エピソード1、出会いは学園で(脚本)
〇オフィスのフロア
姫宮桃華(ひめみやももか)「ふぅ...。出来たっと!!」
私の名前は姫宮桃華。23歳OLだ。
姫宮桃華(ひめみやももか)「部長〜!指定された資料出来ました〜!」
部長「おぉ、姫宮くん助かるよ!」
姫宮桃華(ひめみやももか)「いえいえ!」
何もかも完璧だ!
私の人生は全て乗降していた。
〇女の子の一人部屋
しかし...。
姫宮桃華(ひめみやももか)「さてとっ!今日もあの乙女ゲームやろーっと!!」
〇養護施設の庭
―王子と嘘つき花嫁―
〇ファンタジーの教室
ルーク=アルファード「フィアナ!」
フィアナ=ツベリー「ルーク様...」
ルーク=アルファード「俺は...。お前を...」
〇女の子の一人部屋
姫宮桃華(ひめみやももか)「ふわぁ...。ねんむ...」
なんでこの私が...。
〇貴族の部屋
フィアナ=ツベリー「うぅ...。ん...」
私が...
フィアナ=ツベリー「ここって...」
フィアナ=ツベリー「フィアナの部屋ぁぁっ?!」
なんで私が乙女ゲームのヒロインに?!
〇貴族の部屋
フィアナ=ツベリー「うぅーん、ここは乙女ゲーム、『王子と嘘つき花嫁』の世界。そして私はヒロインの『フィアナ=ツベリー』」
フィアナ=ツベリー「私は...。乙女ゲームをしてて...。それで、眠くなって...」
フィアナ=ツベリー「え、も、もしかしてだけど、寝落ち転生...?」
そしてよりによって寝落ち転生?!ダサすぎるよ...。
フィアナ=ツベリー「うぅーん、この世界が本当に『王子と嘘つき花嫁』の世界なら悪役令嬢がヒロインと攻略対象の恋愛沙汰を邪魔しに来る、はずだ、」
フィアナ=ツベリー「でもなんでヒロインに...」
そう、私は...。
〇養護施設の庭
ソフィア=ルミナス「あらまぁフィアナ。ルーク様の前でとんだ羞恥をお晒しのようで」
フィアナ=ツベリー「...」
「桃華)ひやぁぁぁっ!!ソフィアさいっこう!!このお嬢様感か好きすぎる!」
そう、悪役令嬢推しなのだ。
〇貴族の部屋
そんな私がよりにもよってヒロインに転生。
ここは推しに転生したかった...。が
。
フィアナ=ツベリー(ヒロインに転生したってことは推しと関われるのでは...?!)
これは自分にとって+...。かもしれない。
フィアナ=ツベリー「ふぁ、ふぁい!」
ルカ「お嬢様、失礼いたします」
フィアナ=ツベリー「えっと、どうし──」
ルカ「お嬢様、制服お似合いです」
フィアナ=ツベリー「制服...?(ていうか距離近...。)」
ルカ「えぇ、お嬢様は明日からルミエール魔法高等学園に通う事となっております。今日はその制服の寸法でございます」
フィアナ=ツベリー(そっか...。たしか『王子と嘘つき花嫁』はルミエール魔法高等学園が舞台だった)
フィアナ=ツベリー(私、フィアナ=ツベリーは庶民からの成り上がりで貴族になって編入した、みたいな設定だった気がする...、)
ルカ「ですからまぁ、今日はごゆっくりお休みください」
フィアナ=ツベリー「え、えぇ。あ、ありがとう、ルカ」
フィアナ=ツベリー(あれ、私今自然とルカって名前出てきた、)
ルカ「お嬢様?」
フィアナ=ツベリー「あ、ううん、なんもないわ。大丈夫よ」
ルカ「そうですか、では失礼いたします」
フィアナ=ツベリー「ふぅ...。なんか、これだけでもどっと疲れたなぁ...、」
フィアナ=ツベリー「早いけど、寝よっかなぁ、」
〇貴族の部屋
フィアナ=ツベリー「んんー...」
フィアナ=ツベリー「あ、あれ...。朝...」
フィアナ=ツベリー「あー、やっぱフィアナのままかぁ、」
フィアナ=ツベリー「...」
フィアナ=ツベリー「...。学校、行くかぁ、」
〇名門校の校門(看板の文字無し)
でも、よく考えれば、推しに会えるチャンス...?!
そう思えば...。いいかも...?
