【2期】水と油と逃亡ゾンビ事件(脚本)
〇オフィスのフロア
樺島 ここね(かばしま ここね)「お兄ちゃん、レックス見なかった?」
樺島 一心(かばしま いっしん)「円谷さんのところだよ。 ゾンビ語研究の手伝いだってさ」
樺島 ここね(かばしま ここね)「え、心配だよ! 行ってくる!」
樺島 ここね(かばしま ここね)「わっ、ごめんなさ・・・」
樺島 ここね(かばしま ここね)「ッ!!」
樺島 一心(かばしま いっしん)「お前は──!!」
〇地下の避難所
〇オフィスのフロア
樺島 一心(かばしま いっしん)「ここはゾンビ課です。何の用ですか」
平 光和(たいら みつかず)「おや、知り合いなのかい?」
樺島 一心(かばしま いっしん)「平さん! これは一体」
平 光和(たいら みつかず)「今日からゾンビ課の一員になる 尾ヶ崎ルイくんだ」
「えっ!?」
尾ヶ崎 ルイ(おがさき るい)「安心しろ。俺は規律は守る男だ。 そこのゾンビ娘が大人しくしてる限りな」
樺島 一心(かばしま いっしん)「その・・・大丈夫なんですか」
平 光和(たいら みつかず)「自衛隊からの出向だからね。 能力は問題ない」
平 光和(たいら みつかず)「ただ時折、隊員とのトラブルはあった と聞いているがね」
尾ヶ崎 ルイ(おがさき るい)「ゾンビか!? 処分でいいな!?」
樺島 一心(かばしま いっしん)「失礼いたしました。ゾンビ課です」
平 光和(たいら みつかず)「尾ヶ崎くん、 ここではここのやり方に従ってもらうよ」
尾ヶ崎 ルイ(おがさき るい)「問題ゾンビは速やかに処分するべきでは」
平 光和(たいら みつかず)「ゾンビ課はゾンビによる困りごとを 解決する部署だ。わかるね?」
尾ヶ崎 ルイ(おがさき るい)「・・・善処します」
平 光和(たいら みつかず)「じゃあこの件は一心くんと 2人で対応してもらおうかな」
尾ヶ崎 ルイ(おがさき るい)「なっ」
平 光和(たいら みつかず)「ここでは新人なんだ。 しっかり先輩に教えてもらいなさい」
尾ヶ崎 ルイ(おがさき るい)「・・・わかりましたよ」
樺島 一心(かばしま いっしん)「よろしくお願いしますね、尾ヶ崎さん」
尾ヶ崎 ルイ(おがさき るい)「足手まといにはなるなよ」
樺島 一心(かばしま いっしん)「では行きましょうか。場所は・・・」
樺島 ここね(かばしま ここね)「ここねも行く」
樺島 一心(かばしま いっしん)「えっ、でも・・・」
樺島 ここね(かばしま ここね)「お兄ちゃんと一緒にいたい」
樺島 一心(かばしま いっしん)「わかった。一緒に行こう」
尾ヶ崎 ルイ(おがさき るい)「正気か? 俺は子守りなんて御免だからな」
〇川沿いの原っぱ
研究者「ああ、助かった~!」
樺島 一心(かばしま いっしん)「もう大丈夫ですよ」
尾ヶ崎 ルイ(おがさき るい)「ゾンビは?」
研究者「だいぶ前にどこかに行ってしまいました」
尾ヶ崎 ルイ(おがさき るい)「はぁ!? 何考えてんだ!」
研究者「ひぃっ! すみません!」
尾ヶ崎 ルイ(おがさき るい)「チッ」
樺島 一心(かばしま いっしん)「尾ヶ崎さん、どこへ」
尾ヶ崎 ルイ(おがさき るい)「ゾンビ探しに決まってんだろ! お前はちんたらおしゃべりでもしてろ」
樺島 ここね(かばしま ここね)「なにあれ! お兄ちゃん、勝手に行かせていいの?」
樺島 一心(かばしま いっしん)「ここは役割分担かな。 一足先に捜索しておいてもらおう」
樺島 一心(かばしま いっしん)「襲われた状況を教えていただけますか」
研究者「研究目的で魚を採取していたんです」
〇川沿いの原っぱ
