1 高校生ロボット 前編(脚本)
〇おしゃれなリビングダイニング
「あ〜やべっ!今日俺日直なの忘れてた!早くしなきゃ!!」
田中光太郎「やべ〜!早くしないと!」
田中太郎「朝から煩いなぁ・・・何してんだよ光太郎?」
田中光太郎「あぁ親父!今日俺日直だったのすっかり忘れててさぁ!」
田中太郎「えぇ?データのバックアップは昨日確りやっただろ?何でそう言う約束事忘れるのさ?」
田中光太郎「俺が聞きたいよ!とにかく!もう行かないと遅刻するからさ!行って来るよ!」
このロボットの名前は田中光太郎。夏目高校の1年生だ。彼は田中太郎が夏目工房からロボットを買って独自の改造を施し、
一学生として生活していた。そしてこの田中太郎は光太郎の実の父親と言う立場だが、こう見えて30歳であり、
現在は投資家として収入を得ながら、自身の好きな物作りに精を出していた。
〇通学路
田中光太郎「あ〜遅刻だ遅刻!あいつら俺の事で変に怒って無いかなぁ・・・」
田中光太郎「んげ!あの車凄いスピードで迫って来る!こっちだって急いでるってのに・・・って、」
田中光太郎「うわぁぁぁぁ!!!」
減速しない車を前に、光太郎は守りの体制に入り、
田中光太郎「や、やべぇ、思わず放り投げちゃったよ・・・親父に怒られちまうぜ・・・」
運転手「ちょっとあんた、どうしてくれるんだ?」
田中光太郎「え?何だよおっさん?」
運転手「何だよ・・・じゃ無いだろ!!ワシの車木っ端微塵にして、どうしてくれるんじゃ!!何であの時自分から止まる事をしなかった!?」
田中光太郎「えぇ!?そんな事言われたって、歩行者優先が運転手の基礎だろ?あんたそんな事も知らない訳!?」
運転手「黙らんかい!ワシは今日大事な打ち合わせがあって寝坊したから急いでたってのに、」
運転手「お前なんかがいて道を譲ってくれなかったから・・・って、」
運転手「あいたたたた!!」
田中光太郎「あぁ!おっさん怪我してるじゃ無いか!誰にやられた・・・って、俺か・・・あぁ仕方無い・・・」
光太郎は自分の中にある電話機能を使う。
田中光太郎「あ!もしもし?救急車お願いします!場所はですね・・・」
自分の中にあった電話機能で救急車と警察を呼び、やむなく現状を説明する事に。光太郎が車を投げ飛ばした事もあり、
警察に厳重注意を呼び掛けられたのは言うまでも無かった。
〇教室
数時間後。
田中光太郎「や、やっと着いた・・・」
マルコシアス先生「漸く来たか田中・・・」
田中光太郎「んげ!マルコシアス先生!!」
マルコシアス先生「警察から電話があって色々と聞かせて貰った・・・お前、日直の仕事を忘れて急いでる道中、他所の車を投げ飛ばしたんだってな??」
田中光太郎「だだ!だってしょうが無いでしょ!?俺だって思い出すのに時間掛かったし!親父も呼ばなきゃで色々大変で!!」
マルコシアス先生「ええい!言い訳するな!社会に出たら言い訳なぞ通用しないと思え!俺はこれから色々と対応して来る!」
マルコシアス先生「お前には放課後に居残りして貰うから忘れるなよ?」
田中光太郎「は、はい!!」
田中光太郎「あぁ、さっき警察や親父にも怒られたばっかだから、流石に凹む・・・」
白川さゆり「あぁ!光太郎やっと来た!」
田中光太郎「あ、さゆりと委員長・・・すまねぇ、日直の仕事サボっちまった・・・」
浅木海斗「そんな事は良いですよ!怪我とかしませんでしたか!?車投げ飛ばしたって聞いた時は何事かと思いましたよ!!」
田中光太郎「いやぁすまねぇ、慌ててたから状況の整理が上手く出来なくて・・・警察とかにこっ酷く怒られたよ・・・」
白川さゆり「よ、良かったぁ・・・このまま来なかったらどうしようかと思ったよ・・・」
田中光太郎「あぁ、マジで心配掛けた・・・居残りとかするけど、もう大丈夫だ・・・」
クラスの仲間に心配されながらも、光太郎は授業を受ける事に。
〇大きな木のある校舎
数時間後。
田中光太郎「あぁ、やっと終わった・・・」
白川さゆり「お疲れ様、随分時間掛かったわね・・・」
田中光太郎「あれ?さゆり・・・帰ってたんじゃ無いのか?」
白川さゆり「何言ってるのよ?今日も光太郎のお父さんの所でご飯作る約束じゃん・・・」
田中光太郎「あ、そう言えばそうだったな・・・取り合えず早く行こうぜ・・・」
〇おしゃれなリビングダイニング
田中光太郎「親父〜、ただいま〜・・・」
田中太郎「お帰り光太郎・・・っと、さゆりちゃん、来てくれたんだね・・・」
白川さゆり「はい!今日もご飯作りに来ました!」
田中光太郎「なぁ親父、何か随分疲れた顔して無いか?」
田中太郎「あのなぁ・・・全ての元凶はお前だろ?あの後の後始末凄く大変だったんだからな!!」
田中光太郎「え、えぇ!?」
田中太郎「壊した車!怪我した人の医療費、その他諸々!幾ら俺が投資で稼いでるからってなぁ!金ってのは無限じゃ無いんだ!」
田中太郎「学校行かすのだって只じゃ無いんだぞ!!」
田中光太郎「わわ!マジごめん!なら俺もバイトするからさ!!」
田中太郎「何処にロボットを雇うバイトがあるんだよ!?お前じゃ色々限られるだろ!!」
白川さゆり「ま、まぁまぁまぁ!もうなってしまった物はどうにもならないじゃ無いですか!またやり直しましょう!ね!ね!?」
田中太郎「・・・年下にそう言われたら面目丸潰れだな・・・ちょっと大人気なかったよ・・・」
白川さゆり「あ、あはは・・・と、とにかくご飯作って来ますね!」
田中太郎「・・・んで、今日はどうだった?」
田中光太郎「あぁ、もう親父の言う通りだよ・・・俺が車投げたせいで先生にもこっ酷く怒られてな・・・」
田中光太郎「何より、遅刻したせいもあって居残りも大変で・・・」
田中太郎「そりゃそうだ・・・今後こう言う事が無い様に確りやってくれよ?金が無くなったら、もう学校に行くどころか、」
田中太郎「俺も生活出来なくなるし、お前の燃料も買えなくなるからな・・・」
田中光太郎「うげ、マジで気を付けるよ・・・」