第3話 ワクワク!学園生活の始まり(脚本)
〇洞窟の深部
【ジュドー】スライム「きええええええええ」
ロイ「・・・はぁッ!!」
【ジュドー】スライム「・・・きえ?」
ロイ「・・・後ろだ、ノロマ」
ロイ「これで・・・最後!!」
【ジュドー】スライム「ぐ・・・ぐぐぅ・・・」
ロイ「・・・ふぅ」
はぁ・・・はぁ・・・
ジュドーを倒した・・・?
この人は・・・確か・・・
誰・・・だっけ・・・?
〇黒
ここは・・・
「・・・!!・・・!!」
何か・・・声が聞こえる・・・
「・・・から!・・・い!!」
・・・え?
「・・・丈夫だから!・・・なさい!」
この声は・・・
じ・・・地震?
悲鳴・・・?
・・・なんなんだよこれ
「大丈夫だから!!大丈夫だから!!」
〇保健室
ハル「・・・るさい・・・うるさい」
「ちょっと!ゴリス先生! 静かにしてください!」
「ハルぅ!!ハルぅ!!」
ゴリス「ハルぅ!大丈夫かぁ!!」
ハル「んん・・・」
リネージュ「ちょっと、ゴリス先生、まだ寝てるんですから静かにお願いします」
ゴリス「ハルぅ!」
リネージュ(聞いてない・・・)
ゴリス「しっかりしろォ!!」
リネージュ「し・・・締まってますから!! 首が締まってますから・・・!!」
ハル「かはぁ・・・!!」
ゴリス「お!目覚めたか!」
リネージュ「ゴリス先生が起こしたんですよ!」
ハル「・・・え・・・あの・・・」
ハル「く・・・ぐるじい・・・」
ゴリス「あ・・・!すまん・・・」
ハル「はあ・・・はあ・・・」
リネージュ「ハルくんごめんね・・・」
ハル「い・・・いや、良い目覚めです・・・」
ハル「え・・・と、俺は何して・・・」
ゴリス「覚えてないのか?」
ハル「は、はい」
ゴリス「試験を行ったとこまでは覚えているよな?」
ハル「あ、そうでしたね」
ゴリス「その試験でハルの班はジュドーに遭遇。 職員が確認に行った時には、倒れているハルとオズワルド、そしてロイが居た」
ハル「・・・ロイ」
ゴリス「ロイに詳しい話を聞いたんだが、激しい爆発が聞こえたためロイが向かったところ既にジュドーとハルが倒れていたらしい」
ハル「・・・え?」
ゴリス「凄いぞハル、よくジュドーとの初めての戦闘で討伐できたな・・・」
リネージュ「ですよね、負傷も重症まではいきませんでしたし」
ハル「え・・・あ、その・・・」
ゴリス「む・・・どうしたんだ?」
ハル「いや・・・なんでもないです」
ゴリス「そうか、とりあえず先走ってハル達を置いていったマークとカゲには指導をしておいた」
ゴリス「お前はこのまま安静にしておくといい」
ハル「は・・・はい、ありがとうございます」
ゴリス「そろそろホームルームだから俺は行くぞ」
ゴリス「では、失礼する・・・」
リネージュ「ゴリス先生の言うとおり、このまましばらく安静にしてなさい」
ハル「はい、ありがとうございます」
ハル(・・・俺が、ジュドーを倒した?)
ハル(いやでもあの時・・・)
〇洞窟の深部
ロイ「ふう・・・」
〇保健室
ハル(どうして・・・嘘をついたんだ)
〇講義室
ゴリス「今日はみんなよく頑張ったな。 お疲れ様」
ゴリス「入学式に続き試験とかなり疲れていると思う。 この後各自寮や家に帰った後はゆっくり休息を取りなさい」
ゴリス「また、入寮する生徒はこの後担当の先生が案内するため・・・」
ゴリス「・・・おっと、チャイムが鳴ってしまったな」
ゴリス「とりあえず、寮はこの後担当の先生が案内するということだ」
ゴリス「・・・では、これで伝達事項は以上だ。 クリス、号令を頼めるか?」
クリス「はい!」
クリス「・・・起立、礼!」
ありがとうございました!
