
只野男志「やばっ。こっち来る! 霧乃ちゃ ・・・ミスティ! 目を覚まして!」
只野男志「そうだ。愛してる! 愛してるから起きて!」
帝院霧乃「・・・・・・」
只野男志「だめか! とにかく、上の階に!」

〇学校の屋上
只野男志「はぁはぁ・・・結局、屋上まで来ちゃったけど・・・ん?」
  只野がふと、下を見る。

〇学校のプール
  真下にはプールが見える。

〇学校の屋上
只野男志「プール! 水属性!」
只野男志「ってことは下まで降りれば、ワンチャン・・・!」
エンヴィー有住「ヴィハハハハ」
只野男志「げぇっ! エンヴィー!」
エンヴィー有住「袋の鼠、というやつだな。デュランダル」
エンヴィー有住「・・・いや。先程からこけおどしばかり・・・貴様、何者だ?」
只野男志(やばい! やばい! もうハッタリは効かないパターン!)
只野男志(・・・いや、でも待てよ)
只野男志(・・・今までの出来事は全部、漆黒の書の内容が実現してたんだよな?)
只野男志「・・・我は、漆黒の(シュヴァルツ)デュランダルの転生体である」
エンヴィー有住「今度はどんな茶番だ?」
只野男志(だったらこの状況!)
只野男志(明らかに、俺の中に秘められた力が目覚める、覚醒イベントじゃん! 絶対そうだよ!)
只野男志「覚醒せよ、我に宿りし魔星の力! 光よりも昏き黒星の加護!」
只野男志「うおおおお!」
エンヴィー有住「この詠唱は。まさか!?」
只野男志「うおおおおおおおおおおおおおっ!」
エンヴィー有住「~~~~~ッ!?」
只野男志「うおおおおおおぉ~~・・・ハァハァ・・・」
エンヴィー有住「・・・・・・」
只野男志「ぅぉ・・・う、うおおおぉおぉぉ~~」
エンヴィー有住「こざかしいわっ!」
  只野を思いきり殴り飛ばす。
只野男志「ぎゃんっ!?」
  その衝撃で只野に抱えられていた霧乃が地面に落ち、バゴンと頭を強打する。
帝院霧乃「・・・ッ」
只野男志「い、痛ッ! 血ぃ! 血が出たぁ!」
エンヴィー有住「ふん。欠片も魔力を感じぬな。 ・・・どれ。血の味は・・・?」
  手についた只野の血を、ベロリと舐める。
エンヴィー有住「ヴィ ・・・ヴィハハハッ! カスだ! 見事なゴミだ!」
エンヴィー有住「血液にすら微塵も魔力を感じない! ただの人間!」
只野男志「う・・・うそ ・・・」
エンヴィー有住「まぁいい」
エンヴィー有住「運命の戦士(ドーゥム・チャンピオンズ)どもが、お前をデュランダルだと信じているなら、お前の死にも意味はある」
只野男志「え・・・俺の、死って・・・?」
エンヴィー有住「ヴィハハハ。 奴らの士気を挫き、俺はデュランダル殺しの名誉を得る、というわけだ」
エンヴィー有住「なぁに。すぐに済む」
只野男志(やばい死ぬ! すぐ死ぬ! いま死ぬ! 絶対死ぬ! なにか、なにか~!)
只野男志「待って、待って待って!」
エンヴィー有住「待てんな。そろそろレーヴァテインが囮の眷属を倒し、戻る頃だ」
只野男志「い・・・いや、違うんだよ! 俺の立場、スパイとして使えると思うんだ!」
エンヴィー有住「なに?」
只野男志「運命の戦士(ドーゥム・チャンピオンズ)の情報を君に流す! 君はそれをもとに、手柄を立てればいい!」
エンヴィー有住「ほう・・・?」
只野男志「確実に君の利益になる。どうだろう」
エンヴィー有住「ふむ・・・」
只野男志(よし、乗ってきた! いける!)
只野男志「だからこの場は、俺と・・・ミストルティンを見逃してほしいんだ」
只野男志(とにかくこの場さえ生き残れば!)
只野男志(あとで2人に本当のこと話して、守ってもらおう!)
只野男志(そうだ、それがいい!)
エンヴィー有住「うむ。よし! だめだ!」
只野男志「はぁっ!?」
エンヴィー有住「だめだ! 霧乃さんは俺のものだ!」
エンヴィー有住「中二野郎に穢(けが)されるくらいなら、この俺が穢す! 穢すんだ!」
只野男志「うそでしょーーっ!?」
エンヴィー有住「死ねぇ! 中二野郎!」
  渦巻く嫉妬の業火が、只野を襲う。
只野男志「ぎゃぁ~~っ! って、あぎゃっ」
  只野の足が霧乃を踏みつける。
帝院霧乃「・・・ぅげふっ!」
  その拍子にバランスを崩し、転ぶ只野。
  直前まで只野のいた空間を素通りした嫉妬の業火が、屋上の貯水槽に炸裂する。
  破壊された貯水槽から水がほとばしり、エンヴィーに直撃する。
  ジュワァッ
  エンヴィーの全身から水蒸気があがる。
エンヴィー有住「グワァア!? 消える、消える!? 消えてたまるか~~っ! ハァハァ・・・」
  エンヴィーの全身が赤黒い炎に包まれる。
只野男志「ちょっと・・・弱ってる?」
  そのとき、霧乃がうめく。
帝院霧乃「・・・う・・・うぅ・・・っ」

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