アイリス=ヴィルディー「...。フィアナ」
フィアナ=ツベリー(この子は確か...、)
フィアナ=ツベリー「アイリス!おはよう〜」
アイリス=ヴィルディー「...。おはよう」
確かこの子はフィアナの親友枠、アイリス=ヴィルディー。攻略対象ではないが、大事な親友だ。
フィーネ=グレーテル「フィーアナちゃーん!!!」
フィアナ=ツベリー「わっ?!」
今私に抱きついてきた子は、フィーネ=グレーテル。この子は先輩であり大事な親友だ。
フィアナ=ツベリー「フィーネ!おはよ〜」
フィーネ=グレーテル「うん!おはよ!」
アイリス=ヴィルディー「...。行こう、入学式始まっちゃうよ」
フィーネ=グレーテル「だね!!そーいえば、入学式でルーク様が2年生代表でスピーチするんだって!!」
フィアナ=ツベリー(ルーク...。確かルークは攻略対象の一人だった。将来的にフィアナと結ばれる人だった、気がする)
フィアナ=ツベリー「うん。そうだね。じゃあ、行こっか」
フィーネ=グレーテル「うん!!」
アイリス=ヴィルディー「...」
〇大広間
ルーク=アルファード「新1年生、まずは入学おめでとう。生徒一同君達の入学を心から嬉しく思う」
フィアナ=ツベリー(あっ、声かっこよ...。ゲーム通りだ、)
しかし私あルークの隣の人を見て息を呑んだ。
フィアナ=ツベリー(あ...。ソフィア...)
ソフィア=ルミナス「...」
今一瞬、ソフィアと目が合った、気がする。
ルーク=アルファード「では、入学式を終わりにする。2、3年生は各自教室にもどるように。1年生は先生についていき教室に行くように」
〇ファンタジーの教室
先生「はい、では皆様ご入学おめでとうございます!1ーA組担任になった、アナ=フェアリーです!1年間お願いしますね!」
アイリス=ヴィルディー「...。フィアナ、ソフィア様と見つめ合ってた」
フィアナ=ツベリー「え、えぇ?!私がソフィア様と?!み、見つめ合ってたぁぁ?!」
フィアナ=ツベリー(確かに一瞬目は合ったけれど見つめ合うなんて、そんな事は...)
ソフィア=ルミナス「貴方、フィアナ=ツベリーで合ってるかしら?」
フィアナ=ツベリー「ふぁ?!は、はい、私は確かにフィアナ=ツベリーです、」
ソフィア=ルミナス「...。フィアナ=ツベリー。貴方気に入ったわ」
フィアナ=ツベリー「ふぁ?!」
アイリス=ヴィルディー「...」
ソフィアはツカツカと歩いてきて隣の席に座った。
先生「えっと...。ソフィアさん、貴方そこの席じゃないわよね?」
ソフィア=ルミナス「あら、そうだったかしら?」
ソフィアは悪びれる様子も無く、自分の席に戻っていった。
〇おしゃれな食堂
それからというものの、ソフィア様は私に近づくようになった。
ソフィア=ルミナス「フィアナ、今日の紅茶、貴方に合うと思って作ってきたの。試しに飲んでほしいの。良いかしら?」
フィアナ=ツベリー「あわわわわ...」
〇ファンタジーの教室
ソフィア=ルミナス「フィアナ、貴方にもっと似合う髪の結い方があるの。試してみても良いかしら...?」
フィアナ=ツベリー「か、か、髪ぃぃぃ...」
〇ファンタジーの教室
フィアナ=ツベリー「どっはぁぁぁ...」
フィーネ=グレーテル「フィアナちゃん、最近ソフィア様と距離近いよね...」
フィアナ=ツベリー「え...あ、そう?」
フィアナ=ツベリー(まぁ...。確かに、)
フィーネ=グレーテル「うんうん絶対そうだよ!!だってこの前「可愛い...。」とか言って見つめ合ってたじゃない!!」
フィアナ=ツベリー「ま、まぁ...」
ソフィア=ルミナス「フィアナ、ちょっと良いかしら」
フィアナ=ツベリー「えっ、あ、は、はい、」
ソフィア=ルミナス「少々フィアナをお借りしますわ、えぇ、"少々"ね...」
〇養護施設の庭
フィアナ=ツベリー「あ、あの、どうし──」
ソフィア=ルミナス「可愛い、とても可愛いわ」
フィアナ=ツベリー「ふ、ふぁ?!あ、えっと、ありがとう、ございます...?」
ソフィア=ルミナス「ふふっ、」
フィアナ=ツベリー「な、なんなのもうーっ!!!!!!!!」