イケメン王子は悪女がお好き

ルーデンス

第七話 息子ハインリッヒ(脚本)

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〇謁見の間
シャルリ夫人「(重苦しい顔で何度もため息をつく)ハァ息子の教育係がまた辞めてしまった」
ハインリッヒ「(満面の笑みを浮かべ)お母様お早うございます」
シャルリ夫人「勉強の方はどう?ハインリッヒ」
ハインリッヒ「ご心配なく順調です」
シャルリ夫人「(書類をハインリッヒに手渡して)ウソおっしゃい」
ハインリッヒ「あぁまた辞められたんですか。私と合いませんでしたからね。仕方ありません」
シャルリ夫人「成績だって最悪でしょ。こんな事で世継ぎにはなれませんよ」
ハインリッヒ「世継ぎはお兄様がいらっしゃるじゃないですか」
シャルリ夫人「(キッと眉を怒らせる)先妻の息子を世継ぎとは認めません」
ハインリッヒ「そうだ友人とこれから狩りに行って来ます」
シャルリ夫人(もう、母の気持ちも知らないで)
シャルリ夫人(何かいい手立ては・・・)
キャロライン「お早うございますシャルリ夫人」
シャルリ夫人「・・・・・・」
キャロライン「(不安そうにシャルリ夫人の顔を覗き見る)大丈夫ですか?」
シャルリ夫人「あっ、私とした事が・・・おはよう」
キャロライン「何かご心配事でも?」
シャルリ夫人「そうだ、アナタ息子の教育係をして頂戴」
キャロライン「私でよろしいのでしょうか?」
シャルリ夫人「次の教育係が見つかるまでの間だけよ心配はないわ」
キャロライン(しめた、これで義母との関係が修復できるわ)
キャロライン「ハイ喜んで」
シャルリ夫人「じゃ頼むわね」

〇川沿いの原っぱ
アンジェラ「(満更でもない)もうハインリッヒったら・・・何回すれば気が済むの?」
ハインリッヒ「ハハハ、君となら何回でも出来るぜ」
アンジェラ「あぁ、ハインリッヒ大好きよ」
???「ハインリッヒ様~!!」
ハインリッヒ「ウン、また逢おうぜ」
アンジェラ「きっとね、明日」
ハインリッヒ(あぁ今日も一日楽しかった)
キャロライン「ハインリッヒ様」
ハインリッヒ「これはキャロライン様そんな急いでどうされました?」
キャロライン「この度義母様より教育係を仰せつかりまして」
ハインリッヒ「そうなんだよろしくね」
キャロライン「明日は朝から授業を致しますのでお部屋に来て下さいね」
ハインリッヒ「ハイハイ分かりました」
ハインリッヒ「で、教える人はどんな人?」
キャロライン「ですから私が」
ハインリッヒ「僕としてはもう少し若い人それも未婚がいいな」
キャロライン「どうしてでしょう」
ハインリッヒ「恋人関係になれるかと思うと勉強に身が入りやすいしさ」
キャロライン「ではエリザベスをご学友として学ばせましょうか」
ハインリッヒ「ウーン、エリザベスねぇ、彼女エルフじゃん」
キャロライン「ですが聡明で性格が明るいですし」
ハインリッヒ「母が人質としてゆくゆくは処刑するつもりのエルフですよね」
キャロライン「えっ、そうなんですか?」
ハインリッヒ「処刑された時辛い思いをするのはゴメンだね」
キャロライン「その時はお母さまに命乞いをしてはいかがでしょ」
ハインリッヒ「とにかく、一緒に学ぶのはパス」
キャロライン「判りました、では私とマンツーマンで」
ハインリッヒ「判りました」

