10 さらば強盗、また会う日まで(脚本)
〇銀行
女性警官「部長、これで全員です・・・」
部長「うむ、良くやってくれた・・・」
高木浩二「くはぁ!やっぱ思いっ切り暴れようと思って良かったわぁ!あのまま言いなりになってたらと思うと本当胸糞悪くなってたぜ!!」
濱口俊樹「全くだ!何でもやって見るもんだな!!」
高木浩二「あ、所で光太郎は?」
濱口俊樹「あ、あいつならあそこで・・・」
田中光太郎「ミク!あれ程やり過ぎるなって言ったのに何おっさんに怪我負わせてるんだよ!!」
田中ミク「だ、だってぇ!お兄ちゃんとお兄ちゃんのお友達に酷い事しようとしたんだよ!!そんな悪い奴を許すなんて」
田中ミク「私には出来ないよぉ!」
田中光太郎「それでもやって良い事と悪い事があるだろ!今度またやり過ぎたりして見ろ!二度と口聞かないからな!!」
田中ミク「うぅ!それだけはぁ!!」
高木浩二「ま、まぁまぁ光太郎!誰も死んでないんだから結果オーライじゃね?ミクちゃんには助けて貰った訳だしさぁ!」
田中光太郎「それでも駄目なもんは駄目だろ!下手したらな!ミクが警察に逮捕されてたんだぜ!!」
高木浩二「お、おう・・・」
白川さゆり「えぇ!あの強盗の人、やっぱり一度逮捕されてたんですか!?」
男性警官「そうなんです・・・銀行員の方が発信機を取り付けてくれてたから直ぐ見つけられたんですが、」
男性警官「護送中に奴の仲間からの介入を受けて逃げられてしまったんです・・・」
男性警官「この様な事になってしまったのは我々の不手際です・・・今後は、こうならない様に精進いたします・・・」
白川さゆり「・・・は、はい・・・でもこうして生きてるのが何だか信じられないな・・・」
強盗「あの、お巡りさん・・・」
部長「ん?何だね?」
強盗「行く前に、少しだけあの子供達と話をさせて頂けませんか?直ぐ終わりますので・・・」
部長「・・・?何だか知らんが、我々も長くは待てない・・・5分だけ待とう・・・」
強盗「・・・!ありがとうございます!」
女性警官「え?よろしいのですか部長?」
部長「何、我々が見ていれば良い・・・もし下手な事をしたら・・・」
強盗「分かってます!では、少し行って来ます・・・」
強盗「ガキども!」
高木浩二「ん?何だおっさん、まだ俺らとやろうって?」
強盗「そんなんじゃねぇよ・・・ちょっとだけ話がしたいんだ・・・」
濱口俊樹「話?何だよ?」
強盗「お前ら、強盗相手に果敢に立ち向かうだなんて・・・正直感動したぜ・・・良く頑張ろうと思ったな!」
高木浩二「え?まぁ、そりゃねぇ・・・」
濱口俊樹「あのままにしてたら俺らの気分が晴れなかったって言うか・・・」
強盗「いや!お前ら本当凄かったよ!変身は流石にビビったがな!」
強盗「・・・お前ら、見た所学生見たいだが、進路とか決めてるか?」
濱口俊樹「え?まぁ、今はまだ何とも言えねぇが・・・」
強盗「そうか・・・でもな、社会に出たらお前らが想像すらしてない理不尽が沢山ある・・・挫折する事だってあるかも知れねぇ・・・」
強盗「けどなぁ!どんな理不尽とも笑って戦え!乗り越えた先にはスッゲェ嬉しい事が沢山あるからよ!」
高木浩二「お、おう・・・」
強盗「俺も今日、お前らを見てまたやり直そうと決心が着いた!いつか俺がシャバに出て、お前らが大人になってたら・・・」
強盗「その時は俺と一杯やろうぜ!」
濱口俊樹「ま、まぁ、ちゃんと仕事出来てたらな?」
強盗「あぁ!お互い頑張ろうな!」
女性警官「さぁ、そろそろ行くわよ?向こうに着いたら覚悟しなさいね?」
強盗「あ、はい!んじゃあなガキども!今度会う時まで、お互い熱く生きような!」
高木浩二「なぁ、あのおっさん見て思ったんだけどよ・・・」
濱口俊樹「あぁ、俺もそう思った・・・」
田中光太郎「うん、絶対そうだよな・・・」
「・・・・・・」
「何であのおっさん、銀行強盗なんてやってたんだろうな・・・」
白川さゆり「光太郎・・・」
田中光太郎「あ!さゆり!あの後大丈夫だったか!?怪我とかして無いか!?」
白川さゆり「私は大丈夫!光太郎が頑張ってくれたから!」
田中光太郎「いやはや・・・礼ならミクに言うべきだろ・・・俺の出番取られちまったし・・・」
白川さゆり「そんな事無いよ!光太郎達が勇気出してくれなかったら、今頃私はこうして無かったわ・・・心からありがとう・・・」
田中光太郎「えへへ、そう言われると照れるな・・・もう大丈夫なら、もう買い物行こうぜ・・・ここで台無しにするのは勿体無いからさ・・・」
白川さゆり「・・・そうね!行きましょうか!」
お互いにズレにズレ捲った状況を乗り越えた光太郎達は、気を取り直して買い物に行くのだった。