研究者「よし、サンプルはこれくらいで・・・」
ゾンビ「あう~!」
研究者「ひぃ!? あ、あっちいけ!」
ゾンビ「うああ~!」
研究者「ぎゃあ!! ごめんなさいごめんなさい!!」
研究者「あっ、サンプルが」
研究者「ああ、間に合わないか」
ゾンビ「・・・うあ」
研究者「タモも買ったばかりだったのに・・・」
ゾンビ「う~?」
研究者「ひっ!? 許して~!!」
〇川沿いの原っぱ
研究者「そのままどこかへ行ってしまいました」
研究者「でも怖くてしばらく動けなくて・・・」
樺島 一心(かばしま いっしん)「お気持ちよくわかります」
樺島 一心(かばしま いっしん)「怖かったですよね。 通報ありがとうございます」
樺島 一心(かばしま いっしん)「ここね、どう思う?」
樺島 ここね(かばしま ここね)「そうだなあ・・・ その人は魚を守りたかったんじゃない?」
樺島 一心(かばしま いっしん)「なるほど。網が流されて魚採りを中断した から異常行動が収まった」
樺島 一心(かばしま いっしん)「となると今はこの辺りをさまよっているか、あるいは」
樺島 ここね(かばしま ここね)「別の場所で魚を見つけたらまた・・・」
樺島 一心(かばしま いっしん)「そうだな。何か起こる前に近くの 魚がいそうなところをあたってみよう」
研究者「ええと、守るって? ゾンビが魚を?」
樺島 一心(かばしま いっしん)「ええ。ゾンビは悪気があって 問題を起こすんじゃないんですよ」
樺島 一心(かばしま いっしん)「彼らの抱える問題を解決すれば お互いに安心して暮らせるはずなんです」
研究者「なるほど・・・ゾンビ課の方が言うのなら そうなんでしょうね」
研究者「私はどうにも魚以外のことには疎くて」
樺島 一心(かばしま いっしん)「これから知っていけばいいんですよ」
樺島 一心(かばしま いっしん)「ゾンビでお困りのことがあれば なんでもご相談くださいね」
〇水族館前(看板無し)
〇ペットショップの店内
〇堤防
〇築地市場
魚屋「ゾンビ? 見てねえなあ」
樺島 一心(かばしま いっしん)「そうですか。ありがとうございます」
魚屋「せっかくだから 腹ごしらえでもしてったらどうだ?」
魚屋「そこのラーメン、うちの魚介使ってんだ」
樺島 一心(かばしま いっしん)「ありがたいですが、ゾンビの捜索中なので」
魚屋「それもそうか。また非番の日にでも 来てくれよな、恥ずかしがりの嬢ちゃんも」
樺島 ここね(かばしま ここね)「は、はい・・・」
魚屋「おっと、それじゃあ頑張ってな」
樺島 ここね(かばしま ここね)「ここにもいなかったね」
樺島 一心(かばしま いっしん)「応援のほうも有力情報なしだそうだ」
樺島 一心(かばしま いっしん)「尾ヶ崎さんは応答しないし・・・」
樺島 ここね(かばしま ここね)「ゾンビさん、 もう気が済んじゃったのかもね」
樺島 一心(かばしま いっしん)「だといいんだが」
樺島 一心(かばしま いっしん)「あるいは、魚じゃない・・・?」
魚屋「大変だ! 祭り会場でゾンビが暴れてるってよ!」
〇お祭り会場
樺島 一心(かばしま いっしん)「金魚すくいのところにいるぞ!」
樺島 ここね(かばしま ここね)「やっぱり魚だったね!」
樺島 一心(かばしま いっしん)「持っているのはポイか?」
ゾンビ「うあ! あうぅ~!」
樺島 一心(かばしま いっしん)「ひぇっ!? そんなに振り回したら腕が・・・」
樺島 ここね(かばしま ここね)「お兄ちゃん、しっかり!」
樺島 一心(かばしま いっしん)「そ、そうだよな」
樺島 一心(かばしま いっしん)(でも金魚を気にしている 様子はなさそうだな・・・?)
