バッドエンドレディ~悪役令嬢がデスループから抜け出す方法~

桜海(おうみ)とあ

S2#18 #43 40話 (脚本)

バッドエンドレディ~悪役令嬢がデスループから抜け出す方法~

桜海(おうみ)とあ

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〇黒

〇西洋風の部屋
テオフィル・ベフトン「はい。私がリアリナ様の心臓を、淫魔に差し出したのです」
リアリナ・シャルルド・グレイ「どうしてそんなことをしたのよ!」
リアリナ・シャルルド・グレイ「サメに腹を食いちぎられた時、どれだけ痛かったかわかる?」
リアリナ・シャルルド・グレイ「私が殺される時、」
リアリナ・シャルルド・グレイ「大切な人が泣き叫ぶ声が聞こえることが、どれだけ辛かったか!」
リアリナ・シャルルド・グレイ「何度も何度も、大切な人が殺されるのを見るのよ!」
リアリナ・シャルルド・グレイ「それがどれだけ屈辱的で、死にたい気分になるか」
リアリナ・シャルルド・グレイ「死の恐怖を何度も味わって、それが心の中に蓄積されていくの」
リアリナ・シャルルド・グレイ「逃れられない死の恐怖が永遠に襲ってくるのが、どんなものなのか、」
リアリナ・シャルルド・グレイ「テオはわかってないわ」
テオフィル・ベフトン「ええ。あなたが受けた痛みを、私は何一つ理解していないでしょう」
テオフィル・ベフトン「しかし、異端教徒はどんなことをしてでも狙ってくる」
テオフィル・ベフトン「私は、絶対に守り切らなければならなかった!」
テオフィル・ベフトン「あなたを守りきれなかったら、悔やみきれない」
テオフィル・ベフトン「いっそ、死なない方法をと、」
テオフィル・ベフトン「私は人ではない力に縋ってしまったのです」
テオフィル・ベフトン「このような馬鹿なことをした私を許さないでください」
リアリナ・シャルルド・グレイ「・・・許さない」
リアリナ・シャルルド・グレイ「ねえ、セミラミス! 見てるんでしょ?」
リアリナ・シャルルド・グレイ「ずっと嘲笑っていたのでしょ?」
リアリナ・シャルルド・グレイ「あなた好みの滑稽な道化だったかしら?」
リアリナ・シャルルド・グレイ「殺されまくりの悪役令嬢を見るのは、さぞ愉快だったでしょうね!」
リアリナ・シャルルド・グレイ「・・・本当に最悪だわ」
リアリナ・シャルルド・グレイ「・・あれ? 何で話せているの?」
リアリナ・シャルルド・グレイ「今までは、誰かに話したら死に戻っていたのに」
テオフィル・ベフトン「先ほど私が薬を飲んだからでしょう」
リアリナ・シャルルド・グレイ「!!」
テオフィル・ベフトン「同じ毒に侵されているもの同士は話せるそうです」
リアリナ・シャルルド・グレイ「なんて馬鹿なことをしたの!」
リアリナ・シャルルド・グレイ「淫魔の道化になったら、」
リアリナ・シャルルド・グレイ「永遠に死ねないの! わかってる?」
テオフィル・ベフトン「そのために、薬を飲んだのです」
リアリナ・シャルルド・グレイ「バカなの? 吐き出しなさい!」
テオフィル・ベフトン「無駄です。淫魔の毒はもう私の心臓を侵している」
テオフィル・ベフトン「それよりも大事なことをお伝えしなくてはならないのです」
テオフィル・ベフトン「実は、一つだけ、この淫魔の契約を解除する方法があります」

〇黒

〇神殿の門

〇けばけばしい部屋
テオフィル・ベフトン「しかし、呪いを解く方法があるのでしょう?」
テオフィル・ベフトン「一度に4粒飲んだ場合、淫魔に心臓を奪われる。だが──」
テオフィル・ベフトン「本人の意思を無視して、何者かに月の涙を飲まされた時のみ、」
テオフィル・ベフトン「“無限の時”から抜け出す方法がある」
テオフィル・ベフトン「そうなのですか?」
セミラミス「ああ、この薬を悪用した者に、」
セミラミス「うっかり騙された罪なき者のための救済処置だ」
セミラミス「淫魔とて、善人を地獄に突き落とすのは心が痛む」
セミラミス「逃げ道ぐらい用意してやろう。ということだ」
セミラミス「ふはっ。優しいだろう?」
テオフィル・ベフトン「淫魔の毒を飲んだ人間を助ける唯一の方法」
テオフィル・ベフトン「それは、どんな方法なのです?」

〇黒

〇西洋風の部屋
リアリナ・シャルルド・グレイ「どうやったら助かるの?」
テオフィル・ベフトン「騙した人間の心臓を淫魔に差し出せば、契約は解除される」
テオフィル・ベフトン「つまり何者かによって毒を飲まされた場合、毒を盛った人間を殺せば、」
テオフィル・ベフトン「“無限の時”から抜け出せます」
リアリナ・シャルルド・グレイ「それって・・・私がテオを殺せば、ループから抜け出せるって・・・こと?」
テオフィル・ベフトン「正解です。リアリナ様」
テオフィル・ベフトン「私があなたに毒を盛ったのです。 ・・・だから」
テオフィル・ベフトン「私を殺してください」
リアリナ・シャルルド・グレイ「そ、そしたらテオはどうなるの?」
テオフィル・ベフトン「私が身代わりになり、淫魔の道化となるでしょう」
テオフィル・ベフトン「さあ、リアリナ様 私の心臓を突き刺すのです」

〇黒
  ──

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