シン悪魔のロシェル外伝

ルーデンス

第一話 ロシェル、パパになる(脚本)

シン悪魔のロシェル外伝

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〇実家の居間
朝霧佐奈子「小夜、早く着替えて!!」
朝霧佐奈子「もう、今日はパパの三回忌なのよ」
朝霧小夜「わーい、ママとお出かけ楽しいな」
朝霧小夜「ハーイ」
朝霧佐奈子「さぁ、行きましょ」

〇神社の本殿
朝霧佐奈子「アナタが亡くなってはや2年これからも見守って下さいね」
悪魔のロシェル「あの~朝霧はんの奥様で?」
朝霧佐奈子「ハイ、どちら様でしょうか?」
悪魔のロシェル「ロシェルと申します亡くなったご主人様の事で・・・」
朝霧佐奈子「主人がなにか生前に・・・」
悪魔のロシェル「すいまへん、管理部の手違いですねん・・・」
朝霧佐奈子「はぁ?」
悪魔のロシェル「これ、閻魔大王様からの手紙でんねん」
朝霧佐奈子「なんですって、手違い!!・・・」
悪魔のロシェル「えろうすんません・・・わて恋愛専門の悪魔なんですけど、閻魔様から謝罪に行ってこいと言われましてな・・・」
朝霧佐奈子「主人を帰して、生き返らせて頂戴今すぐ」
悪魔のロシェル「それは出来ませんのや、申し訳ありまへん」
朝霧佐奈子「じゃぁどうするんですかこの償いは・・・」
悪魔のロシェル「ですから奥様をご主人の待つ、あの世へと・・・なんなら娘さんも一緒に・・・」
朝霧佐奈子「何ですって!!」
悪魔のロシェル「もちろん、代わりにあんさんの希望を叶えますよって・・・」
朝霧佐奈子「じゃぁ、小夜が18歳になるまでパパの代わりをして頂戴」
悪魔のロシェル「そんな、殺生やで・・・」
朝霧佐奈子「悪魔なら何でもできるんでしょ」
悪魔のロシェル「しかしそんな長い間関わるのは・・・わてにも悪魔としてノルマちゅうものが・・・」
朝霧佐奈子「出来ないの?」
悪魔のロシェル「わかりました」
朝霧孝輔「これでよろしゅうおますかいな?」
朝霧小夜「わぁ~パパ、今までどこ行ってたの?」
朝霧佐奈子「さぁ帰りましょパパも・・・」
朝霧孝輔「ハイ」

〇実家の居間
朝霧佐奈子「小夜ちゃん、起きなさい」
朝霧孝輔「なんで、悪魔のワテがこんな事せなならんねん・・・」
朝霧佐奈子「ロシェル、ごちゃごちゃ言わんとしっかりしてや!!」
朝霧小夜「おはよーパパ」
朝霧佐奈子「さぁさぁ小夜、早くご飯食べないと学校に遅れますよ!!」
朝霧小夜「は~い、パパ行ってらっしゃい」
朝霧孝輔「あぁ、行って来る」
朝霧小夜「頂きま~す」
朝霧小夜「ねぇ、パパは3年間何処へ行ってたの?」
朝霧佐奈子「海外出張や」
朝霧小夜「なんで関西弁に?」
朝霧佐奈子「そりゃ、パパは関西に出張してたから」
朝霧小夜「ふ~ん」
朝霧佐奈子「早よ食べな、学校遅れるで」
朝霧小夜「は~い」

〇田舎駅のホーム
朝霧孝輔「出発、進行ー」
幽霊1「ま、待って」
朝霧孝輔「早くしてくんなはれ」
サラ金の豪太「待ちやがれ、アマ」

〇電車の中
幽霊1「ふ~、ここまで追って来るなんて」
朝霧孝輔「乗車券拝見します」
幽霊1「えっ、乗車券? どこ行き?」
朝霧孝輔「地獄裁判所の閻魔法廷行きです」
幽霊1「何で私が地獄行き?」
朝霧孝輔「乗る電車、間違えたんですか?」
幽霊1「そうみたい。どうすれば・・・」
朝霧孝輔「仕方ない、次の三途の川駅で降りて下さい」
幽霊1「有難う。ねぇ私死んだの?」
朝霧孝輔「死ななきゃこの電車に乗れませんよ」
幽霊1「そっか、やっぱり」
朝霧孝輔「どうしたんですか?」
幽霊1「彼氏に騙されて・・・連帯保証人にされて」
朝霧孝輔「挙句に金を持ち逃げされたんですか」
幽霊1「そうなの・・・それで彼を問い詰めたらナイフで、ウゥゥ・・・」
朝霧孝輔「可哀そうでんな・・・復讐したいやろ」
幽霊1「急に関西弁!?」
朝霧孝輔「実は、ワテ悪魔のロシェルだんねん」
幽霊1「えええ・・・」
悪魔のロシェル「どうでっしゃろ、一つワテが復讐してあげまひょか?」
幽霊1「復讐?」
悪魔のロシェル「へい、これにサインしてくれなはれ」
幽霊1「で、どうやって彼に復讐?」
悪魔のロシェル「彼の魂を頂くんでっせ」
幽霊1「つまり、殺すわけ?」
悪魔のロシェル「まぁ、そないなりますかいな」
幽霊1「おもしろそうね」
悪魔のロシェル「ほな、毎度おおきに」
幽霊1「よろしゅうたのみまっせ」

