第1章第3節 『急襲! "嫉妬の業火エンヴィー"』(脚本)
〇黒
漆黒のデュランダルの力は、呪われし魔星の力である。
この強大すぎる力を振るわずに済むように、かわりに戦うのも、デュランダルの四騎士の役割である。
──『デュランダル 漆黒の書』 第2章 第1節──
〇学生の一人部屋
只野男志「・・・で。なんでいるのだ?」
帝院霧乃「このミストルティン、片時もお側を離れず、デュランダル様をお守りします!」
只野男志「・・・レーヴァテインは?」
帝院霧乃「お兄様は、夜のパトロールです」
只野男志「そうなのか。だがここは、男子寮なのだが」
帝院霧乃「私は女である以前に、あなたの騎士! ですのでここで、寝ずに護衛を!」
只野男志「寝る気満々ではないか」
帝院霧乃「寝起きでも戦えます!」
只野男志「だが、ミストルティン。 ふとん、一組しかないのだが」
帝院霧乃「好都合です! 密着して守れます!」
只野男志(ちょっとぉ! なに、この娘!)
帝院霧乃「あの。それとどうか2人きりのときは、ミストルティンではなく、ミスティと」
只野男志(ぐいぐいくるなっ!)
帝院霧乃「やさしく・・・してくださいね?」
只野男志(何しに来たの、この娘! ねぇ! ナニしにきたの!?)
そのとき、ドアがドンドンと叩かれる。
帝院霧乃「・・・何者? 確認してきます!」
只野男志「な、ならーぬ! ここは男子寮である! 部屋から出てはなーらーぬー!」
帝院霧乃「しかし、闇の勢力(ダークパワーズ)の手先かもしれません!」
ドアが再び、ドンドンドンと叩かれる。
只野男志「わ、我が出る! お前はそこに・・・」
バガァン!
破壊音とともにドアが吹き飛ぶ。
只野男志(えーっ!? な、なんでーー!?)
ヨルムンガンド「フギャーーーッ!?」
ヨルムンガンドが一目散に逃走する。
帝院霧乃「デュランダル様! 敵です!」
只野男志「・・・!」
帝院霧乃「有住、くん・・・?」
エンヴィー有住「デュランダァァルッ!」
エンヴィーの手に赤黒い炎が出現し、只野に向けて放たれる。
帝院霧乃「やらせません! リーフシールド!」
葉の形をしたバリアが炎をさえぎる。
エンヴィー有住「ヴィハ! 葉の盾(リーフシールド)で嫉妬の業火が止まるか!」
帝院霧乃「嫉妬の業火!? 七つの大罪(セブン・シンズ)のエンヴィーか!」
エンヴィー有住「ヴィハハ! そう。闇の勢力幹部のお出ましよ!」
エンヴィー有住「そして俺は火属性! 木属性をもつお前に勝ち目はない!」
只野男志(そんな設定、作った気がするゥ!)
帝院霧乃「うぅっ! 相性が、悪くても・・・!」
エンヴィー有住「無駄よ! 喰らえっ! 嫉妬の咆哮(ジェラシック・バーク)!」
エンヴィーの口から炎が放射され、霧乃のリーフシールドを粉砕する。
帝院霧乃「きゃあぁあああっ!?」
只野男志(ちょっとぉ! 六畳間でそんな大技・・・!)
只野男志(ぎゃあ~~っ!?)
只野と霧乃は、爆風で吹き飛ばされる。
エンヴィー有住「ヴィハハ! 弱すぎる!」
只野男志(痛いし! 熱いし!)
只野男志(シールドなかったら、普通に殺されてたやつじゃん!)
只野男志「って、漆黒の書に火が!」
只野男志(漆黒の書がバーニング! 消さなきゃ! あち、あちち)
火は消えるが、漆黒の書が少し焦げる。
只野男志(セ、セーフ! ギリセーフ!)
帝院霧乃「うぅ・・・まだ、まだ・・・」
只野男志(って、彼女もボロボロだし! な、なんとかしないと・・・!)
エンヴィー有住「ヴィハハハ! とどめ!」
おもむろに、只野がスッと立ちあがる。
只野男志「やってくれたな。エンヴィーよ」
帝院霧乃「・・・デュランダル・・・さま・・・?」
エンヴィー有住「ヴィハ・・・ッ!?」
只野男志「我に宿りし漆黒の魔星の力・・・貴様ごときには過ぎた力だが、仕方あるまい」
エンヴィー有住「馬鹿な! その力を使えば、この建物の人間までも・・・!」
只野男志「我が騎士を傷つける者を、我は許さぬ! いくぞエンヴィー!」
只野男志「漆黒の大盾(シュヴァルツ・シルト)!」
エンヴィー有住「ヴィイイイッ!?」
ひるむエンヴィー。
・・・しかし、なにも起こらない。
只野男志「ミスティ、窓から飛び降りろ!」
帝院霧乃「いま、ミスティと・・・!」
只野男志「いいからっ!」
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