悪ク意(脚本)
〇古びた神社
『死人使確保作戦遂行』
「死人使が神社に入りました」
「神社に続く全ての道を封鎖して下さい」
〇田舎町の通り
〇山間の田舎道
〇古びた神社
ネクロマンサー「・・・っるっさいな~。夜中だっつーの」
ネクロマンサー「近隣の皆さんにご迷惑でしょ~」
〇祈祷場
「斯波さんはくれぐれも、無理しないで下さいね」
斯波「分かってる。俺は所轄の面子要員だ」
まあ、刑事(うちら)はメンツ命だもんね
対処係「だがアンタを守ってる余裕なんてないぞ」
対処係「命がけで面子を守ることだ」
斯波「足手まといにならんよう気をつける」
「では作戦を開始します」
「出動」
〇古びた神社
対処係「動くな!」
ネクロマンサー「まあ、そんな感じだと思ったけど。 このタイパの時代、 雑魚とのタルい戦闘なんて どうせ早送りだよ」
ネクロマンサー「自動タップ推奨で~す♪・・・つって」
ネクロマンサー「各務さんはどこ?」
ネクロマンサー「早いとこ出て来ないと、 やっばい事になるかもね~」
ネクロマンサー「じゃじゃ~ん!」
対処係「マントの中に子供が・・・」
対処係「人質か。この変態野郎!」
斯波「・・・」
「その子供も復活者じゃないの?」
ネクロマンサー「そこか、降霊師(パイセン)」
斎「・・・」
ネクロマンサー「屋根の上からご登場とはカッコいい~」
ネクロマンサー「さてここでクエスチョンです。 この女の子は人間でしょうか? それとも復活者でしょうか~?」
ネクロマンサー「自信のある方はスーパー〇〇〇君で!」
ネクロマンサー「ひゃははは!ひゃはははは!」
斯波「・・・貴様」
斯波「いい加減にしろおおおッ!」
ネクロマンサー「え? 撃つの? 誰を? 僕を? この子を?」
ネクロマンサー「殺すの? 君が? 僕を? この子を?」
ネクロマンサー「殺すの? 殺すの? 殺すの? 殺すの?」
斯波「・・・」
斎「斯波さん!下がって!」
ネクロマンサー「だがもう遅い」
斯波「・・・ぐふっ!」
斎「・・・!」
ネクロマンサー「覚悟もねえ県警の雑魚が 戦争に混ざるからこうなるんだよ」
ネクロマンサー「お前らはどうだ?対処係!」
「・・・・・・」
ネクロマンサー「来いよ各務斎!」
ネクロマンサー「『コレ』は死人なんだろ? だったら俺ごと蜂の巣にしてみな」
ネクロマンサー「それともこっちがこのガキの頭、 いますぐふっ飛ばしてやろうか? ゾンビだったら問題ナッシングだろ?」
ネクロマンサー「子供だまし程度の改造銃でも、 そこそこの威力はあったみてーだぜ」
斎「・・・」
少女「・・・」
斎「分かったわ」
斎「私の負けよ。 その子を解放して私を好きにしなさい」
少女「・・・」
斎「もう大丈夫。助けてあげるからね」
少女「・・・」
ネクロマンサー「残念。ショックでお話し出来ないってさ」
斎「・・・」
ネクロマンサー「これじゃ生者か死人か確認できないね~」
ネクロマンサー「さて、どっちなんだろうね~ 肌なんて死人のように真っ白だし~ でも目なんて生き生きと真っ黒だし~」
ネクロマンサー「あ!カラコンって手もあるか~」
ネクロマンサー「あ~あ。死人ってバレちゃったよ~」
ネクロマンサー「なんつって~」
ネクロマンサー「うひゃひゃひゃひゃ! 腹痛い腹痛い腹痛い!」
斎「もういい!銃を捨てる! 早くその子を解き放て!」
ネクロマンサー「あっそ」
ネクロマンサー「わりとすぐ折れたね。 何が『その子供も復活者!』だよ。 カッチョ悪う~」
斎「・・・」
ネクロマンサー「行け」
対処係「だ、大丈夫かい?怪我はないか?」
対処係「・・・え?」
少女だったモノ「・・・」
少女だったモノ「お父さン・・・どコ?」
少女だったモノ「オ母さん・・・ドこ?」
少女だったモノ「オトうサン・・・」
少女だったモノ「おかアさん・・・」
ネクロマンサー「は~~い!ゾンビちゃんでしたあ~!」
斎「貴様あああああッ!」
ネクロマンサー「動くなよ。好きにしていいんだろ?」
斎「外道が」
ネクロマンサー「ああそうだけど。それが何?」
ネクロマンサー「確かに道を外れた力じゃ、 完全に甦らせる事が出来ないんだよね」
ネクロマンサー「後進に正道を譲ると思ってさ、 彼岸を行き来する各務一族の秘法、 その降霊術の全てを教えて下さいよ」
ネクロマンサー「誰も死もない新時代を 僕が作ってあげるからさ。 パ・イ・セ・ン♪」
対処係「隊長!」
ネクロマンサー「動くなつってるだろ! お前らはその県警の死骸と固まっとけ!」
対処係「クッ・・・」
斎「・・・」
ネクロマンサー「何が対処係だ。 お前らこそ復活者を殺しまくる 殺人狂じゃねえか」
ネクロマンサー「死がもたらす別れ。悲しみ。 そこから救ってやってる俺が 何で裁かれなきゃいけないんだよ?」
斎「・・・」
斎「・・・ねえ」
斎「人はどうして死ぬのか分かる?」
ネクロマンサー「ああ?」
斎「生きてるからよ」
斎「アンタのやってる事は 人間から生きる意味を奪い、 ただモノにする行為」
斎「人助けでもなんでもない。 ただ死んだ人間をもう一度殺してるだけ」
ネクロマンサー「何それ?意味わかんねーや」
斎「二言目にはタイパタイパ。 だから想像力も理解力も無くなるのよ」
斎「じゃあ、馬鹿にも分かるように 芯食って教えてあげるわ」
斎「アンタに新時代なんて作れない。 だって単なる『一面の小ボス』 いや、ただの雑魚キャラだから」
斎「何がネクロマンサーよ。このスライム野郎」
ネクロマンサー「あ~もう。ウぜえな。 サクサク死んでサクサク蘇れ」
ネクロマンサー「あとは手前の残留思念と話すからよ!」
斎「生死一如。死なばもろとも」
ネクロマンサー「・・・ああ?」
斎「特命!完全対処!」
対処係「・・・」
対処係「了解!完全対処!」
斎「引き続き!私ごと標的を対処せよ!」
ネクロマンサー「クッ・・・は、放せ!」
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