今日も" 獣"で荒れている (ケモ荒)

カジキ

エピソード5(脚本)

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〇生徒会室
葛井 竜逸 (くずい りゅういち)「──だあぁあああ!!終わんねぇえええ」
  俺の名前は”葛井 竜逸” 高校2年の一般人
  周りから頭脳明晰、成績優秀、神にまで嫉妬される才を持った男と言われ───
ガラル・ライカ「──うるさいぞ、葛井!! 黙って仕事しろ」
  ──そしてこっちの人の名乗りを邪魔するのが、うちの”会長” 『ガラル・ライカ』
  見た目は髪染めしたスケバンに見えるかもしれないが、この女は”ライオンの獣人”
  それゆえ動物特有の体毛(髪)と人間離れした力を兼ね備えている
  前に腕相撲やった時なんか、握力だけで俺の手がグシャグシャにしかけた事だってある
葛井 竜逸 (くずい りゅういち)「馬鹿言ってんじゃねえよ 会長!!」
葛井 竜逸 (くずい りゅういち)「確かに、人は少ないと聞いていたし仕事量も多いと予想はしていた・・・」
葛井 竜逸 (くずい りゅういち)「──だが、量が多すぎる!!」
葛井 竜逸 (くずい りゅういち)「イベント用のパンフレット作成や膨大なスケジュール調整の数々、意見箱の集計と返答にその他諸々・・・」
葛井 竜逸 (くずい りゅういち)「人がいねえから書記会計の仕事も経験者の 俺持ちだし・・・・」
葛井 竜逸 (くずい りゅういち)「──てか、ルミ!ルミはどこいった!?」
葛井 竜逸 (くずい りゅういち)「アイツも、頭いい部類なんだからなにか手伝わせろ!!」
ガラル・ライカ「彼女はハーレム作ると言ってどこかに行った」
葛井 竜逸 (くずい りゅういち)「──連れ戻せ!つうか止めろ!」
葛井 竜逸 (くずい りゅういち)「面倒ごとのひとつでも持ってこられてみろ、 俺たちは仕事で”圧死”すんぞ!」
葛井 竜逸 (くずい りゅういち)「こんな序盤で潰れたら冗談抜きでヤバ──」
ガラル・ライカ「──はい、潰れないための薬」
ガラル・ライカ「これさえ飲めば、元気バリッバリ!夜もフル活動できるぞ〜(私は飲まないが)」
葛井 竜逸 (くずい りゅういち)「”できるぞ〜”、じゃねえわ!」
葛井 竜逸 (くずい りゅういち)「これ飲んでまで働きたいと思う馬鹿なんて いねえよ」
葛井 竜逸 (くずい りゅういち)「オイル入れれば喜んで働くロボットじゃねえんだぞ、俺は!」
葛井 竜逸 (くずい りゅういち)「──早急な人員の確保を要求する、今すぐ!!」
ガラル・ライカ「とは言ってもなあ・・・」
ガラル・ライカ「学校の嫌われ者ワン・ツー(私と葛井)のせいで誰もやりたがる奴がいないんだなこれが」
ガラル・ライカ「いくらマスコット役のルミがいても、私たちと働くことの方がよっぽど嫌なんだとよ」
葛井 竜逸 (くずい りゅういち)「つまり、しばらくは・・・」
ガラル・ライカ「──ワンオペ⭐︎(単独勤務)」
  ──ガタッ
葛井 竜逸 (くずい りゅういち)「ああ、死にてぇ・・・」
ガラル・ライカ「──よし分かった >ギュッ」
葛井 竜逸 (くずい りゅういち)「──おいやめろやめろ!おもむろに拳を 固めてトドメさそうとすんな!!」
ガラル・ライカ「じゃあ、ぐだぐだ言わず働こうか?(圧)」
葛井 竜逸 (くずい りゅういち)「・・・・はい」
葛井 竜逸 (くずい りゅういち)「・・・・ところで、俺とお前どっちの方が 嫌われてんの?」
ガラル・ライカ「──お前」
葛井 竜逸 (くずい りゅういち)「はあ!?」

〇SNSの画面
  ガラル・ライカ
   アニメの人気投票で子供が泣くぐらいには
  嫌われてるぞ
「葛井 竜逸(くずい りゅういち) ──クソモブじゃねえか!!」

