ルーリァンティア 刻限の歌姫と七虹の舞姫

輝月レイヤ

第6話「ラレシィエンヌの出生」(脚本)

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輝月レイヤ

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〇病院の診察室
  16年前──
  医師『ファランドール様。残念ながら、奥さんの体では・・・』
  ラレシィエンヌの母親『そ・・・そんな──』
  ラレシィエンヌの父親『どうにか出来ないのですか?』
  医師『私としても手を尽くしましたが・・・残念ながら──』
  ラレシィエンヌの父親『・・・わかりました』
  ラレシィエンヌの父親『先生。今まで妻の為に色々と有難うございました』
  医師『こちらこそ、何も出来ず申し訳ないです』
  ラレシィエンヌの父親『16年前、妻は体が弱いのがきっかけで子供が産めない体になってしまいました』
  ラレシィエンヌの父親『2人で悲しみを堪えながら帰路についていました』
  ラレシィエンヌの父親『ですが雨が降るその道中で──』

〇山道
  ラレシィエンヌの母親『あなた、今の音何かしら?』
  ラレシィエンヌの父親『確かに聴こえたな』
  ラレシィエンヌの父親『確かこっちの方で──』
  ラレシィエンヌの父親『あ!?』
  ラレシィエンヌの母親『あなた、どうしたのですか?』
  ラレシィエンヌの父親『これを見てみろ』
  ラレシィエンヌの母親『こ・・・この子は!?』
  ラレシィエンヌの父親『それがアルルとの出会いでした』

〇養護施設の庭
ラレシィエンヌ(幼少期)「あはは!楽しいな」
  ファランドール家メイド『ちょ!?お嬢様!?』
  ラレシィエンヌの父親『私達はそのまま捨て子だったアルルを引き取り、育てました』
  ラレシィエンヌの父親『アルルは生まれつき声が出ませんでしたが、それでもすくすくと育ちました』
  ラレシィエンヌの父親『ですが・・・』
  ラレシィエンヌの父親『そんなある日、事件が起きました』

〇教室の教壇
  『お前、声が出せないらしいな』
ラレシィエンヌ(幼少期)「うん、そうだけど」
  『なぁ何か言ってみたらどうだ?』
  ラレシィエンヌは手話で同級生に伝えた
  しかし──
  『何やってんだお前?』
  ラレシィエンヌは手話で『自分は筆談か手話でしか会話できない』と伝えたが同級生は手話が解らず、それが伝わらなかった
  そして──
ラレシィエンヌ(幼少期)「痛い!」
  ラレシィエンヌはそれから同級生達に日々虐めにあい続けた。
  そして数日後、事件が起きた
ラレシィエンヌ(幼少期)「もう・・・辞めて──」
  『うわぁ~!?』
  ラレシィエンヌが無意識に放ったそれが、同級生達を強く壁に叩きつけた。
  そして後日──

〇校長室
  『どうしてくれるのですか!!うちの子に何かあったらどうしてくれるのですか男爵!!』
  ラレシィエンヌの父親『誠に申し訳ありませんでした・・・』
  『事の原因であるその子の口からも誠心誠意謝ってほしいですね』
ラレシィエンヌ(幼少期)「本当に申し訳ありませんでした・・・」
  『何手を動かしてるのよ?ちゃんと貴女の口で謝りなさいよ』
  『あ!──確か貴女、喋れないのでしたね!』
ラレシィエンヌ(幼少期)「・・・」
  『何と情けない。これだから弱小貴族は──』
  ラレシィエンヌの父親『そういう事が続き、各地を転々として過ごしてました』
  ラレシィエンヌの父親『ですが、そういう生活を数年過ごしていたある日のことです』

〇おしゃれな居間
ラレシィエンヌ「うふ!」
  ラレシィエンヌの父親
  『随分と上機嫌だなアルル』
  ラレシィエンヌの母親
  『良いことでもあったの?』
ラレシィエンヌ「何でもないよ」
  ラレシィエンヌの父親
  『いつの日かアルルは上機嫌で帰ってきたんです。今まで学校からの帰宅後はしょんぼりしてたのですが』
  ラレシィエンヌの母親
  『そんな上機嫌な娘がどうしても気になった私達は、娘と年の近いメイドに変装してもらい』
  ラレシィエンヌの母親
  『学校に潜入してもらい調べてもらいました』
  ナハト
  『時折感じた視線は彼女の家のメイドだったのか──』

〇貴族の応接間
  ラレシィエンヌの父親
  『そして調べてもらった結果、アルルが上機嫌になったキッカケだったのがナハト様だったのです』
ナハト「──そうですか・・・」
ナハト「──ところで・・・ラレシィエンヌ」
ラレシィエンヌ「?」
ナハト「君・・・さっきから黙ったままだけど」
ナハト「本当は二人の実子じゃない・・・て事、知ってたんじゃないか?」
  ラレシィエンヌの両親
  『!?』
ラレシィエンヌ「・・・」
ラレシィエンヌ「はい。知ってました」
  ラレシィエンヌの父親
  『いつから知ってたんだ?』
ラレシィエンヌ「数年前、偶然にもメイド達が話しているのを聞いてしまい、その時知りました」
  ラレシィエンヌの母親
  『そう・・・だったのね──』
ナハト「・・・ところで──」
ラレシィエンヌ「?」
ナハト「彼女が聖響騎士団に入るか入らないかの話は、どうなりました?」
  ラレシィエンヌの父親
  『あぁその件でしたら、娘は入る──といっています』
ナハト「そうですか、わかりました」
ナハト「これから宜しくラレシィエンヌ」
ラレシィエンヌ「こちらこそ宜しくお願いします」
  こうして、ラレシィエンヌが聖響騎士団に入ることが決まった。
  するとそこにアリュシオーネが入ってきた。
  アリュシオーネ
  『失礼します』
アリュシオーネ「少々お話をしても構いませんか?」
ナハト「別に構わないですが・・・どうしたのですか?」
アリュシオーネ「ナハト様。そして、ファランドール家の皆様。王宮から直々の招集が来ています」
ナハト「招集?・・・いったい何だろう──」
  次回に続く──

次のエピソード:第7話「副隊長達の休日と災いの前兆」

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