バッドエンドレディ~悪役令嬢がデスループから抜け出す方法~

桜海(おうみ)とあ

S2#15話 #40 (脚本)

バッドエンドレディ~悪役令嬢がデスループから抜け出す方法~

桜海(おうみ)とあ

今すぐ読む

バッドエンドレディ~悪役令嬢がデスループから抜け出す方法~
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇黒

〇空

〇洋館の階段
ミレーユ「さあ、神殿よりいらした踊り子の皆様。一緒に王宮へと参りましょう」

〇城の廊下
女性司祭2「・・・」
ミレーユ「それにしても素敵な衣装ですね!」
ミレーユ「今日のために神殿が用意したのかしら?」
女性司祭1「・・・」
ミレーユ「その手袋も?」
女性司祭1「・・・・・・」
ミレーユ「あなたたち、何をそんなにそわそわしているの?」
女性司祭1「そ、そんなことは」
ミレーユ「あ、そうか。化粧室ね!」
ミレーユ「ご案内しますね」
女性司祭3「・・・」
女性司祭1「ダメだわ・・・・・・」
女性司祭2「でも聖女様を巻き込めない」
女性司祭1「でも」
女性司祭2「そんな、無理よ」

〇城の廊下
ミレーユ「待って、もうすぐそこだから!!」
女性司祭1「もう、私、・・・・・・無、無、」
ミレーユ「耐えて!」
ミレーユ「人としての尊厳を捨ててはいけないわ!」
女性司祭1「む、うううううう」
女性司祭2「私も、もう・・・」
女性司祭2「・・・ううううううう」
女性司祭1「きゃああ!!!」
女性司祭2「きゃああああー」

〇黒
ミレーユ「きゃああ!!」

〇城の廊下
?「!!!!!!!!!!」
ギルバトル・フォルダンテ「いや、いやいや」
ギルバトル・フォルダンテ「まさか王宮ごとバリアを張る日が来るとは」
ギルバトル・フォルダンテ「王宮魔法使いですら手こずるっていうのを、たった半日でしろとは、リアリナ嬢は人使いが荒い」
ミレーユ「ギルバトル様?」
ギルバトル・フォルダンテ「愛するミレーユよ。無事だったかい?」
ミレーユ「え、ええ。はい」
ギルバトル・フォルダンテ「ぜひとも一緒に月の涙でも」
ギルバトル・フォルダンテ「と、お誘いしたいところだが」
ギルバトル・フォルダンテ「もう一つ、終わらせねばならないことがあるのだ」
ギルバトル・フォルダンテ「全てを終えたら、 あなたをじっくりと口説き落としたい」
ミレーユ「・・・ギル様」

〇謁見の間
リアリナ・シャルルド・グレイ「陛下、並びに王妃様へリアリナがご挨拶申し上げます」
国王「頓挫してしまったが深夜の宴、素晴らしかった。褒美になにか遣わそう」
リアリナ・シャルルド・グレイ「ありがたきお言葉でございます」
リアリナ・シャルルド・グレイ「でしたら、私を国外追放してください」
「な!」
リアリナ・シャルルド・グレイ「昨夜の襲撃者は、私を狙ってやってきたものたちでした」
リアリナ・シャルルド・グレイ「そして、私の弟は悪魔に変わり、騎士を襲いました」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「リアリナ! その件に関しては!」
リアリナ・シャルルド・グレイ「グレイ侯爵家の名誉のため、殿下が隠蔽するよう手を回したようですが、」
リアリナ・シャルルド・グレイ「それは必要ございません。 全ての責任を私、リアリナ・シャルルド・グレイが負います」
リアリナ・シャルルド・グレイ「ですから、私を国外追放してください!」
国王「わははは」
リアリナ・シャルルド・グレイ「!!!?」
国王「昨夜の事件、全てそなたの従者であるテオより報告を受けておる」
国王「その言葉に偽りがないのであれば、そなたは被害者である」
国王「よって非を受けるべきは其方ではない」
リアリナ・シャルルド・グレイ「ですが!あれほどの大事を無罪放免というわけにはいきません」
国王「そうであるな。国賓に対しても申し訳が立たぬ。だが、真に罰を受けるものが居ればよい」
リアリナ・シャルルド・グレイ「真に罰を受けるもの?」
パウデマル大司教「や、やめろ! 離せ! 私を誰だと思っているのだ」
パウデマル大司教「へ、陛下!!」
国王「そなたが、この事件の黒幕であると報告を受けておる」
パウデマル大司教「それは何かの間違いです!」
ギルバトル・フォルダンテ「間違い? そういうなら、悪魔の果実を食べさせて、悪魔にした女たちはどうなんだ?」
パウデマル大司教「フォルダンテ公爵??  なぜここにいるのだ!」
ギルバトル・フォルダンテ「おやおや。この俺様がここにいるのは、びっくりって顔だな」
ギルバトル・フォルダンテ「まあそれもそうであるか。越境の地で大人しくしててやったからな」
ギルバトル・フォルダンテ「でもまあ、こうして城のピンチを救うために、たまには力を使うのも悪くない」
パウデマル大司教「く!!!」
国王「ギルよ。他のものにもわかるよう説明せよ」
ギルバトル・フォルダンテ「パウデマル大司教は、場内に悪魔の果実を食べた者を式典にかこつけて侵入させたのです」
ギルバトル・フォルダンテ「その者たちが悪魔に変身すれば人々を襲い、大量虐殺が起きる」
ギルバトル・フォルダンテ「間違いなく甚大な被害が出たことでしょう」
王妃「なんと!! 恐ろしいことを!」
ギルバトル・フォルダンテ「その危機を脱するために、悪魔をこの城から排除するバリアを施しました」
ギルバトル・フォルダンテ「この城の中に放った悪魔の果実を食べた者たちは」

