ルーリァンティア 刻限の歌姫と七虹の舞姫

輝月レイヤ

第9話「不思議な少女」(脚本)

ルーリァンティア 刻限の歌姫と七虹の舞姫

輝月レイヤ

今すぐ読む

ルーリァンティア 刻限の歌姫と七虹の舞姫
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇謁見の間
エアリィ・クロムウェル「何か・・・急に曇ってきましたね──」
ユースティティア「これは──」
ファム・ティターニア「どうかしたの?ユースティティア」
ユースティティア「いいえ──。何でもないわ」
ファム・ティターニア「そう──。ならいいけど・・・」
ユースティティア「・・・」
ユースティティア(『兆し』が・・・起き始めた──)
オルフォード国王「まぁ皆。暗い話だけじゃなく、明るい話もしようではないか!」
シュイ・ランファ「明るい話・・・。いったいどういう話を──」
オルフォード国王「決まっているではないか」
オルフォード国王「何と、暫く休校していたオルフォード王立学園がこの度、再開することになった」
ラレシィエンヌ「本当ですか!?」
オルフォード国王「あぁ本当だ」
アリュシオーネ「でも大丈夫なのですか?」
オルフォード国王「何がだ?」
アリュシオーネ「あんな事があったあとですし──」
アリュシオーネ「それに・・・ニュイとナハトが同一人物だと知られてしまいましたし──」
オルフォード国王「あぁ。確かにあんな事があったあとだが──」
オルフォード国王「それに・・・ナハトの件だが──」
オルフォード国王「特進科に編入になった」
ニュイ「特進科・・・ですか?」
オルフォード国王「あぁそのとおりだ」
オルフォード国王「ラレシィエンヌも一緒だぞ」
ラレシィエンヌ「私もですか!?」
オルフォード国王「何故そんなに驚くのだ?」
ラレシィエンヌ「いや驚きますよ。いきなりそんな事言われましたら・・・」
オルフォード国王「それもそうだな。失敬した」
  オルフォード国王は彼女に頭を下げた
ラレシィエンヌ「ちょ!?国王陛下!?」
ラレシィエンヌ「顔を上げてください!?」
  オルフォード国王
  『いやせめてこうさせてくれ』
ラレシィエンヌ「困ったなぁ・・・」
アンジュ「もう御父様ったら。彼女が困っているではないですか!」
オルフォード国王「わ・・・わかったから、そんなに怒らんでくれ──」
クロード・ゴリウォーグ(昔から変わらんな国王陛下は)
ヒュルステイン大公「陛下。確か特進科の先生って・・・」
オルフォード国王「あぁ。あの子だ」
ニュイ「あの子?」
  丁度その時、扉のノック音がした
ヒュルステイン大公「入ってきて良いぞ」
  ???
  『失礼します』
ルリュカ・トリトラッチ「お初にお目にかかりますニュイ様。ラレシィエンヌ様」
ルリュカ・トリトラッチ「私はオルフォード王立学園・特進科担当の教師ルリュカ・トリトラッチと申します」
ラレシィエンヌ「宜しくお願いします」
ニュイ「・・・」
ルリュカ・トリトラッチ「どうしたのですか?ニュイ様」
ニュイ「いやぁ・・・ちょっとお聞きしたいのですが──」
ルリュカ・トリトラッチ「何でしょう?」
ニュイ「前に一度、どっかでお会いしたことが有りませんか?」
ルリュカ・トリトラッチ「・・・ありますよ。9年前に」
ニュイ「9年前──」
ニュイ「・・・」
ニュイ「あ!!あの時の!!」
ルリュカ・トリトラッチ「思い出してくれましたか」
ニュイ「あぁ思い出したよ」
ニュイ「確かあの時──」

〇広い公園
  9年前──
  悪ガキ1
  『先生になりたい?』
  悪ガキ2
  『無理無理!目が見えないお前が先生になれるわけないだろ!』
  ルリュカ
  『うぅ・・・』
  ナハト
  『おいコラ!』
ナハト(幼少期)「その子が泣いてるじゃないか!やめろ!」
  悪ガキ3
  『うるさい!お前は引っ込んでろ!』
ナハト(幼少期)「痛!?」
  悪ガキ1
  『待て・・・こいつどっかで──』
  悪ガキ2
  『あ!確か──』
  ルリュカ
  『君・・・大丈夫?』
ナハト(幼少期)「大丈夫ですよお姉さん」
ナハト(幼少期)「それに多分そろそろ来ると思いますから」
  ルリュカ
  『来る?いったい誰が──』
ナハト(幼少期)「ほら来た」
  ルリュカ
  『来たって誰──』
  ルリュカ
  『あ!』
ミシェラ「誰かしら・・・私の可愛いナハトを殴ったのは?」
  悪ガキ全員
  『に・・・逃げろ!』
ミシェラ「あなた達の顔、覚えたからねぇ〜」
ナハト(幼少期)「ちょ・・・母さん。そこまでしなくていいよ」
ミシェラ「ナハト・・・大丈夫?」
ナハト(幼少期)「ちょ!?母さん。そんなにくっつかないで!?」
  ルリュカ
  『・・・』
ミシェラ「貴女も大丈夫?」
  ルリュカ
  『はい。大丈夫です』
ミシェラ「そう。なら良かった」
ミシェラ「ほらナハト。そろそろ行くわよ」
ナハト(幼少期)「はい母さん」
  ナハト
  『あ!そうだ──』
ナハト(幼少期)「お姉さんに怪我が無くて、良かったよ!」
ナハト(幼少期)「それじゃ、じゃあねお姉さん」
  ルリュカ
  『・・・何故だろう?目が見えないのに彼の今の表情は自然と思い浮かぶ──』