〇生徒会室
葛井 竜逸 (くずい りゅういち)「つまりなんだ!?俺はネットのおもちゃにされるぐらい嫌われてんのか!!」
葛井 竜逸 (くずい りゅういち)「どんだけ俺のこと憎くてしかたねえんだよ!!」
ガラル・ライカ「──可愛さ余って憎さ千倍。"伊藤 真" ぐらいには好かれてんじゃねえの」
葛井 竜逸 (くずい りゅういち)「──桁を増やすな!! つうか誰だ!伊藤 真!!」
  ──ガラガラッ
依頼主「──ちーすッ!」
依頼主「すんませ〜ん、ここで生徒会が相談所やってるって、聞いてきたんだけど、ま?」
ガラル・ライカ「──おっ!葛井、客が来たぞ」
葛井 竜逸 (くずい りゅういち)「うえっ...まじか・・・」
  仕事増えそう・・・・
ガラル・ライカ「とりあえず、そこにかけてくれ」

〇生徒会室
  ──クチャ クチャッ
葛井 竜逸 (くずい りゅういち)「・・・・・・」
  葛井 竜逸(くずい りゅういち)
  こいつ、服装と態度からしてチャラ男か?
  葛井 竜逸(くずい りゅういち)
   こういう奴と下手に関わっていると無意な
  時間を過ごさせられるから嫌なんだよな
ガラル・ライカ「それで、どういったご用件で?」
依頼主「じ、実はぁ....」
依頼主「──好きな女と付き合いたい的なw」
葛井 竜逸 (くずい りゅういち)「なんだ、恋愛相談か・・・・くだらな」
依頼主「──はあ!?」
葛井 竜逸 (くずい りゅういち)「──こんな忙しい時にやる内容じゃないな」
葛井 竜逸 (くずい りゅういち)「俺、大量に仕事を残してるんでこれで・・・」
依頼主「おい、待てよクソ野郎!!」
依頼主「──今、人の恋路をくだらないの一言で流しやがったな!!」
葛井 竜逸 (くずい りゅういち)「言ったが、それがどうした」
依頼主「──ふざけるなぁ!!」
依頼主「俺は彼女のことマジ好きだし、この気持ちに嘘も偽りもねえ!」
依頼主「──俺、彼女とダチには嘘つかねえって決めてっから!!」
葛井 竜逸 (くずい りゅういち)「いや、それは知らんけど・・・・」
葛井 竜逸 (くずい りゅういち)「とにかく俺は、生徒会が編成されたばかりでまだ仕事も残ってる・・・」
葛井 竜逸 (くずい りゅういち)「そこにいる会長が大抵の問題はなんとかしてくれっから、そこの所は安心しろよ」
依頼主「──なに?会長さんが俺の相談のってくれんっすか」
依頼主「マジすかっ!会長さん!!」
依頼主「俺的にはひねくれ男より可愛い女子に解決してくれた方がマジうれしい的なw」
葛井 竜逸 (くずい りゅういち)「納得してもらえたようでなにより」
葛井 竜逸 (くずい りゅういち)「──じゃあ後よろしく、会長(丸投げ)」
ガラル・ライカ「──おい待て、葛井」
ガラル・ライカ「金髪くん、少し伺いたいんだけど」
ガラル・ライカ「──相手の子は、獣人かな?」
依頼主「はい、そうでーす⭐︎」
ガラル・ライカ「その子の種族は?」
依頼主「知らないでーす」
依頼主「俺、獣人のことよく知らねえし獣人と付き合ってた奴が生徒会にいるって聞いて来たん ッすよ」
ガラル・ライカ「──だそうだ、葛井」
ガラル・ライカ「私だけで種族を調べるとなると時間もかかる」
ガラル・ライカ「君がやれば、早く片付く案件じゃないのか?」
葛井 竜逸 (くずい りゅういち)「──いや、普通に嫌ですけど」
葛井 竜逸 (くずい りゅういち)「どれだけ時間かかってもいいなら会長 一人でもやれるじゃないっすか....」
  それに、わざわざ相手の獣人のことまで調べる必要もないし・・・・
ガラル・ライカ「いいのかな、そんなことばかり言って?」
葛井 竜逸 (くずい りゅういち)「・・・どういうことだよ、会長?」
ガラル・ライカ「私がこの案件に付きっ切りとなれば仕事する時間がなくなる」
ガラル・ライカ「──そうなると君の方に仕事が回ってくる」
葛井 竜逸 (くずい りゅういち)「はあ!? なんでだよ」
葛井 竜逸 (くずい りゅういち)「会長も徹夜してでもやればいいじゃないですか!!」
ガラル・ライカ「私はネコ科だぞ。大半昼寝に費やしてる動物が昼間も働いて夜も働けるわけないだろ」
葛井 竜逸 (くずい りゅういち)「まじかよ・・・」
ガラル・ライカ「あの大量の仕事にだって期限はある」
ガラル・ライカ「君はあの量の仕事一人でできると思うかい?」
葛井 竜逸 (くずい りゅういち)「・・・・・・」
葛井 竜逸 (くずい りゅういち)「”できる”と言ってやりてえが、一人でやるには現実的ではねえな、あの量は・・・・」
葛井 竜逸 (くずい りゅういち)「分かった・・・その獣人の場所へ案内しろ」
ガラル・ライカ「──決まりだな」
ガラル・ライカ「ということだ、金髪くん」
ガラル・ライカ「──その相談、我々”生徒会”が引き受けた」

