episode1: 男子高校生☓イマジナリー彼女(脚本)
〇ファミリーレストランの店内
男子高校生ふたりは今日も放課後になるとファミレスで時間をつぶしていた。
目的もなく適当に思いついたことを話すだけの非生産的な彼らの日常は今日も続いていくのであった──。
田中くん「そういえば昨日家にゴキブリが出たんだよ」
佐藤くん「自己紹介すな」
田中くん「俺の話じゃねえよ! なんでゴキブリが出たって話したら俺の話を始めたって思うんだよ!?」
佐藤くん「そんなことより、はやく彼女欲しいわ・・・」
田中くん「流してんじゃねぇよ! 流していい暴言じゃねえよ! 絶対に許さねーからな」
佐藤くん「昨日夢に田中が出てきて、彼女できたって紹介してきたんだよ・・・」
田中くん「詳しく聞かせたまえ」
田中くん「夢の中の俺の彼女はどんな感じだった?」
佐藤くん「めっちゃ可愛かった♥」
田中くん「もっと具体的に話さんか馬鹿もん!」
佐藤くん「そうだな。名前は確かイチゴちゃん。年上で一学年上の転校生だ」
田中くん「転校生で年上! 最高じゃねえか! 見た目はどうだ!」
佐藤くん「二重のぱっちりしたまぶたに・・・・・・たしか髪は金髪だったと思う。それとなによりも・・・・・・」
佐藤くん「おっぱいが大きかったよ」
田中くん「俺・・・・・・その子と結婚するわ」
田中くん「だが、理解した。 つまりこんな感じの子ってことだよな」
佐藤くん「それであってると思うよ。 (田中の頭の中なんでわからないから、あってるかしらんけど・・・・・・)」
田中くん「それで夢の中のイチゴちゃんは俺にどんな感じで接してきてくれた?」
イマジナリー彼女「田中くんの彼女になれてわたしうれしいな・・・・・・。えへへ」
佐藤くん「とか言ってた」
田中くん「いいね。俺その子の人生のフォロワーになるわ。 ほかには?」
イマジナリー彼女「ちょっと田中くん。駄目でしょ。わたしがいるのに他の女の子のこと見るなんて・・・・・・めっ!だよ?」
田中くん「ヤキモチ妬いてくれる感じがたまりません」
イマジナリー彼女「今日も田中くんの家に行ってもいいかな。今日は家に帰りたくないの・・・・・・。 えへへ。いっぱい楽しいことしようね」
田中くん「可愛いうえにエロい感じがいい! 最高だ! イチゴちゃんパーフェクト過ぎる!」
イマジナリー彼女「ごめんなさい田中くん。わたしと別れて欲しいの・・・・・・」
田中くん「なんでだよおおお! 俺のなにが不満だったっていうんだよ イチゴちゃああああん!」
イマジナリー彼女「わたし他に好きな人ができたの・・・・・・。 だよね・・・・・・佐藤くん♥」
田中くん「さ、佐藤? ウソだよな・・・・・・はは・・・・・・ふたりして俺のことをからかってるだけなんだろ?」
佐藤くん「誤解を招きたくないから教えてあげるけど・・・・・・誘ってきたのはイチゴちゃんからだよ?」
佐藤くん「田中とのセ〇クスだと満足できないって言って悩んでるみたいだったから。 それで慰めてあげただけだって」
田中くん「いまの話・・・・・・嘘だよな? 俺としてる時はいつも気持ちいいって・・・・・・」
イマジナリー彼女「ごめんなさい。田中くんを傷つけたくなかった・・・だから演技を続けていたの」
イマジナリー彼女「最低だって思うよね。 でもね、セ〇クスの相性ってすごく大事だと思うんだよね・・・・・・。 だから、さようなら──」
田中くん「うわああああ嗚呼! 俺を捨てないくれえええイチゴォォォ!」
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