〇保健室
ハル「・・・くかぁーくかぁー」
「ハル!」
マーク「大丈夫か?」
オズワルド「僕のせいで・・・」
マーク「オズワルドは悪くない。 俺らが2人を置いて行ったのがいけなかったんだ・・・」
ハル「んん・・・」
マーク「お・・・!」
ハル「ん・・・もうホームルーム終わった?」
マーク「ハルぅ!」
オズワルド「よ、良かった・・・」
ハル「ん?え?」
マーク「良かった!死んだかと・・・」
ハル「は?いやいや勝手に殺さんでくれ」
ハル「さっきも起きてたし、ゴリス先生とも話してたし、普通に寝てただけだよ」
マーク「なんだ、びっくりしたー・・・」
マーク「・・・」
マーク「ハル・・・本当にすまんかった」
ハル「え?」
オズワルド「僕からも、本当に迷惑かけてごめんなさい」
ハル「な、なんのことだよ」
マーク「いや、ほら・・・先走ってお前らを置いて行ってしまっただろ?」
オズワルド「僕も気絶している間、僕を守りながらジュドーと戦ってくれたし」
ハル「あーいや、そんな謝らなくて良いよ」
ハル「俺もジュドーと初めて戦ったし良い経験にもなったから」
ハル「まあ・・・ボコボコにされちゃったけどね笑」
マーク「でも、ジュドー倒せたんだろ? 本当にすごいぜ」
ハル「え?」
オズワルド「そうそう、ゴリス先生も誇らしそうにクラスのみんなに話してたよ」
ハル「え、ちょ、は?!」
マーク「あんだけ魔力低いとか自虐しておいて、やっぱハルは強いじゃんかよー」
ハル「ち、違うんだよ!あれは・・・」
オズワルド「今度体育に時間にアドバイザーとして選ばれるかもね」
ハル「いやそれはロイが・・・」
マーク「ロイ?なんでロイの名前が出てくるんだ?」
マーク「まあいいや、とりあえず元気そうで良かったよ」
オズワルド「ほんとほんと」
マーク「この後寮の案内らしいから一緒に行こうぜ」
ハル「あ、ああ・・・ その前に急いで寄りたいとこがあるんだ」
ハル「ちょっと待っててくれ!」
マーク「え、ハル!?」
マーク「どこにいくんだよー・・・」
〇講義室
ハル「はあ・・・はあ・・・」
ハル「ゴリス先生!」
ゴリス「おお・・・ハルか。 もうホームルームは終わったぞ」
ゴリス「体調はどうだ? 結構息切れしているようだが・・・」
ハル「体調は大丈夫です! それより、ロイはもう帰りましたか?」
ゴリス「あー・・・ロイだったら中庭に行ってたぞ」
ゴリス「何かあったのか?」
ハル「い、いえ、ロイに少し話があったので」
ハル「教えてくださってありがとうございます! 失礼します・・・」
ゴリス「・・・」
ゴリス「元気だな・・・」
〇華やかな広場
ハル「・・・中庭ってここだよな?」
ハル「・・・!」
ロイ「何の用だ」
ハル「あ、ろ、ロイくんだよね?」
ハル「あの・・・その・・・」
ロイ「なんだ、早く用件を言ってくれ」
ハル「・・・あの!試験の時、俺がジュドーに襲われてた時助けてくれてありがとう!」
ロイ「・・・」
ハル「え・・・あ、いや」
ハル「あの時、助けてくれたんだよね、?」
ロイ「・・・気のせいだろ」
ハル「・・・いやいや、流石に見間違いなわけないよ」
ハル「それに、現にロイくんが助けてくれたおかげで俺はここにいるし」
ハル「本当にありがとう」
ロイ「・・・礼を言われる筋合いはない」
ロイ「気分でやっただけだ」
ハル「・・・でも」
ハル「だからって何で嘘をついたの?」
ロイ「・・・」
ハル「どうして、俺がジュドーを倒したってことにしたの?」
ロイ「・・・」
ハル「それも・・・気分なの?」
ロイ「・・・ああ」
ハル「そっか・・・」
ハル「まあ、どうして嘘をついたのかは深く聞かないでおくことにするよ」
ハル「でも、助けてくれてありがとう。 本当に助かった」
ロイ「・・・」
ハル「あ・・・じゃあ、そろそろ寮案内だから行くね」
ハル「またあした・・・」
ロイ「・・・おい」
ハル「な、なに?」
ロイ「・・・もし、俺があの時ジュドーを殺したことを周りに広めたりしたら」
ロイ「お前を殺す」
ハル「・・・」
ハル「・・・わ、わ、わかった。 わかったよ」
ハル「絶対言わないようにする!約束!」
ハル「じゃあ・・・また」
ロイ「・・・」
〇華やかな寮
ムロホーク「えー・・・ではこの先が学生寮になります。 着いてきてください」
〇寮の部屋(ポスター無し)
マーク「俺らの部屋は・・・ここか!」
マーク「2人部屋ってことはハルと一緒だな」
ハル「まさかマークと同じ部屋だなんて偶然だね」
マーク「そうだな、これは毎日楽しくなるぞ〜!」
マーク「まずは、毎晩2時まで夜更かしゲームしてー・・・」