〇教室
???「─────」
ガラル・ライカ「あの本読んでる子が、金髪くんの狙ってる お相手かあ・・・・」
依頼主「そうなんっすよ~、可愛くないっすか?」
葛井 竜逸 (くずい りゅういち)「・・・・・・」
葛井 竜逸 (くずい りゅういち)「あれは、オッポサムだな」
依頼主「オポッサムっすか?あんまり聞かない動物っすねえ」
依頼主「でも、マジかわアニマルちゃんなんだろうな」
葛井 竜逸 (くずい りゅういち)「・・・・・・」
葛井 竜逸 (くずい りゅういち)「そう言えば、お前の名前なんだっけ・・・」
依頼主「”友井 淳一”(ともい じゅんいち)っす!!」
葛井 竜逸 (くずい りゅういち)「──俺は下の方が呼びやすいから名前の方で呼ぶが・・・・」
葛井 竜逸 (くずい りゅういち)「──淳一、”アイツに近寄るのはやめろ”」
友井 淳一 (ともい じゅんいち)「──はあ、なんで!?」
葛井 竜逸 (くずい りゅういち)「双方のメリットを考えた上での判断だ」
葛井 竜逸 (くずい りゅういち)「悪いことは言わん。関わらん方が───」
友井 淳一 (ともい じゅんいち)「・・・・・・」
友井 淳一 (ともい じゅんいち)「メリット、メリットって・・・・」
友井 淳一 (ともい じゅんいち)「──そう言って、俺と彼女を引き離そうとすんのやめてくれないっすか!?」
友井 淳一 (ともい じゅんいち)「あんたにとって恋愛は価値がなくてくだらないことかもしれないっすけど、こっちはマジ 真剣にやってんっすよ!!」
友井 淳一 (ともい じゅんいち)「手伝うと言っといて、邪魔ばかりするの迷惑なんッすよ、マジで・・・」
葛井 竜逸 (くずい りゅういち)「違う、これはお前の───」
友井 淳一 (ともい じゅんいち)「・・・・うるせえッ」
友井 淳一 (ともい じゅんいち)「──俺、今から彼女にアプロしてくるんでそこで傍観きめこんでいてください!!」
葛井 竜逸 (くずい りゅういち)「──おい待て、おい!!」
ガラル・ライカ「ああ、行っちゃった」
ガラル・ライカ「葛井は、ほんとコミュニケーション取るのが苦手だな」
葛井 竜逸 (くずい りゅういち)「違う、ああいった輩に慣れてないだけだ...」