〇謁見の間
ニュイ「思い出したよ。貴女はあの時のお姉さん?」
ルリュカ・トリトラッチ「ふふふ。そうです。お久しぶりね」
ニュイ「ホント、お久しぶりですね!」
ルリュカ・トリトラッチ「ホント、そうね」
ルリュカ・トリトラッチ「募る話もあるだろうけど、明日早速行きましょうか?」
ニュイ「行くって何処へ?」
ルリュカ・トリトラッチ「決まっているじゃない。学園によ」
ラレシィエンヌ「わかりました・・・」
アンジュ「・・・」
オルフォード国王「どうしたのだ?アンジュ」
アンジュ「いいえ。何でもないですわ、御父様」
オルフォード国王「・・・そうか──」
アンジュ「・・・」
アンジュ(ライバル出現!!)

〇名門校の校門(看板の文字無し)
  翌日、オルフォード王立学園前にて──
  生徒1
  『ねぇあの人──』
  生徒2
  『間違いない。ナハト様よ!』
ナハト(予想はしていたけど、まぁこうなるわな・・・)
  ラレシィエンヌ
  『すみませ~ん──。遅れました・・・』
ラレシィエンヌ「はぁー・・・はぁー・・・」
ナハト「いや──。俺もいま来たところだし、大丈夫だよ」
ナハト「まぁとりあえず、息を整えて落ち着こうか」
ラレシィエンヌ「そうですね」
  ラレシィエンヌは息を整えた。
ナハト「よし。行こうか、新しい教室へ」
ラレシィエンヌ「はい」
  生徒1
  『何あの女・・・』
  生徒2
  『ナハト様とあんなに親しくして・・・』
  生徒3
  『何か・・・ムカつきますわね──』
  そんな嫉妬する生徒を遠くから、怪しい人物が見ていた
謎の人物「御主人様・・・。もうすぐ会えます──」

〇おしゃれな教室
  特進科、教室──
  ナハト
  『失礼します』
ルリュカ・トリトラッチ「どうぞ」
ナハト「すみません。遅れましたか?」
ルリュカ・トリトラッチ「いいえ。時間前です」
ルリュカ・トリトラッチ「ラレシィエンヌさんもいらっしゃいますね」
ラレシィエンヌ「はい。ここに居ます」
ルリュカ・トリトラッチ「それでは二人とも。新しいクラスの同級生に挨拶をして下さい」
ナハト「それじゃ俺から──」
ナハト「初めまして皆さん。オレはナハト・ヒュルステインといいます」
ナハト「・・・といっても、先日の出来事で皆さんは俺の事知っているかもしれませんが、以後お見知り置きを──」
ラレシィエンヌ「初めまして皆さん」
  いきなり頭にラレシィエンヌの声が聴こえ驚く教室内
ラレシィエンヌ「すみません。私は今皆さんの頭に直接言葉を伝えています」
ラレシィエンヌ「これは念話と言って、私はこうでなきゃ話しかけられません」
ラレシィエンヌ「ですが怖がらないで下さい」
ラレシィエンヌ「改めまして、私は先日男爵の爵位を叙爵しましたラレシィエンヌ・メヌエット・ファランドールといいます。以後お見知り置きを」
ルリュカ・トリトラッチ「それでは御二人の挨拶も終わりましたし──」
ルリュカ・トリトラッチ「御二人が座る席は・・・」
ルリュカ・トリトラッチ「ユエさんの隣が良いですね」
ルリュカ・トリトラッチ「ユエさん。御二人をサポートして下さいね」
ユエ「わかりました」
ナハト「ん?」
ユエ「どうかなさいましたか?」
ナハト「あ!?いやぁすまない。いきなり視線を向けてしまって──」
ユエ「いいえ大丈夫ですよ」
ユエ「これから宜しくお願いね御二人」
ナハト「こちらこそ」
ラレシィエンヌ「これからこそ宜しく」
  3人はすぐに打ち解けた。
  しかしナハトは内心、思っていることがあった
ナハト(不思議な少女だなぁ)
ナハト(でも)
ナハト(どっかで会ったことがあるような・・・)
ラレシィエンヌ「どうしたのですかナハトさん?」
ナハト「いや。何でもないよ」
  その後特進科の授業はいつも通り始まり、終わったのであった。

〇時計台の中
  その日の夜、とある場所にて──
謎の人物「・・・」
  ???
  『お呼びでしょうか?』
謎の人物「良く来てくれました。我が忠実なる臣下よ」
謎の人物「ところで『サーシャ』の様子は?」
  ???
  『もう少しで傷が癒えるそうです』
謎の人物「そうわかったわ」
謎の人物「今後とも『彼と彼女』の監視をお願いね」
謎の人物「『未完成』」
  未完成と呼ばれた人物
  「畏まりました・・・」
  未完成と呼ばれた人物
  「『夜姫』様」
  次回に続く──

次のエピソード:第10話「再会」

成分キーワード

ページTOPへ