コウ霊(脚本)
〇大きな一軒家
『あなた、ほら!今!今!』
『こら翔太、ちょっとじっとしてろ!』
『いーやーだー!ゲーム続けるのー!』
〇広い畳部屋
翔太「ゲームッ!ゲームッ!ゲームッ!」
斯波「あーもう、少しは落ち着けよ。 猿かお前は」
翔太「ウキーッ!ウキーッ!」
斯波「ったく、誰に似たんだか・・・」
恵美「泰明がそれ言うかな~?」
斯波「ムキーッ!ムキーッ!」
恵美「ほら翔太~。これもゲームだよ~」
斯波「おー!去年より10センチアップ! 大きくなった大きくなった!」
斯波「どうする? このままだと中学生頃には 10メートルくらいになっちまうぞ」
恵美「あらやだ。おやつひかえないと」
翔太「いいよ!10メートルになって、 ジャイマンやっつけてやる!」
斯波「ジャイマン?誰だそれ?」
恵美「魚屋さんのところの息子さん」
翔太「アイツとっても乱暴なんだ。 歌も下手だし」
恵美「喧嘩はダメよ。仲良くしなさい」
斯波「それとも父ちゃんが鍛えてやろうか? 伊達に警察やってないぞ」
翔太「それよりゲーム!」
斯波「まったく・・・現代っ子だな~」
恵美「ふふふっ」
斯波「はははっ」
〇広い畳部屋
斎「・・・オエッ」
斯波「吐くな」
斎「アットホームがフルスロットルしてるわね」
斯波「アンタが話せって言ったんだろ。 それとも離婚劇の修羅場でも聞きたいか?」
斎「そこまで悪趣味じゃないわよ」
斯波「だったら次はそっちの番だ」
斎「これは恐らく、 オシラサマって人形の代替」
斯波「何だそのオシラサマってのは」
斎「イタコの口寄せにも使われるもので、 本来は男女一対の傀儡なんだけど」
斎「あ、私イタコの家系の末裔なの。 白きヤタガラスっていう、 降霊術を用いる一族のね。 これが紋章みたいなものよ」
斯波「衝撃的な事実をサラッと話すな・・・」
斎「何も知らない人にとってはただの羽。 でも死人使はすぐさま反応した」
斎「ヤツがこのイタコの降霊術を どこぞで盗んで悪用してるってことは これで決定的になったわ」
斯波「降霊術。そんなオカルトめいた話・・・」
斎「一旦人形を媒介にして 残留思念だけを『ろ過』 しかる後に肉体に戻す」
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