〇教室
オポッサムの獣人「────」
友井 淳一 (ともい じゅんいち)「ちーすッ」
オポッサムの獣人「──!!!?」
友井 淳一 (ともい じゅんいち)「なあなあ君、どんな本読んでんの?」
友井 淳一 (ともい じゅんいち)「それ面白い?最終的にヒロインの子と付き 合ったりすんの?」
オポッサムの獣人「・・・・・・」
オポッサムの獣人「にこ・・・・」
  だっだっだっ────
友井 淳一 (ともい じゅんいち)「──あれ、ちょっとお!!」
友井 淳一 (ともい じゅんいち)「また、ダメだったか....」
葛井 竜逸 (くずい りゅういち)「いや、ダメだろ。聞いてばかりなのは」
葛井 竜逸 (くずい りゅういち)「お前も読んで、物語の詳細まで事細かに伝えてやらねえと───」
ガラル・ライカ「ネタバレを当たり前のように勧めるのやめろ。さらに嫌われるだろ」
友井 淳一 (ともい じゅんいち)「.....俺って、どうすればいいんですかね」
葛井 竜逸 (くずい りゅういち)「・・・・・・」
葛井 竜逸 (くずい りゅういち)「まあ、本気で付き合いたいなら出会うきっかけぐらい欲しい所だ──」
友井 淳一 (ともい じゅんいち)「あ、モテなさそうな先輩には聞いてないっす」
葛井 竜逸 (くずい りゅういち)「はーい、殴り 入りまーす!怒」
ガラル・ライカ「・・・・・・」
ガラル・ライカ「なあ二人とも・・・・」
ガラル・ライカ「──今日の帰り、暇だったりするか?」

〇映画館の座席
葛井 竜逸 (くずい りゅういち)「・・・・・・」
  ああ、つまんな・・・・
  なんだこのラブロマンス....内容もベタベタで胸やけしそうな勢いなんだけど
  何が楽しくて、仕事残した状態でこんな映画
  見なきゃ行けねえんだ・・・
  ていうか、さっきから隣の奴いびきがうるさくね。つまんな過ぎてノンレム睡眠突入したか?
ガラル・ライカ「──カァアアあああ」
  ──”会長ぉおおおお"!!
  おい待て!!この映画、会長が見たいって言って来たんだよな!
  なんでイビキかきながら寝てんだ、コイツ!
  ....まあいい、せっかく金まで払ったんだ。
  最後まで見て、元でも取り返すか───
  ???
  うっっ・・ウっ・・・・ッ
  あ?なんだ・・・・
友井 淳一 (ともい じゅんいち)「うっっ・・・・ッ」
  ──なんで、お前はお前で泣いてんだ
  この映画で泣けるシーンなんてあったか!?
  今だってヒロインといちゃついてるようにしか見えないし
  はたから見たら よく分からん所で泣くジジババに見えるぞ(失礼)
  それにしても・・・・
  ”こいつら 静かに鑑賞するのに向いてねえ”

〇映画館の入場口
葛井 竜逸 (くずい りゅういち)「ウェ.....」
友井 淳一 (ともい じゅんいち)「それにしても、いい話だったすねぇ」
友井 淳一 (ともい じゅんいち)「いやぁ見れてよかったあ〜」
ガラル・ライカ「特に最後シーン良かったよなあ」
  葛井 竜逸(くずい りゅういち)
   お前は最後までぐっすりだったろうが....
ガラル・ライカ「それでどうだった、あの映画?」
友井 淳一 (ともい じゅんいち)「?どうだったって普通に良かったっすけど?」
ガラル・ライカ「なら、そのことを彼女と話してくればいい」
友井 淳一 (ともい じゅんいち)「・・・・どいうこと?」
ガラル・ライカ「あの映画、おそらく彼女が好きな映画だ」
友井 淳一 (ともい じゅんいち)「マジっすか!?」
ガラル・ライカ「ああ、彼女のカバンに今見た映画のキーホルダーが付いてたから間違いない。おそらく相当好きな作品なんだろう」
ガラル・ライカ「今ならきっと趣味の合う話ができるし彼女もそう言った友がほしいと望んでる」
友井 淳一 (ともい じゅんいち)「─────」
友井 淳一 (ともい じゅんいち)「分かったっす!明日また彼女と話してみます」
ガラル・ライカ「おう!がんばれ──」
葛井 竜逸 (くずい りゅういち)「わざわざ調べたんですか?キーホルダー」
ガラル・ライカ「まあ、少しだけな」
葛井 竜逸 (くずい りゅういち)「・・・それにしても大丈夫なんですか。 あんな適当なこと」
ガラル・ライカ「ん?なにが?」
葛井 竜逸 (くずい りゅういち)「その彼女ともまともに話してもないのに望んでるなんて・・・・」
葛井 竜逸 (くずい りゅういち)「アイツが失敗する落ちしかみえないんですが」
ガラル・ライカ「まあ私も一発で成功するとは思ってないよ」
ガラル・ライカ「だが、少なくともいい方には転がる」
ガラル・ライカ「人との出会いなんて百もニ百もあるし、なにがキッカケで関係築けるかも分からない」
ガラル・ライカ「私たちはその内の一つを示したに過ぎないが...」
ガラル・ライカ「──気長に待つしかないよ。私たちは良くも悪くも相談に乗ってるだけの部外者なんだ」
葛井 竜逸 (くずい りゅういち)「・・・・それもそうだな」

