Xヒーロー

語り部

第102話 疑念的戦い(脚本)

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〇地下室
  2021年 オレゴン州 ポートランド 国立霊長類研究センター A棟 一時保管室
キング「オラァ!くらえ『ライガーボム!』」
凪園無頼「風のビート『エリダヌス・スワイプス!』」
アナザー「ーーー」
キング「畜生···まだ増えるぞ!?どうなってんだ!!」
凪園無頼「キングさー、ロックフォードの時にやったあれやってよ!秒で終わんじゃん!」
キング「無茶言うな!ここじゃ狭すぎて『血濡れの魔城』は出せねぇんだよ!」
  増えるアナザーに応戦する2人だが、状況は一方的になりつつあった。
  そしてあの男がアナザーの群れの中から口を出す
セルゲイ・ライノヴィッチ「あーあ、お前ら今『勝てない』って思い込んだな。そういうの良くないぜ?」
凪園無頼「ウザ···思うわけなくね?」
セルゲイ・ライノヴィッチ「ずっとは思わないにしろ『一瞬だけ』よぎっただろ?それがダメなんだよ。言っただろ?」
セルゲイ・ライノヴィッチ「『強い思い込みが力になる』ってな」
セルゲイ・ライノヴィッチ「『浮気の確証ッ!』」
アナザー「い···是···可···乱···!」
キング「おいおいどうなんってんだ!?こいつ···『頭完全に割れてんのに復活したぞ!?』」
凪園無頼「こっちなんて風のビートで体バラバラにしたのに、這ってこっち来てる。マジキモイ」
セルゲイ・ライノヴィッチ「『恋はいつだって疑念的だ』。絶対なんて存在にしないんだよ」
セルゲイ・ライノヴィッチ「どうする?まだ勝てる兆しはあるか?俺に見せてくれよ『恋敵達』」

〇研究施設の廊下(曲がり角)
  A棟 渡り廊下付近
斎王幽羅「寒っ!うぅー···冷羅さんかなこれ···」
鸞「だろうな···上も下も左も右も何もかも『凍ってる』」
フェード「先を急ごう。捕まってるであろうステファノ神父とルカ神父も場所はわかってるんだ、長居は無用だろう」
  そう言って3人が歩き出した時、一人の男が目の前に現れる
油谷 葉月「寒いな···相変わらず冷羅さんはやる事が乱雑で嫌だな···」
フェード「どけ、研究員か何か知らんが邪魔するなら痛い目に合うぞ」
油谷 葉月「怖いこと言うなよ···この先にいるステファノ神父に用があるんだろ?やめとけ」
フェード「··· ··· ···なぜだ」
油谷 葉月「侵入者が大量のアナザーに囲まれてる。行ったら死ぬぞ?」
斎王幽羅「キング達だ···でも大丈夫だよね?シャルルさんもいるし」
フェード「あぁ、なら反対側だな。ルカ神父を···」
  だが男はその行動も引き止める
油谷 葉月「そっちは今アナザー・オリジンと氷帝がいる。戦闘になったら間違いなく死ぬぞ?よければ出口まで行かないか?」
斎王幽羅「え?うーん···どうしよ···」
フェード「冷静に考えろ斎王、こいつが『本当のことを言ってる確証は無い』幸いそこに監視モニタールームがある」
フェード「そこで確認してからでいいだろ」
斎王幽羅「あ、そうだね。じゃあ···お兄さんは先に脱出してください」
油谷 葉月「あぁ···ありがとう。なぁ···良ければ『握手』してくれないか?」
斎王幽羅「え?俺と?な···なんか照れるな···えへへ···」
  だが手に触れようとした瞬間、斎王は何かを感じたのかその場で固まってしまう
  皆が不思議そうに見つめている中、斎王は徐々に汗を額に流し始めた。心臓を掴まれたような緊張感が斎王を留める
  男がゆっくり近づくと、斎王は一歩下がり口を開く
斎王幽羅「何···これ···?え···こんなの初めてなんだけど···」
フェード「何だ?何かあったか斎王」
斎王幽羅「空気が···空気が『澱んだ』。何て言えばいいかわかんないけど、空気がさ···あ!」
斎王幽羅「ほら、エンチャントさんがヤバめの下ネタ言った時の空気感に似てるんだよ!鸞、わかんない?」
鸞「あぁ···そう言うのを俗に『場が凍る』なんて言うな。それを今斎王は感じたのか?」
斎王幽羅「感じたのもあるし···澱んで見えた。見えてる風景がちょっとだけボヤけてさ、まるで」
斎王幽羅「朝起きて寝起きだからまだ目のピントがあってなくて『なんとなくぼやけて景色が見える』感じ」
鸞「覚醒能力にによる影響かもな。まぁ···要は目の前のこの男に何か『危険を感じている』ってことだな?」
  鸞とフェードは自然に斎王の前に出て、斎王を守る形になる。
  そしてクロノスはフェードの後ろに出現し、フェードの肩を掴みながら警告する
クロノス「クイーン、気をつけて···斎王は覚醒能力で効かないけど目の前に立ってる奴は」
クロノス「『記憶と能力を保存、複製できる能力』を持ってる。手に触れることが発動条件だからね?」
油谷 葉月「おいおい···何か勘違いしてないか?俺が危険みたいなこと言って警戒してるが俺の目的はあくまで『脱出』」
油谷 葉月「この氷の世界に穴開けてくれれば、俺はそれでいい。戦うなんて···とてもとても···」
鸞「ならそこの階段を上がれ。B棟は氷帝の能力の範囲に入ってないから安全に脱出できる」
  鸞がそういうと男はゆっくり歩きながら階段の方へ歩を進める。
  そして男が階段の手すりに手をかけた時、男は振り返る
油谷 葉月「『10%の割引で飲むコーヒーは美味い』」
油谷 葉月「それじゃ、アンタらも死なないようにな?斎王幽羅とその仲間たち」
フェード「行ったか··· ··· ···クロノス、あいつが能力者ってのは本当か?」
クロノス「うん。あらゆる未来において全ての可能性で必ず能力を発動していた。間違いないよ」
鸞「記憶と能力を保存、複製できる能力か···音波能力や斎王が言ってたキャプテンの浮力能力も抽出、複製できたのも」
鸞「あいつのおかげ。と言うべきだろうな···だが最後のあれはなんだ?何かのメッセージだろうが···」
フェード「斎王は何か覚えはないのか?まさかただの割引のメッセージな訳ないしな」
斎王幽羅「どっかで聞いた事あるんだけど···どこだっけな···」
斎王幽羅「とにかく、一旦モニタールーム行こう」
  To Be Continued··· ··· ···

次のエピソード:第103話 賢きアニュレ(薬指)

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