漆黒のデュランダル伝説 ~ただの中二病の俺が勇者に祭りあげられてしまった件~

ウロジ太郎

第1章第2節 『俺の中二設定が現実になっている件』(脚本)

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〇黒
  ──デュランダル伝説──
  1万2千年前──
  漆黒のデュランダルと共に戦った、デュランダルの四騎士と呼ばれる運命の戦士たち(ドーゥム・チャンピオンズ)がいた
  そのうちの2人が、豪炎の(ディ・フラメ)レーヴァテインと、その妹、大地の(ディ・エアデ)ミストルティンである
  ──『デュランダル 漆黒の書』 第2章 第1節──

〇学生寮
只野男志(確かに、ノートにそんな設定書いたけど!  書き殴ったけど!)

〇学生寮
闇の眷属「オノレ! どぅーむ・ちゃんぴおんず!  シネェエッ!」
帝院霧乃「お兄様。もう一度、あれをやるわ!」
帝院令「ああ! わかった!」
帝院霧乃「我に宿りし、世界樹の生命(ユグドラシル・パワー)よ!」
帝院霧乃「ガイア・ツェペシュ!」
帝院令「我に宿りし、破壊と創世の炎(ラグナロク・パワー)よ!」
帝院令「メギド・ブレイズ!」
  地面から無数の樹の杭が生え、闇の眷属を貫いた。
  そこに、火球が命中して燃えあがる。

〇学生寮
只野男志(ほ、本当に炎とか出てる~~!?)

〇学生寮
闇の眷属「グワァアアア~~~ッ!?」
帝院霧乃「とどめ! ソイル・スプラッシュ!」
帝院令「喰らえ! フレイム・スラッシュ!」
  令と霧乃の斬撃で、闇の眷属の身体が切り裂かれる。
闇の眷属「だ、だーくぱわーずニ・・・せぶん・しんずニ、栄光アレェ・・・ッ!」
  黒いオーラが霧散する。
  あとには気絶した宇土野が残された。
宇土野衆「・・・・・・」
帝院令「七つの大罪(セブン・シンズ)の部下か。 ミストルティン、宇土野君に怪我は?」
帝院霧乃「大丈夫。気絶しているだけ。 乗っ取られている間の記憶もないはずです」
帝院令「よし。人払いの結界・・・解除」
  空中に魔法陣が現れ、一瞬光って消える。

