漆黒のデュランダル伝説 ~ただの中二病の俺が勇者に祭りあげられてしまった件~

ウロジ太郎

第1章第3節 『急襲! "嫉妬の業火エンヴィー"』(脚本)

漆黒のデュランダル伝説 ~ただの中二病の俺が勇者に祭りあげられてしまった件~

ウロジ太郎

今すぐ読む

漆黒のデュランダル伝説 ~ただの中二病の俺が勇者に祭りあげられてしまった件~
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇黒
  漆黒のデュランダルの力は、呪われし魔星の力である。
  この強大すぎる力を振るわずに済むように、かわりに戦うのも、デュランダルの四騎士の役割である。
  ──『デュランダル 漆黒の書』 第2章 第1節──

〇学生の一人部屋
只野男志「・・・で。なんでいるのだ?」
帝院霧乃「このミストルティン、片時もお側を離れず、デュランダル様をお守りします!」
只野男志「・・・レーヴァテインは?」
帝院霧乃「お兄様は、夜のパトロールです」
只野男志「そうなのか。だがここは、男子寮なのだが」
帝院霧乃「私は女である以前に、あなたの騎士! ですのでここで、寝ずに護衛を!」
只野男志「寝る気満々ではないか」
帝院霧乃「寝起きでも戦えます!」
只野男志「だが、ミストルティン。 ふとん、一組しかないのだが」
帝院霧乃「好都合です! 密着して守れます!」
只野男志(ちょっとぉ! なに、この娘!)
帝院霧乃「あの。それとどうか2人きりのときは、ミストルティンではなく、ミスティと」
只野男志(ぐいぐいくるなっ!)
帝院霧乃「やさしく・・・してくださいね?」
只野男志(何しに来たの、この娘! ねぇ! ナニしにきたの!?)
  そのとき、ドアがドンドンと叩かれる。
帝院霧乃「・・・何者? 確認してきます!」
只野男志「な、ならーぬ! ここは男子寮である! 部屋から出てはなーらーぬー!」
帝院霧乃「しかし、闇の勢力(ダークパワーズ)の手先かもしれません!」
  ドアが再び、ドンドンドンと叩かれる。
只野男志「わ、我が出る! お前はそこに・・・」
  バガァン!
  破壊音とともにドアが吹き飛ぶ。
只野男志(えーっ!? な、なんでーー!?)
ヨルムンガンド「フギャーーーッ!?」
  ヨルムンガンドが一目散に逃走する。
帝院霧乃「デュランダル様! 敵です!」
只野男志「・・・!」
帝院霧乃「有住、くん・・・?」
エンヴィー有住「デュランダァァルッ!」
  エンヴィーの手に赤黒い炎が出現し、只野に向けて放たれる。
帝院霧乃「やらせません! リーフシールド!」
  葉の形をしたバリアが炎をさえぎる。
エンヴィー有住「ヴィハ! 葉の盾(リーフシールド)で嫉妬の業火が止まるか!」
帝院霧乃「嫉妬の業火!? 七つの大罪(セブン・シンズ)のエンヴィーか!」
エンヴィー有住「ヴィハハ! そう。闇の勢力幹部のお出ましよ!」
エンヴィー有住「そして俺は火属性! 木属性をもつお前に勝ち目はない!」
只野男志(そんな設定、作った気がするゥ!)
帝院霧乃「うぅっ! 相性が、悪くても・・・!」
エンヴィー有住「無駄よ! 喰らえっ! 嫉妬の咆哮(ジェラシック・バーク)!」
  エンヴィーの口から炎が放射され、霧乃のリーフシールドを粉砕する。
帝院霧乃「きゃあぁあああっ!?」
只野男志(ちょっとぉ! 六畳間でそんな大技・・・!)
只野男志(ぎゃあ~~っ!?)
  只野と霧乃は、爆風で吹き飛ばされる。
エンヴィー有住「ヴィハハ! 弱すぎる!」
只野男志(痛いし! 熱いし!)
只野男志(シールドなかったら、普通に殺されてたやつじゃん!)
只野男志「って、漆黒の書に火が!」
只野男志(漆黒の書がバーニング! 消さなきゃ! あち、あちち)
  火は消えるが、漆黒の書が少し焦げる。
只野男志(セ、セーフ! ギリセーフ!)
帝院霧乃「うぅ・・・まだ、まだ・・・」
只野男志(って、彼女もボロボロだし! な、なんとかしないと・・・!)
エンヴィー有住「ヴィハハハ! とどめ!」
  おもむろに、只野がスッと立ちあがる。
只野男志「やってくれたな。エンヴィーよ」
帝院霧乃「・・・デュランダル・・・さま・・・?」
エンヴィー有住「ヴィハ・・・ッ!?」
只野男志「我に宿りし漆黒の魔星の力・・・貴様ごときには過ぎた力だが、仕方あるまい」
エンヴィー有住「馬鹿な! その力を使えば、この建物の人間までも・・・!」
只野男志「我が騎士を傷つける者を、我は許さぬ! いくぞエンヴィー!」
只野男志「漆黒の大盾(シュヴァルツ・シルト)!」
エンヴィー有住「ヴィイイイッ!?」
  ひるむエンヴィー。
  ・・・しかし、なにも起こらない。
只野男志「ミスティ、窓から飛び降りろ!」
帝院霧乃「いま、ミスティと・・・!」
只野男志「いいからっ!」
  2人一緒に、勢いよく窓から飛び降りた。

〇学生寮
  霧乃と一緒に落下しながら、ふと只野は気がついた。
只野男志(そういやここ、3階だった・・・! 死ぬ! 死んじゃうーっ!)
帝院霧乃「我が眷属、植物よ! 繁茂せよ(グロース)!」
只野男志(花壇の茂みが急速に成長していく! そうか、あれがクッションになれば!)

〇大きな木のある校舎
  二人は飛び降りたあと、校舎に向かっていた。
只野男志「先程は見事だった。ミストルティン」
帝院霧乃「・・・ミスティ、と」
只野男志「・・・プールはどこだ」
帝院霧乃「西棟校舎ですが・・・はっ! まさか」
只野男志「そうだ。 木属性は水を取りこむことで力を増す」
只野男志「そして水は火属性のエンヴィーの弱点!」
帝院霧乃「さすがです! デュランダル様!」
  ヴィハハハハッ!
  2人の行く手に、エンヴィーが立ちふさがる。
エンヴィー有住「その程度の猿知恵、気付かないと思ったか! 行かせぬわ!」
只野男志「・・・!」
エンヴィー有住「とどめだ! 嫉妬の咆哮(ジェラシック・バーク)!」
  エンヴィーの口から炎が放射される。
只野男志(ぎゃーーっ! 死ぬぅ!?)
帝院霧乃「あぶない! デュランダル様!」
帝院霧乃「きゃああぁあぁぁぁっ!?」
  霧乃が只野を突き飛ばし、炎に包まれる。
  倒れる霧乃を、只野は反射的に抱きとめる。
只野男志「ミ、ミスティ・・・しっかりしろ!」
帝院霧乃「ふがいない騎士、で。ごめ・・・んなさい。 あとは、おまかせいたしま・・・」
  霧乃はそう言い残し、意識を失った。
エンヴィー有住「さて。ここからが本番だ。デュランダル」
エンヴィー有住「今生でのお前の力、見極めてくれよう。 ヴィハハハ・・・」
只野男志(どうする、俺。相手したら、一瞬で死ぬぞ! どーすんだ! 俺ぇっ!?)

次のエピソード:第1章第4節 『デュランダル覚醒イベント!?』

成分キーワード

ページTOPへ