通行人「なんだなんだ?」
通行人「ヤバいゾンビがいるって! 動画撮る?」
通行人「お巡りさん助けてー!」
樺島 一心(かばしま いっしん)「まずは安全確保だな! ここねは説得を頼む!」
樺島 ここね(かばしま ここね)「わかった!」
樺島 ここね(かばしま ここね)「ああうぁ~ (魚は私たちが守るからもう大丈夫だよ)」
ゾンビ「うぅ~・・・うぁう!」
樺島 ここね(かばしま ここね)「え? 秘技? トルネード?」
樺島 ここね(かばしま ここね)「あっ、魚を守るヒーロー・・・とか?」
ゾンビ「あうあ~!」
樺島 ここね(かばしま ここね)「えっと、え~っと・・・」
樺島 ここね(かばしま ここね)「うぉああ~!(やられた〜! もう魚に手出しはしません~!)」
ゾンビ「あぁう・・・」
樺島 ここね(かばしま ここね)「これじゃない? うーん、なんだろう・・・」
ゾンビ「あーう、あう!」
樺島 ここね(かばしま ここね)「お願い、落ち着いて話を聞かせて?」
ゾンビ「うぅ~・・・?」
樺島 一心(かばしま いっしん)「危ない!!」
樺島 ここね(かばしま ここね)「痛た・・・お兄ちゃん!?」
樺島 一心(かばしま いっしん)「下がってろ!」
樺島 一心(かばしま いっしん)「尾ヶ崎さん! 何してるんですか!」
尾ヶ崎 ルイ(おがさき るい)「そいつは危険だ。即時処分が妥当だろ」
ゾンビ「ぐぅう・・・ゔおぉー!」
尾ヶ崎 ルイ(おがさき るい)「ほら見ろ。対話なんて無駄なんだよ」
屋台の人「危ねえな! そっちにはガスボンベがあるんだぞ!」
樺島 一心(かばしま いっしん)(まずい、このまま暴れられたら 火事になりかねない・・・!)
樺島 ここね(かばしま ここね)「ああう~(落ち着いて。怪我はない?)」
樺島 ここね(かばしま ここね)「あ、ポイが割れて・・・」
ゾンビ「あうあうあうあー!!」
樺島 ここね(かばしま ここね)「え、てぼ? てぼって何?」
樺島 一心(かばしま いっしん)「てぼ? どこかで聞いたような・・・」
尾ヶ崎 ルイ(おがさき るい)「樺島! そこをどけ!」
樺島 一心(かばしま いっしん)「くっ、どうすれば・・・」
樺島 一心(かばしま いっしん)「この香りは──」
〇築地市場
魚屋「そこのラーメン、うちの魚介使ってんだ」
〇川沿いの原っぱ
〇お祭り会場
樺島 一心(かばしま いっしん)「そういうことか!」
尾ヶ崎 ルイ(おがさき るい)「警告はしたからな。怪我しても恨むなよ」
ゾンビ「ゔゔゔぉあー!!」
樺島 一心(かばしま いっしん)「ここね! “それ”だ!」
樺島 ここね(かばしま ここね)「ゾンビさん、これ!」
ゾンビ「ああう~」
樺島 ここね(かばしま ここね)「これだよこれ! だって」
尾ヶ崎 ルイ(おがさき るい)「は? どうなってやがる」
樺島 一心(かばしま いっしん)「以前、平さんに聞いたんだ」
樺島 一心(かばしま いっしん)「麺の湯切りに使われる振りザルを 業界では“てぼ”というらしい」
樺島 一心(かばしま いっしん)「彼は湯切りをしたかっただけみたいですね」
〇お祭り会場
ゾンビ「うあうあ~!」
水族館スタッフ「おお~! 見事な乱れ燕返し零式!」
研究者「素晴らしいコントロールですね」