〇牢獄

〇謁見の間
ギルバトル・フォルダンテ「悪魔に変身した途端、檻の中に閉じ込められるようにしてあります」
ギルバトル・フォルダンテ「・・・って、あんた一体どれだけ城の中に潜り込ませたんだ?」
パウデマル大司教「っく!!」
ギルバトル・フォルダンテ「国王、これは立派な国家反逆罪かと」
国王「うむ」
国王「其方は教皇の名を語り、多くの信者たちを騙しては異端教に勧誘していた」
国王「入団しない信者へ悪魔の果実を与え。挙句、」
国王「悪魔の毒を抑制する聖水を渡す代わりに、」
国王「悪行に手を染めさせた」
国王「さらには、我が息子であるスタンとリアリナ嬢との関係を邪魔するために、蛮行を図り」
国王「さらには!!! 城内に混沌を起こそうとした!」
国王「貴様の罪は重いぞ」
パウデマル大司教「そ、それは陛下。誤りであります!!」
パウデマル大司教「全ての行いは教皇が仕組んだもの」
パウデマル大司教「私は関係ございません!」
王妃「教皇が仕組んだのですか」
パウデマル大司教「そうでございます! 悪魔の果実を産む大樹を栽培したのも教皇でございます!」
パウデマル大司教「国家を転覆させようと企てたのも、教皇の意向でございます」
国王「この国の秩序を守るため、ずっと隠しておいたことだが」
国王「教皇はすでに亡くなっておる」
国王「他国での巡業中に悪魔に襲われたのだ」
国王「我が国家が作った兵器により教皇が崩御したことを国民に知らせるわけにはいかず」
国王「教皇は秘密裏に埋葬されたのだ」
パウデマル大司教「!!!」
パウデマル大司教「では、次期教皇は、」
パウデマル大司教「・・・私だったのですか」
国王「そうだ。其方が、教皇の器になるまでは、公にするつもりはなかった」
国王「聖女派などというくだらぬ異教徒を作ることこそが、愚行だったのだ! パウデマル大司教よ!!」
パウデマル大司教「・・・リュカ。全てはグレイ家長男、リュカシャルルドグレイがしたことです!」
パウデマル大司教「私は関係ございません!」
国王「それは、この者たちの前でも同じことが言えるのか?」
新米司祭「大司教様!」
パウデマル大司教「おおお! お前たち! 私が無罪であることを証明してくれ!」
パウデマル大司教「全ては、リュカがしたことだと! 言ってくれ!」
新米司祭「あなたは本当に罪深い人ですね」
パウデマル大司教「なんだと?」
新米司祭「大司教様は、リアリナ嬢とスタン殿下の婚約関係が結ばれたことを知るなり」
新米司祭「幼いリュカ殿へと近づいて、悪魔の果実を植え付けるように指示なさいました」
パウデマル大司教「な! ち、違います!!」
新米司祭「聖水を餌に、リュカ様を奴隷のように扱った」
パウデマル大司教「・・・!」
新米司祭「自ら実の姉に手をかけるよう指示をしたのです」
パウデマル大司教「き、貴様ら! この私を裏切るのか!」
新米司祭「私たちは、リュカ様を慕っておりました」
新米司祭「このようなことをしてしまいましたが、彼の信仰心は純粋で、誰よりも善行を行おうとする」
新米司祭「素晴らしい信者でございました」
新米司祭「我々も、大司教様と一緒に、悪魔に手を貸してしまった罪を償う所存でございます」
パウデマル大司教「き、貴様ら!! 全員、悪魔の餌にしてやる!」
国王「黙れ!!!!」
国王「人を悪魔へと化し、国家陰謀を企んだ貴様らは、もはや畜生以下である!!」
国王「貴様の罪、人として裁かれると思うなよ!」

〇イルミネーションのある通り
リアリナ・シャルルド・グレイ「これで悪役は成敗できて、一件落着ね!」
「リアリナ!」
リアリナ・シャルルド・グレイ「殿下、どうしたのです?」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「そなたに、渡さなくてはならないものがある」
リアリナ・シャルルド・グレイ「何かしら?」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「私とリアリナの婚約の破棄を申し出る書類だ」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「本日、国王の前で宣言する予定であった」
リアリナ・シャルルド・グレイ「宣言できなくて、残念だったわね」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「いや・・・ もうこれは必要ない」
リアリナ・シャルルド・グレイ「何をしているの!!!!」

〇黒
  ──

ページTOPへ