2 高校生ロボット 後編(脚本)
〇おしゃれなリビングダイニング
数時間後。
白川さゆり「お待たせしました!」
田中太郎「おぉ!相変わらず良い感じだね!」
田中光太郎「んじゃあ親父、俺は自分の部屋行ってるから、何かあったら呼んでね・・・」
白川さゆり「相変わらず一緒に食べないんですね・・・」
田中太郎「そりゃ叶うなら一緒に食べたいよ・・・」
田中太郎「でも普通の食事してる時にオイルの臭い嗅がされるのは・・・」
白川さゆり「あぁ・・・」
田中太郎「ま、それもこれも全部原因俺だからね・・・イチイチ気にされても困る・・・」
白川さゆり「あ、あははは・・・」
白川さゆり「あ、田中さん、前から聞きたかったんですけど・・・」
田中太郎「ん?どうしたの?」
白川さゆり「田中さんって光太郎のお父さんって認識であってるんですよね?」
田中太郎「あぁ、住民票や戸籍標本だってあるからね・・・」
白川さゆり「私も最初驚きましたが、どうしてそんなに小さい身体なんです?もう30代なんですよね?」
田中太郎「・・・まぁ、簡潔に言うと、俺小1の頃に交通事故にあってね・・・余程当たりどころ悪かったのか、」
田中太郎「その日からずっとこの身体のままでさ・・・医者にも言われて、俺大人の身体になれないって・・・」
白川さゆり「え、えぇ!?その後どうしてたんです!?」
田中太郎「そりゃ苦労したよ・・・高校生にこそなったけどこの身体のせいで誂われるし、就職するにしても子供扱いされるし、」
田中太郎「何より守ってくれる親もいつかいなくなる訳だからもう散々だったよ・・・」
田中太郎「でも、良くネットの広告で投資がどうとかって話も耳にしてね・・・詐欺の疑いとかもあるから親とかに良く相談したりして」
田中太郎「やって見たんだけどさ、ここで諦めたら自殺しようとも思ったけど、やって見たい事もあったから頑張った訳で、」
田中太郎「それでやっと安定した生活送れる様になったんだ・・・」
白川さゆり「・・・私には上手く言えませんが、相当苦労なされたんですね・・・何か、将来の夢とかありましたか?」
田中太郎「そりゃあったよ・・・俺エンジニアになるのが夢で、学校とかでも毎日鍛えてたけど、この身体だから誰も分かってくれなくて・・・」
田中太郎「後は、恋愛も結婚もして見たくて、強いて言えば子供が欲しかったんだ・・・まぁ相手がいないから叶わなかったけど・・・」
白川さゆり「なるほど、だからロボットである光太郎を・・・」
田中太郎「まぁそうだね・・・AIの勉強もしてたし、あのタイプは夏目工房の設立初期からあったプロトタイプでさ・・・」
田中太郎「今でこそ封印されてたってのもあったから、俺が投資で稼いでた金で買い取って、独自に改造した訳だからね・・・」
田中太郎「只、どこか抜けてるんだよね・・・ロボなのに・・・」
白川さゆり「あ、あはは・・・まぁ、ロボットにも色々いるって事ですよね・・・」
田中光太郎「親父〜、補給終わったぜ〜・・・」
田中太郎「あ、戻って来たか・・・俺らもう直ぐ食事終わるから、少し休んだらまたさゆりちゃん送ってやれよ?」
田中光太郎「あぁ、そのつもりだよ・・・」
白川さゆり「ありがとうおじさん・・・光太郎、後で宜しくね・・・」
それから、太郎達が食事を終わらせた後、後片付けをして光太郎はさゆりを送り届けるのだった。