〇教室
オポッサムの獣人「─────」
友井 淳一 (ともい じゅんいち)「なあ、ちょっといいか?」
オポッサムの獣人「───!!!」
オポッサムの獣人「な、なにか御用ですか・・・・ にこッ....」
友井 淳一 (ともい じゅんいち)「いやさあ、いつも読んでるその本・・・・」
オポッサムの獣人「この本ですか?」
友井 淳一 (ともい じゅんいち)「やっぱそうだ!昨日その本の映画観に行って来たんだよ」
オポッサムの獣人「今上映されてる映画のことですか?」
友井 淳一 (ともい じゅんいち)「そうそれそれ!」
友井 淳一 (ともい じゅんいち)「いや〜マジ感動した!!」
オポッサムの獣人「そ、そんなに面白かったですか」
友井 淳一 (ともい じゅんいち)「マジマジ、ちょう面白すぎて後半ずっと泣いてたし!!」
友井 淳一 (ともい じゅんいち)「この作品作った奴、マジ神さまだわ!!」
オポッサムの獣人「そ、そうなんですね」
オポッサムの獣人「ちなみに誰が好きでした?」
友井 淳一 (ともい じゅんいち)「俺はライバルの"西原ちゃん"かな〜」
友井 淳一 (ともい じゅんいち)「映画だと、ただ嫌な奴だと思ったんだけど、 漫画の方だと何事にも一生懸命で主人公の男が本気で好きなんだって分かった」
オポッサムの獣人「──漫画まで読んだんですか!?」
友井 淳一 (ともい じゅんいち)「小説だと読めないから漫画買って読んでんの」
友井 淳一 (ともい じゅんいち)「まだ三巻しか読んでないけど、続きがマジ 楽しみスギ薬局だわ」
オポッサムの獣人「・・・・スギ薬局?」
  友井 淳一(ともい じゅんいち)
  ──あっ、ヤッベ!
  友井 淳一(ともい じゅんいち)
  いつもよりチャラ男成分抑えめでいたけど、つい癖で言っちまった
友井 淳一 (ともい じゅんいち)「いや悪い、癖で変なこと口走った──」
オポッサムの獣人「──”楽し...スギ...薬局”...  ふふっ」
友井 淳一 (ともい じゅんいち)「・・・・・・」
友井 淳一 (ともい じゅんいち)「──もしかして、笑ってる?」
オポッサムの獣人「──すみません、意表を突かれてツボに」
オポッサムの獣人「それにしても楽しスギ...ゴフッ!(吹いた)」
友井 淳一 (ともい じゅんいち)「・・・・そっか」
友井 淳一 (ともい じゅんいち)「──なあ、他に面白い漫画とか知らないか」
友井 淳一 (ともい じゅんいち)「せっかくだし、いろんな漫画開拓したいし 教えてくれよ」
オポッサムの獣人「──ええ、私の趣味でよければよろこんで」

〇生徒会室
友井 淳一 (ともい じゅんいち)「そんな感じで、なんとか上手く行ったっす」
ガラル・ライカ「そこまで上手く行くとはすごいな金髪くん」
ガラル・ライカ「そこで働いてる奴よりは話し上手だよ」
葛井 竜逸 (くずい りゅういち)「・・・・ほっとけ てか、仕事しろ!!」
ガラル・ライカ「はいはい・・・・」
ガラル・ライカ「じゃあまた何かあったらここに来てくれ。 相談ぐらいなら乗るよ」
友井 淳一 (ともい じゅんいち)「ありがとうございますッす!!」
友井 淳一 (ともい じゅんいち)「──失礼します」
  ──ガラガラッ
ガラル・ライカ「いや〜上手く行ってくれて良かったな 葛井」
葛井 竜逸 (くずい りゅういち)「ああ、その分 俺らの仕事は増えたがな」
ガラル・ライカ「あれも私たちの仕事のうちだよ」
ガラル・ライカ「仕事が増えたんじゃない、あった仕事が無くなったんだ」
ガラル・ライカ「──喜べ、葛井! ばんざーい」
葛井 竜逸 (くずい りゅういち)「・・・・・・」
ガラル・ライカ「どうしたんだ葛井?せっかく一つの仕事が 片付いたんだぞ」
葛井 竜逸 (くずい りゅういち)「いや、ちょっと気がかりなだけだ・・・」
  葛井 竜逸(くずい りゅういち)
  ──俺は完璧主義なものでね
ガラル・ライカ「・・・・・・」
ガラル・ライカ「──痛いぞ、おまえ」
葛井 竜逸 (くずい りゅういち)「──ほっとけやぁ”あ”あ”あ”」