ハル「俺は体力持たないって・・・」
マーク「俺は何十年何百年でもずっと一緒にゲームできるぞ」
ハル「ハハハ・・・マークって意外とゲーマーなんだな」
ハル「とりあえず、それぞれの荷物と家具置いて整えよう」
マーク「そうだな!早く家具設置して、入寮歓迎パーティに行こう」
ハル「ああ、歓迎パーティ何やるかわかんないけどね」
マーク「なんかみんなでケーキ食ったり、先輩方が魔法で芸を見せてくれるって聞いたけどな」
ハル「へえーそれは楽しそうだな」
マーク「ちなみに、去年は今の3年の先輩が口から火を吹く芸をして危うく寮が火事になりかけたとか」
ハル「そ、それ大丈夫か・・・?」
マーク「そんな事は置いといて、早く準備しよーぜ」
ハル「お、おう」
〇おしゃれな食堂
ムロホーク「えー・・・寮の皆さん全員集まりましたかね」
ムロホーク「ゴホン・・・」
ムロホーク「では、これより新一年生の入寮歓迎パーティを開式します」
ムロホーク「では、寮生代表のヴァイスさん、開式の辞をよろしくお願いします」
ヴァイス「えー、それでは僕ヴァイスが開式の辞を務めさせていただきます」
ヴァイス「これより、第3回新一年生入寮歓迎パーティを開式します!」
よろしくお願いしまーす
ヴァイス「じゃあ、はじめに寮生代表の僕から新一年生に向けて少し話をさせてください」
ヴァイス「まずは入学おめでとう! 無事こうしてお互い顔を合わせることが出来てとても嬉しいよ」
ヴァイス「今はワクワクやドキドキ、不安もあると思うけど、この寮で生活していくうちにきっと不安も幸せに変わると思う」
ヴァイス「なんたって、この寮は基本自由だしこれといった規則もない。 僕らのマイホームとして好きに使って良い」
ヴァイス「もちろん誰かの迷惑になるようなことは禁止だけどね」
ヴァイス「まあ、ここで暮らすうちに新しい友達や仲間もきっと出来るから、楽しんで暮らしていってほしい」
ヴァイス「あ・・・ちなみに僕の自己紹介が遅れました」
ヴァイス「僕はヴァイス。 3年生でマナセクト学園生徒会に所属してます! 兼任でここの寮生代表もさせてもらってるよ」
ヴァイス「何か日常生活で困った事があったらいつでも遠慮なく頼ってほしい! 長くなったけど以上!」
ヴァイス「これからよろしくお願いします!」
よろしくお願いします
ムロホーク「ヴァイスさん、ありがとうございました」
ムロホーク「では、次に超特大ケーキを皆さんでいただくとともに、2、3年生による芸を披露します」
〇おしゃれな食堂
2年生の先輩「それで、お母さんにおつかい頼まれて八百屋に行ったんですね」
2年生の先輩「んで、八百屋の店先にネギが置いてあったんですが・・・その先端になんか緑の何かが付いてたんですね」
2年生の先輩「それ見て俺はラッキー! 野菜に更に小さい野菜ついてるやん! って思ってそのネギを取ったんですよ」
2年生の先輩「・・・そしたら、そのネギの先端に付いてる緑のやつ急に動き始めたんですよね」
2年生の先輩「俺めっちゃびっくりして、恐る恐るその緑の正体を確かめてみたんですね」
2年生の先輩「そうしたら、その正体はまさかのカマキリだったんですよ!」
3年生の先輩「いや、どんな見間違いしてんねん!」
〇おしゃれな食堂
2年生の先輩「それではこれより、ムロホーク先生を一瞬で消して見せましょう」
ムロホーク「ええ!?」
2年生の先輩「行きますよ〜? ハゲ、ハゲ、イクモウペタンペタン」
ムロホーク「ちょ、まっ」
2年生の先輩「ほら、このようにムロホーク先生は跡形もなく消えてしまいました!」
2年生の先輩「イリュージョンッ!」
「た、助けてえええええ」
〇おしゃれな食堂
マーク「ガハハハハハハ・・・」
クリス「やっぱり、先輩方は凄いなあ・・・」
ハル「そうだね、俺はあんなネタ出来ないな笑」
ハル(これから、この仲間とそして先輩方や先生と共に3年間マナセクト学園で過ごしていくんだ)
ハル(ヴァイス先輩が言っていたように、最初は期待と不安が入り混じった感情ばかりだった)
ハル(カゲや中学の頃の嫌な事を思い出してしまって、また同じことにならないか不安だったけど・・・)
ハル(・・・でも、マークやクリス、オズワルド達と出会ってなんだかそんな悩みはどっかに行ってしまった)
ハル(もちろん、まだまだ色んな事が待ち受けていると思う)
ハル(・・・それでも、)
ハル(この仲間達といればなんだって乗り越えていける。そう自信がどこからか湧いてくる)
ハル(これからの学園生活が楽しみだ!)
マーク「おい、ハル!あれ見ろよ!笑」
ハル「あはは・・・本当だ!」
続く。