店員「よっ、湯切り技のデパート!」
釣り人「何かと思えば昇竜亭の店主じゃないか! 生きてたんだな! って、ゾンビか」
魚屋「こんなに生き生きしてるんだ。 ゾンビになったって関係ねえよな?」
ゾンビ「あー」
樺島 ここね(かばしま ここね)「みんな楽しそうでよかったね」
樺島 一心(かばしま いっしん)「だな。・・・お、このラーメンも美味いぞ」
樺島 ここね(かばしま ここね)「食べるー!」
尾ヶ崎 ルイ(おがさき るい)「な~にがよかったねだ」
尾ヶ崎 ルイ(おがさき るい)「あのとき処分しておけば って思ってからじゃ遅いんだぞ?」
樺島 一心(かばしま いっしん)「何と言われようと、僕たちは人もゾンビも 幸せに暮らせる世の中を目指します」
尾ヶ崎 ルイ(おがさき るい)「そんな甘い考えで──」
レックス「レックス トウジョーウ!」
樺島 ここね(かばしま ここね)「レックス! 大丈夫だった?」
レックス 「アサメシマエダ!」
尾ヶ崎 ルイ(おがさき るい)「うわ、さらさらふわふわの羽・・・」
樺島 一心(かばしま いっしん)「尾ヶ崎さん?」
尾ヶ崎 ルイ(おがさき るい)「と、とにかく! 全てがこんな風にいくと思うなよ!」
レックス「シンジン! アイサツノ ナッツ ハ!?」
樺島 ここね(かばしま ここね)「これからあの人と一緒なの 不安だな・・・」
樺島 一心(かばしま いっしん)「でも根は悪い人ではないと思うよ。 だって──」
〇地下の避難所
隊長「それにそいつは、あの仁の息子だ」
尾ヶ崎 ルイ(おがさき るい)「仁さんの・・・」
〇お祭り会場
樺島 一心(かばしま いっしん)「父さんを慕っている人なら、 きっとわかり合える」
樺島 一心(かばしま いっしん)「もしもの時はここねもゾンビも僕が守るよ」
樺島 ここね(かばしま ここね)「お兄ちゃん・・・」
円谷 理子(つぶらや りこ)「こ・こ・ね・ちゃあ~ん!!」
樺島 ここね(かばしま ここね)「嫌な予感・・・隠れなきゃ」
樺島 ここね(かばしま ここね)「あっ、お面! ここねあれほしい!」
樺島 一心(かばしま いっしん)「お面くらいじゃ 円谷さんの目はごまかせないような・・・」
樺島 ここね(かばしま ここね)「早く!」
樺島 一心(かばしま いっしん)「わかったわかった」
樺島 一心(かばしま いっしん)(とりあえず今は祭りを楽しむとするか)
ゾンりか2期開幕ー!!!!!!!✨
嬉しいですね!!!!!!!✨☺️
表紙やスチルも素敵ですし、新キャラのルイが今後どうなっていくのか気になるお話で素敵ですよね✨
2期どんどん盛り上がりますよーにっ!!!!!!✨☺️
最後のスチルのエモさたるや……👏
ルイくんが仲間に加わって様々な一悶着を起こしちゃいそうな空気ですけど、衝突と和解を繰り返して明るいゾンビ課になってくれたら嬉しいですね‼️
待ってました2期!😀
あの時ここねちゃんを処分しようとしていた自衛隊……その内の1人である尾々崎がゾンビ課に。
樺島兄妹がゾンビの願望(湯切り)を理解出来たから良かったものの、銃でゾンビが撃たれたらどうなっていた事か……。😑
ゾンビや兄妹には厳しいけど、レックスには優しい。
今後尾々崎がどうなるか。楽しみです。