〇教室
友井 淳一 (ともい じゅんいち)「この作品だと誰オシ?」
オポッサムの獣人「この作品だと...”彼汰くん”かな」
友井 淳一 (ともい じゅんいち)「マジ!? 俺も”彼汰”推しだわ」
友井 淳一 (ともい じゅんいち)「やっぱ、がむしゃらになって頑張ってる姿はなんだかんだ応援したくなるよな~」
友井 淳一 (ともい じゅんいち)「なんと言うか、励まされるっつうか」
オポッサムの獣人「──うん!!」
友井 淳一 (ともい じゅんいち)「そう言えば、俺ってこう見えて結構 友達 多いんだよね」
オポッサムの獣人「そうなんだ」
友井 淳一 (ともい じゅんいち)「そんでさあ・・・・」
友井 淳一 (ともい じゅんいち)「──”君のこと、友達に紹介してもいい?"」
オポッサムの獣人「え?・・・・」
オポッサムの獣人「いいよ、わざわざ紹介なんかしなくても....」
友井 淳一 (ともい じゅんいち)「大丈夫大丈夫。むしろ、アイツら友達増えるのにウェルカムな奴ばかりだから」
友井 淳一 (ともい じゅんいち)「きっと君が来てくれると喜ぶ」
オポッサムの獣人「いや...誰も喜ばな──」
オポッサムの獣人「.....いえ、分かりました」
オポッサムの獣人「──私に友井さんのお友達、紹介していただけませんか」
友井 淳一 (ともい じゅんいち)「良いのか!ありがとう!!」
友井 淳一 (ともい じゅんいち)「──いつもあそこで”たむろ”ってるから、着いて来て」

〇屋上の入口
  男女集団
   ──────
友井 淳一 (ともい じゅんいち)「おーい、お前ら──!!」
男友達「──お!友井じゃね!?久しぶり、元気にしてたか?」
友井 淳一 (ともい じゅんいち)「元気元気、常に俺は、”俺”というものを貫いて生きてッから」
男友達「そうかそうか、元気そうでなによりだ」
男友達「ふぅ───ッ 生き返る 生き返る....」
オポッサムの獣人「ケホッ ケホッ・・・・」
男友達「! ──友井?後ろにいる奴って....」
友井 淳一 (ともい じゅんいち)「ああ、新しい友達だ!!」
男友達「友達ねえ.... ふ──ん......」
男友達「──結構、可愛いじゃん。よろしく」
オポッサムの獣人「よ、よろし───ケホッ ケホッ」
男友達「もしかして、タバコ苦手?」
オポッサムの獣人「え、ええ....私の周りは寄り付きませんから」
男友達「?そうか・・・・」
男友達「──じゃあどうよ、 ”一服”?」
オポッサムの獣人「──え?」
オポッサムの獣人「い、いいですよ....私、タバコの匂いが苦手ですし・・・」
男友達「遠慮すんなって。俺も最初は苦手だったけど、吸ってく内に気にならなくなったからさ」
男友達「これ俺のおすすめの味なんだぜ。世界が変わんだよ」
オポッサムの獣人「いいですから、本当に・・・・」
男友達「ほら、試しに吸って見ろって───」
オポッサムの獣人「──やめ、やめて」
友井 淳一 (ともい じゅんいち)「お、おい 桐生 その辺で───」
  ──バタン
桐生「お、おい! 大丈夫か!?」
桐生「お前の連れ、急に倒れたんだけど!!」
友井 淳一 (ともい じゅんいち)「───!!」
女友達「──もう何してんのよ!!」
女友達「ねえ、ちょっとあなた 大丈夫!?」
女友達「───うッ!?」
  ──バタン
男友達「──おいおい! なんでお前まで倒れんだよ」
女友達「くさい・・・・」
男友達「え?」
  女友達
  ──この子、凄く”くさい” !!

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