CALL~連続復活事件~

山本律磨

呼ビ声(脚本)

CALL~連続復活事件~

山本律磨

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〇山間の集落
  『恵美!翔太!』
  『どこだ!恵美!翔太!』

〇岩山の崖
斯波「返事をしてくれ!恵美!翔太!」
斯波「どこだ!どこにいる!」
斯波「ちょっとでいい!声を!」
斯波「声をあげてくれーーーッ!」
斯波「・・・・・・!」

〇野球場の観客席
ネクロマンサー「そうですか。滑落で・・・」
ネクロマンサー「あの山って危険なんですよね。お気の毒に」
ネクロマンサー「ただ、あなたからのご依頼は お受けできません」
斯波「なぜです?金なら幾らでも・・・」
ネクロマンサー「アンタ、刑事だろ。 調べさせてもらったよ」
斯波「だったらどうしてここに来た?」
斯波「依頼を受けないなら逮捕するまでだ」
ネクロマンサー「うわ~あくどいな~」
斯波「妻と子が戻って来るんなら 俺は鬼にも悪魔にもなる」
斯波「アンタに選択する権利はない」
斯波「その代わり、引き受けてくれるなら 今後警察内の獅子身中の虫として いくらでも協力してやる」
ネクロマンサー「ふ~む」
ネクロマンサー「ところで斯波さん。 何で僕がわざわざ危険を冒してまで ここに来たか分かりますか?」
斯波「はなから断る気なんてないからだろ?」
ネクロマンサー「はい」
ネクロマンサー「一緒に来てもらえますか?」
斯波「・・・?」

〇廃ビルのフロア
斯波「うう・・・ぐううっ」
ネクロマンサー「で、これは半年前の職質の分っと」
斯波「うぐああ・・・ッ」
ネクロマンサー「おいおいまだ倒れんじゃねーよ」
ネクロマンサー「あと駐車違反でキップ切られた分だろ。 ガキの時万引きでしょっぴかれた分だろ」
ネクロマンサー「それと税金の無駄使い~! まとめてドーン!」
斯波「があっ・・・!」
ネクロマンサー「悪いね。全国の警察を代表してもらって」
ネクロマンサー「じゃあ最後に 泣きながら靴でも舐めてもらおうか」
ネクロマンサー「お願いしろ。 ボクちゃんのブサイクな妻と小汚いガキを どうか甦らせて下さいってな」
斯波「・・・」
斯波「ぼく・・・ちゃんの・・・」
ネクロマンサー「泣けよクソデカァ!」
斯波「ボクちゃんの・・・ 不細工な妻と・・・ 小汚い餓鬼を・・・」
斯波「どうか・・・甦らせて・・・ くだ・・・さい・・・」
ネクロマンサー「・・・ククク」
ネクロマンサー「ヒャハハハハーーーッ!」

〇古びた神社
斯波「・・・」
斎「自分でも認めたじゃない。人殺しだって」
斎「あなたは今でも殺している。 奥さんと息子さんを、 あの家に閉じ込めて」
斎「成仏させることなく毎日毎日殺し続けてる」
斯波「こればかりは言葉遊びじゃ済まさんぞ」
斎「あなたに会った時から、 私には声が聴こえてるの」
斎「この残留思念は楽しかった記憶」
斎「強くて優しいお父さんとの 幸せな日々の記憶」
斯波「・・・」

〇広い畳部屋
  『一番上の柱の傷、あれは二年前のものじゃない。つい最近のもの』
  『二年前の傷に見せかける為に、上から塗料を塗りましたね』
  『それで分かったんです』
  『一番上の一番新しいはずの傷が、一番濃く古く見えるのは何故か』
  『傷が深くて塗料がしみ込みすぎたんです』
  『小学四年生で止まってしまった翔太君の背丈』
  『貴方は何度も何度も同じ場所に傷を付けるしかなかった』
  『何度も』
  『何度も』
  『何度も』
  『何度も』

〇古びた神社
斯波「下らん。ただの憶測をべらべらと」
斎「奥さんと息子さんを甦らせた共犯者 死人使を何故撃ったか」
斎「それは、斯波さんが気付いてくれたから じゃないですか?」
斯波「黙れ」
斎「死の否定は生の否定」
斎「倉木さんが教えてくれたはずです! 人は・・・全ての生き物は ちゃんと死ななければいけないと!」
斯波「黙れ!」
斎「・・・」
斯波「もう・・・黙れ・・・」

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