かぞくの一員 敦樹side(1)(脚本)
〇明るいリビング
翌朝、目を覚ますと体が急に軽くなった気がした。
「なにこれ! どうなってるの⁈」
体を見ると全身毛むくじゃら。
手足には可愛らしいピンク色の肉球。
米井 敦樹「にゃーっ! にゃーっ!(お母さん! お父さん!)」
米井 敦樹「喋れない・・・」
モモ「モモ」
米井 敦樹「にゃーにゃーっ!」
米井 敦樹(喋れない。不便だな・・・)
モモ「もしかしたら、入れ替わってるんじゃない?」
米井 敦樹(何故、猫語なのに分かるの?)
米井 敦樹「にゃーにゃっ!(どうなってるの! 助けてよ!)」
──もしかしたら敦樹の中に入っているのはモモなのかもしれない。
米井 敦樹「にゃーっ、にゃっ?(もしかして、あのサイト・・・?)」
モモ「多分そうだね。敦樹は結構やらかしているからなあ」
米井 敦樹「にゃっ、にゃっ! にゃっ!(モモだって! ご飯こぼしたりしてるだろっ!)」
モモ「そうだけど、それは別じゃない? 一回食べてみれば?」
仕方なくご飯を食べた。
・・・食べにくい。
米井 敦樹「ゔっ」
モモ「言っただろう。しょうがないことなんだよ」
「何一人で喋っているの? もうご飯できたわよ」
モモ「分かった!」
「俺ね! 猫語が分かるようになったの!」
このままどうなってしまうのだろう。
「いってきまーす!」
米井 敦樹(そうか。もうそんな時間なのか)
あのサイトに変な事を書かなければ良かった。どうして入力してしまったのだろう。
と一人、いや一匹後悔している。
米井 敦樹「最悪っ!」
米井 敦樹(戻りたいなあ・・・・・・)