〇スーパーの店内
悪魔のロシェル(あっ、奴は確か、彼女から金をだまし取った・・・)
朝霧佐奈子「いらっしゃいませー」
将太「やぁ、いつ見ても綺麗ですね佐奈子さん」
朝霧佐奈子「あらやだ、将太君たらお世辞言っても何もないわよ」
将太「マジ美人ですよ。ご主人が羨ましい」
朝霧佐奈子「有難う」
将太「そうだ、今度カラオケでも行きませんか?」
朝霧佐奈子「こんなおばさんと行ってもつまらないわよ」
将太「今度、仲間と行くんですが、どうですか」
朝霧佐奈子「判ったわ。一度だけよ」
将太「ヤッター、マジ嬉しい仲間に自慢できるぜ。そうだ会費なんですけど仲間は金欠で来週帰すから立て替えてくれませんか?」
朝霧佐奈子「しょうがないわね。いいわよ」
悪魔のロシェル「まったく、佐奈子のやつ、ろくでもないのに引っ掛かりおってからに」
朝霧小夜「あっ、パパ。パパもママを迎えに?」
朝霧孝輔「う、ウンそんなところ」
朝霧小夜「じゃぁ三人で帰ろう?」
朝霧孝輔「そうだね、三人で帰ろうか」
朝霧佐奈子「小夜、チョット待っててね」
朝霧佐奈子「お待たせ~帰ろうか」
朝霧孝輔「ワテは無視でっか」
朝霧佐奈子「あらロシェルいたの?」

〇実家の居間
朝霧佐奈子「さぁ、食べましょ」
「頂きます」
朝霧佐奈子「そうだ、この前のテストどうだった?」
朝霧小夜「え~、そんなのあったかしら」
朝霧孝輔「パパにも見せて」
朝霧小夜「え~」
朝霧孝輔「どれどれ」
朝霧佐奈子「何ですか、これは」
朝霧孝輔「もう少し頑張ろうね」
朝霧小夜「は~い」
朝霧佐奈子「そうだ今月分のお給料?」
朝霧孝輔「えっ、そんなのあったっけ」
朝霧佐奈子「冗談じゃないわパパ」
朝霧佐奈子「わぁ~閻魔様気前がいいなぁ~おおきに」
朝霧佐奈子「なんや、偽物やんけ」
朝霧佐奈子「まさか、ただ働きとちゃうやろなロシェルはん?」
朝霧孝輔「ち、違うがな。冗談通じんおばさんやな~」
朝霧佐奈子「なんやて~もう一遍言うてみ、しばいたるで~」
朝霧孝輔「かなわんな~」
朝霧佐奈子「よしよし、今日の所は許したる。これからも気張って働いてや~ロシェル」
朝霧孝輔「ロシェルじゃのうて孝輔てよんでぇな」
朝霧佐奈子「孝輔、愛してます」
朝霧孝輔「何か気色悪い」
朝霧佐奈子「早く慣れてね」
朝霧孝輔「はい」
朝霧佐奈子「そうだ、明日私、カラオケに誘われてるから夕飯は孝輔、お願いね」
朝霧孝輔「あの男はよした方が・・・」
朝霧佐奈子「何なの、悪魔のくせに焼きもち?」
朝霧孝輔「そうじゃなくて、」
朝霧佐奈子「アンタは、孝輔の代わりをしてるだけで十分よ」
朝霧孝輔「しかし・・・」

〇街中の道路
朝霧孝輔「あっ、お露はん・・・」
信子「だぁれ?古い名前で呼ぶの」
朝霧孝輔「ワテでんがなロシェル」
信子「あぁ、ロシェル・・・ノルマ頑張ってる?」
悪魔のロシェル「はぁ、なんとか・・・そうだお露はんに頼みが・・・」
信子「そのお露って呼ぶの止めてくれる。今は信子なの」
悪魔のロシェル「すんまへん信子はん・・・実は将太っちゅう男を連れてって欲しいんですわ死後の世界に」
信子「あぁ、あのスケコマシで詐欺師の将太?」
悪魔のロシェル「へぇ、そいつに騙された女子はんからの契約で・・・」
信子「だったら自分でやればいいじゃない」
悪魔のロシェル「それが、チョット事情が・・・」
信子「あの男、連れて行っても点数悪いんだよねノルマの・・・」
信子「判ったわ」
悪魔のロシェル「恩に着まっせ信子はん」

〇カラオケボックス
将太「ヒューヒュー、佐奈子最高!!」
朝霧佐奈子「有難う」
信子「あら、ごめんなさい。部屋間違えたみたい」
将太「良かったらここで歌わない?彼女」
信子「信子よ、宜しく・・・ここの支払い、迷惑料として私に払わせて」
将太(いいカモが来たぜ)
将太「有難う」
信子「ねぇこんな叔母さん相手じゃなく二人きりで飲み直さない?」
将太「おっ、そう来なくっちゃ!! 俺、いい店知ってるぜ」
朝霧佐奈子「なにさ、若い子にデレデレして」
朝霧小夜「ママ―、心配したんだよ。帰ろう!!」
朝霧孝輔「佐奈子、楽しかったかい?」
朝霧佐奈子「アナタ、ごめんなさい」
朝霧小夜「そうだ、途中でケーキ買ってよママ」
朝霧佐奈子「そうだね、ケーキ食べよう」

〇ラブホテル
信子「あぁ、少し疲れたわ私」
将太「そうかい、じゃぁ送って行くよ」
信子「チョット休んで行くから私」
将太「そうか、大丈夫か?」
信子「有難う。一緒に入りましょ」
将太「そうだね」

〇実家の居間
朝霧佐奈子「早く起きなさい」
朝霧小夜「行ってきま~す」
朝霧孝輔「おはよう」
朝霧佐奈子「ほな、今日も一日気張りや孝輔」
朝霧孝輔「佐奈子、愛してる」
朝霧佐奈子「な、何アホな事・・・バカ」
朝霧佐奈子「もう、早う行かんと・・・」
朝霧佐奈子「もう一度」

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