〇学生寮
只野男志「・・・・・・」

〇生徒会室
  令と霧乃が只野にひざまずいている。
只野男志(えっと・・・つまり、これ。 どういう状況なの・・・?)
帝院令「・・・いかがでしたか、デュランダル様。 僕らの今生での力は」
只野男志「・・・・・・」
帝院霧乃「デュランダル様?」
只野男志(はっ! 意識飛んでた! え、えーと、えーっと。なんか言わないと)
只野男志「・・・み、みみ見事とだだ」
只野男志(ぎゃー! 噛んだ!)
帝院令「ミミミ・・・ゴ、トトダダ・・・ですか?」
帝院霧乃「まさか! ムー大陸語!」
只野男志「それ! それだ! ははははっ! お前たちを、試させてもらった。許せ」
帝院令「デュランダル様はムー大陸語を覚えておられるのですか!?」
帝院霧乃「私たち兄妹は、前世と力に覚醒したときの記憶は、すべて日本語で・・・」
帝院令「さすがはデュランダル様」
帝院令「敬服いたしました・・・ちなみに、どのような意味で?」
只野男志「・・・見事だ、と」
帝院令「恐悦至極(きょうえつしごく)に存じます!」
帝院霧乃「あぁ、デュランダル様・・・!」
只野男志(セーフ! なんとか、セーフ!)
帝院霧乃「1万2千年前から変わらないそのご威光・・・あぁ、デュランダル様」
帝院霧乃「私がただの女であれば、あなたに秘めたこの想いを伝えることができるのに・・・!」
帝院令「ミストルティン」
帝院霧乃「お兄様。わかっております」
帝院霧乃「この想いは決して表に出すことはいたしません!」
只野男志(出てる、出てる! ダダ漏れてる! めっちゃ圧強いし! なんか怖いし!)
帝院令「しかし、僕たちの前にデュランダル様が現れてくださった」
帝院令「これでどんな闇の勢力が襲ってこようとも、恐れることはない」
帝院霧乃「はい。戦いは激化するでしょう。 しかし、デュランダル様がいてくだされば!」
只野男志(待って待って! さっきみたいな化け物が、ゾロゾロ出てくるってこと!?)
帝院令「奴らは、デュランダル様がここにいることを知った」
帝院令「そのお命を狙って、次々に刺客を送り込むはずだ」
只野男志(ちょーっ! ちょっと待ってぇ!)
帝院霧乃「ふふふ。愚かな。私のデュランダル様の力をもってすれば、全て返り討ちです」
帝院令「デュランダル様。 あなたの力を、奴らに思い知らせてやりましょう!」
只野男志(ちょっとぉー! だめ! 襲われたら死んじゃう! 死んじゃうぅっ!)
只野男志「・・・あ、あぁ。だ、だが、しかし」
帝院令「だが、しかし?」
只野男志「え、えー。 我が漆黒の力(シュヴァルツ・パワー)は星辰の彼方」
只野男志「ひ、光よりも昏き呪われし魔星の力。 軽々しく地上では使えぬ」
帝院霧乃「はっ!? 確かに・・・!」
帝院令「デュランダル様の深いお考え!」
帝院令「この豪炎の(ディ・フラメ)レーヴァテインの目をもってしても見抜けず。 浅はかでした!」
只野男志「フッ・・・良い。よって、我を狙う雑魚の相手はお前たちに任せる」
只野男志「お前たちの力は素晴らしいが、まだ粗い。 修行と思え」
帝院令「なんという、深いお心遣い・・・!」
只野男志(と、とりあえず一安心・・・? これで襲われても大丈夫・・・だよね?)
帝院霧乃「このミストルティン、片時もお側を離れず、デュランダル様をお守りします!」
  霧乃が只野に抱きつく。
只野男志「・・・!」
帝院令「ミストルティン! 不敬だぞ!」
只野男志「は、はは。よ、良い。許す。ははは」

〇学校の屋上
  その頃──
  有住は生徒会室の様子を覗いていた。
  室内では、霧乃が只野に抱きついている。
有住盛「き・・・霧乃さん・・・!」
有住盛「霧乃さんが、あんな中二野郎に・・・! くそ・・・っ」
???「ヴィヴィヴィ・・・・・・! 妬ましいか? 羨ましいか?」
有住盛「え・・・っ?」
有住盛「・・・ヒッ!?」
???「我が名は、闇の勢力幹部。七つの大罪が1人」
エンヴィー「嫉妬の業火、エンヴィー!」
有住盛「た、たすけて・・・」
エンヴィー「ヴィヴィヴィ! 助けてやるとも!」
エンヴィー「お前が嫉むあの男を殺し、お前が劣情を抱くあの女を、好きにさせてやろう」
有住盛「・・・え・・・っ?」
エンヴィー「ヴィヴィヴィ!」
エンヴィー「見えたぞ、お前の妬心(としん)! お前のそねみ!」
  エンヴィーが有住の身体に取り憑く。
有住盛「うわぁぁああああああっ!?」
エンヴィー「今より我らは一心同体。 ただ一つの嫉妬の業火」
エンヴィー「この炎をもって運命の戦士(ドーゥム・チャンピオンズ)に死を!」

〇学校の屋上
  赤黒い炎を身にまとった有住が邪悪に嗤(わら)う。
エンヴィー有住「ヴィ・・・ヴィハハハハ!」
エンヴィー有住「力が。力がみなぎる! 殺してやるぞ! 中二野郎! いや、デュランダル!」
エンヴィー有住「そして霧乃さんは、俺のものだァ! ヴィ、ヴィハハハッ!」

次のエピソード:第1章第3節 『急襲! "嫉妬の業火エンヴィー"』

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