〇城の回廊
キャロライン「ハインリッヒ様ー」
キャロライン「勉強のお時間ですのにどこへ」
キャロライン「あっエリザベス、ハインリッヒ様を見かけなかった?」
エリザベス「ハインリッヒなら朝早く町に出て行きましたけど」
キャロライン「何ですって!!」
付き人1「お早うございますキャロライン様」
キャロライン「そうだアナタ町に行ってハインリッヒ様を連れ戻してきて」
付き人1「ハインリッヒ様は町で女漁りでしょうから連れ戻すのは無理です」
キャロライン「困ったわね・・・」
エリザベス「彼が勉強するには美人の未婚女性が必要よ」
キャロライン「(ジッと付き人を見詰める)アナタ・・・」
付き人1「無理ですよ私なんかあんな傲慢で女たらしの男誰が・・・」
キャロライン「困ったわねぇ」

〇謁見の間
シャルリ夫人「遠路はるばるご苦労様アグネス姫」
アグネス姫「どう致しまして、御姉様は息災ですの?」
シャルリ夫人「あぁ、あのじゃじゃ馬・・・じゃなく義理の息子の嫁として健気にしてますわ」
キャロライン「待て、ハインリッヒ」
シャルリ夫人「噂をすれば・・・」
キャロライン「あっ、シャルリ夫人 ハインリッヒ様を見ませんでしたか?」
アグネス姫「御姉様・・・」
キャロライン「おぉ、アグネス元気だったか」
アグネス姫「ハイ、御姉様こそアレクサンダー様と上手くいってますの?」
キャロライン「アレクサンダーは戦地(小声で)意地悪な義母の差し金でな、お陰で子がまだできないのよ」
シャルリ夫人「キャロライン口を慎みなさい」
アグネス姫「まっ、その内出来ますわ」
キャロライン「あっ、ハインリッヒ待てー」
シャルリ夫人「どうもハインリッヒの家庭教師は無理みたいじゃの・・・」
ハインリッヒ「お母様、お早うございます」
ハインリッヒ「あれ、この女性は?」
シャルリ夫人「隣の公爵家当主であるアグネス姫、アレクサンダーの嫁の妹君です」
ハインリッヒ「(潤んだ眼差しでじっと見つめる)ハインリッヒと申します・・・少しお話でも(アグネスの手を取る)私の部屋に・・・」
シャルリ夫人「ハインリッヒ、町娘ではありませんよ」
ハインリッヒ「いやそんな・・・(ハッと思い付きがひらめく)そ、そうだ家庭教師役を依頼しようかと」
シャルリ夫人(家庭教師として我が家に入ればアレクサンダーと復縁し、公爵家を乗っ取れるわ)
シャルリ夫人「おぉそれはいい考え、どうです姫」
アグネス姫「はいよろしければ」
シャルリ夫人「ならばよろしくな、アグネス姫」
シャルリ夫人「よし、これがうまく行けば公爵家を乗っ取り先妻の息子であるアレクサンダーを処刑できるわ」
付き人2「アレクサンダー様がご帰還されました」
シャルリ夫人「よし通しなさい」
アレクサンダー王子「シャルリ夫人ただいま戻りました」
シャルリ夫人「他人行儀な母上で構わぬアレクサンダー」
アレクサンダー王子「はっ、勿体なきお言葉」
シャルリ夫人「そうじゃ、報告は私の部屋で聞くとしよう」
アレクサンダー王子「ハッハ」
アグネス姫「何か御用ですの」
シャルリ夫人「あぁアグネス姫、教育内容の事で渡したい物があるから私の部屋に来てくれないかしら」
アグネス姫「わかりました」
シャルリ夫人(フフフ、これでアレクサンダーと引き合わせアレクサンダーが浮気をすればあのじゃじゃ馬も怒って離縁するだろうし・・・)

次のエピソード:第八話 シャルリ夫人の策略

コメント

  • 宮廷をめぐるシャルリ夫人の陰謀が、
    次々と放たれますね。
    果たしてキャロラインはどう解決していくのか?
    豊富な物語のエピソードがあって楽しいですね!
    気が向いたら、また私のも読みに来てください。
    お互い切磋琢磨いたしましょう!

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