悩める尊/戦隊ヒロイン5人目は誰だ(脚本)
〇装飾された生徒会室
サテライト圏立ノーブリティ高校2年、加嶋尊。またの名をクロスリゲル・・・彼女は今、頭を抱える問題に直面していた
加嶋尊「私立流星学院高校との交流会以降、彼女たち3人と戦隊を組んでいるけど、学校の皆には内緒にしてるのよね」
加嶋尊「はぁ~、最後の1人にぴったりな人、なかなか見つからないな~」
加嶋尊「とりあえず、私立流星学院高校のあの3人の戦隊のエレメントを確認しておきましょう」
加嶋尊(まず、天沢茜さん。あの子はクロスアンタレス、炎の一番星の名の通り、炎のエレメントね)
加嶋尊(魚沼蒼奈さん、彼女はクロスパイシーズ・・・水のエレメントの星座戦士だったわね)
加嶋尊(交流会でカメラマンをしていた桐生アンジェさんは雷のエレメントのクロスサジタリオだったわね)
加嶋尊(そして私は第4の戦隊ヒロイン、雪のエレメントのクロスリゲル・・・)
加嶋尊「う~ん、最後の戦隊ヒロインは風のエレメントがはまるでしょうね。イメージカラーは・・・」
色々悩んでいたその時
加嶋尊「ふぇっ、だ、誰!?」
「入りますよ~、先輩~」
入ってきたのは──
鷲宮空「はわ~、失礼します~」
加嶋尊「誰かと思えば・・・相変わらずのその口調をいい加減直しなさいよ、鷲宮さん。で、何か?」
鷲宮空「別に~。ただ、尊先輩がどんなことをしているのかな~と思って見に来ただけですけど~」
加嶋尊「あなたねぇ・・・」
今入ってきたのは鷲宮空(わしみやそら)15歳。この春ノーブリティ高校に入学したばかりの1年生である。
可愛いキャラと独特な口調で売り出そうとしているがなかなか周りから認めてもらえないでいた。
そんな中、新入生歓迎会での尊の姿を一目見て、彼女に付けば人気も上がると思って彼女にべったりしているのである。
加嶋尊「本当にあなたは私にべったりね。何でよ?」
鷲宮空「あたし~、先輩の歓迎会の姿がめちゃくちゃ好きだったんです~。先輩についていけばあたしが売れるチャンスになると思って~」
加嶋尊(何よ、その考え・・・)
加嶋尊「あのね、あたしは別のことで色々と面倒なことをやってんの。あなたに構ってる暇はないの!邪魔しないで!」
鷲宮空「ん~?何ですか~、これ~」
加嶋尊「聞いてるの!?って、ちょっと!それ見ないでよ!」
空が見ようとしたPCを尊は慌てて別の場所に移した。
鷲宮空「も~、見たかったのに~!ケチですね~、先輩」
加嶋尊「う、うるさいわね!これは私のプライベートなものなの!見るんじゃないわよ!」
このような感じで空がべったりとくっついてくるためになかなか自分のことに時間を割けないでいる尊であった。
鷲宮空「ケチケチしてないで空にも見せてくださいよ~、せんぱ~い」
加嶋尊「も~、うるさ~~~い!!!!」
〇古風な和室
その夜の、尊の邸宅にて──
加嶋尊(今日はたいへんだったな・・・この曲、気に入ってるのよね。友人から紹介された曲だけど)
加嶋尊(ん、これをこうして・・・よし、完了っと)
加嶋尊「そういえば、鷲宮さんは学校の皆や街の人たちの役に立つようなことをしたいとか言っていたわね」
加嶋尊「戦隊ヒロインも役に立つことの一つになると思うんだけど、彼女はどう思っているのかしら?どこかのタイミングで聞いてみよう」
〇装飾された生徒会室
加嶋尊「ふぅ、今日は大丈夫そうね・・・」
戦隊ヒロインプログラムを調整しながら5人目の戦隊ヒロインは誰がいいかを考えていた。──と、そこへ
鷲宮空「あ~、またそのPCで何か作ってますね~?」
加嶋尊(げっ、来たぁ~・・・しかも今日はノックもなしに入ってきたぁ・・・)
鷲宮が尊のPCを覗こうとした。
鷲宮空「せんぱ~い、何作ってたんですか~?」
加嶋尊「ひっ、い、いや!み、見ないで鷲宮さん!!」
鷲宮空「『戦隊ヒロインプログラム』?どういうことですか~?せんぱ~い」
加嶋尊「いやあああああああ!!!見られたあああ!しかも、後輩にいいいい!」
加嶋尊「見ないでって言ったのにいい!」
鷲宮をポカポカと叩き、泣きわめく尊であった。
鷲宮空「ちょっ、先輩、痛いですよ~」
加嶋尊「お願いだから、他の人たちには言わないで、鷲宮さぁ~ん!」
鷲宮空「わ、分かりましたからぁ~、そんなゆすらないでくださいよ~」
その時、空の手から何かが落ちた。
加嶋尊「何?この本」
鷲宮空「これですか?私の弟が読んでいたヒーローものの本ですけど、もう読まないということで私に譲ってきたんですよ~」
鷲宮空「でも、あたしヒーローもの好きでもこれは読まないから~先輩が読みそうだと思って持ってきたんですけど~、読みます~?」
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