第三部『フィナーレ!そして素敵にサプライズ!』(脚本)
〇劇場の舞台
音哉「こんにちは」
ヤブニラミ「え?だから誰?」
音哉「音楽プロデューサーの音哉です」
ヤブニラミ「ああ、なんかいたわねそういう人」
天パ「すみません。もう僕達の感覚が麻痺してて いきなり普通の人が出て来たんで リアクションに困り始めてるんです」
音哉「いいですよ全然」
ヤブニラミ「それにしても何だかその・・・」
ヤブニラミ「お顔に違和感が・・・」
音哉「はい!整形しました!」
天パ「もしくは作品数が多すぎて、 どうやってキャラメイクしたか 忘れちゃったとか?」
音哉「失礼な! 今リライトするならこういうキャラに したいという、たゆまぬ挑戦心の現れです」
音哉「もしくはあえて訂正せずに ノリと勢いを優先する ゆ〇た〇ご先生メソッドです!」
「あー!プ〇プ〇マンみたいなもんね!」
音哉「誰が〇リ〇リマンだ!」
ヤブニラミ「あと、音哉さん。 今どうして私達と会話出来てるんです?」
天パ「確かあなたって耳が・・・」
音哉「それも〇で〇ま〇メソッド! そろそろCMいいですかね?」
「は、はりきってどうぞ~」
音哉「僕が主役やらせてもらってる 『タッドポウル』 地味ですがなかなかの実験作です」
音哉「是非ご覧ください」
七三「見たかね二人とも。 これが正しいCMと言うものだ」
七三「誰に振りむかれずともいつも誠実でいる。 これこそ創作活動の理想形ではないか。 我々も猛省するとしよう」
(全作品中一番言われたくない奴に 説教かまされてもな・・・)
七三「さあ、もう一作地味な・・・ もとい地に足のついた作品をご紹介します」
海斗「こんにちは。救命王子より参りました」
海斗「ひと夏の海を舞台に、心に傷を負った ライフセイバーの葛藤の物語です。 宜しくお願い致します」
七三「これーーーーーーー!」
七三「こういうのこういうの! 最後になってようやく宣伝大会らしく なってきたじゃない!」
七三「え?コツ掴んじゃった?」
七三「それでは私も 司会者らしく振舞おうじゃないか」
七三「長編短編超ショート。 手広くやってる作品群の中で 特に注目すべきが歴史シリーズです」
七三「主に日本史をモチーフとした作品を、 ここでご紹介しましょう」
〇地図
『老いたる剣豪宮本武蔵が島原は五重の城の最上階で見た救世主とは?』
『四郎遊戯』
『将軍家剣術指南シンカゲ家。幼き当主に定められた過酷な運命とは?』
『シンカゲ』
『秀吉の狂気を止めよ!豊臣随一の知恵者石田治部は果たして佞臣か忠臣か?』
『太閤要介護・惨』
『源平合戦の幕引はその男の護送という、短く数奇な旅によって行われる』
『鷹と朱雀或いは犬と豚のはなし』
『言行を顧みず志に突き進む。即ち狂』
『奇兵隊の英雄高杉晋作を待つ二人の男、狂介と武人。その友情の果てに待つ維新。それは奇兵隊異聞』
『MAD・AGE』
???「あの~滾りまくってるところすみません」
???「ちょっといいですかね~」
〇劇場の舞台
七三「な、なんすか?」
七三「てか、顔見せて下さいよ。 CMになんないでしょ」
???「我々、ネタバレ厳禁なんです」
七三「確か逢いたくて770のアベックでしょ?」
???「アベックとかカップルとか、 そういうのも言わないで欲しいんです」
???「泣けるラブストーリーなんです 新鮮な気持ちで読んで欲しいんです」
???「世界観も最初のワンシーンから ビックリしてほしいのじゃ!」
七三「のじゃ?」
???「ひ、姫!落ち着いて!」
七三「姫?」
「・・・」
「閲覧待ってまーす」
???「ちょ、超ウケる~」
???「な、ナウい~」
七三「・・・なんだそれ」
「おじさん」
ユキヲ「おじさんってば」
七三「誰がおじさんじゃい」
ユキヲ「謎の作品なら僕も紹介してほしいな」
七三「げえっ!孔明!」
ユキヲ「孔明じゃないです」
天パ「き、君はもしや。60作品中一番の問題作」
七三「さすがの我々もそのエグい描写に ドン引きしてしまうほどの少年じゃないか」
ユキヲ「いやだなー。 新しい表現はこれくらいやらないと。 毒にも薬にもならない、道徳の授業 みたいな眠たいお話ばっか作って」
ユキヲ「そういう作品ってクソじゃん」
ヤブニラミ「なんか顔のわりにトゲのある子ね」
七三「女性は読まない方がいいお話だ。 っていうか逃げたまえ」
ユキヲ「そういうお姉さんも個性的なわりに いい匂いがするね」
ユキヲ「いつか、もっと嗅がせてよ」
ヤブニラミ「何だかツッコミで消化できない 空気感があるわね」
七三「LittleIncubus 全く、宣伝したいような したくないような作品だ」
七三「さあタイパの時代。 時間も限られております。 残りの宣伝参りましょう」
天パ「そうですね。 今一番ノリそうな作品といえば」
ヤブニラミ「『CALL~連続復活事件~』だな」
天パ「これは中編ながらゾンビジャンルに 現在の高度延命問題をそこはかとなく 感じさせる新感覚ドラマで・・・」
七三「イヤだ。宣伝したげない」
天パ「また始まった」
ヤブニラミ「嫉妬しないと生きていけんのかお前は」
七三「和泉!小角! そもそもこの企画の意図を思い出せ!」
七三「スクロールの下の方で見向きもされない 旧作を再度浮上させるCM大会だろう!」
七三「コールだかコーラだか ファンタだか知らんが、 一番上でふんぞり返ってる新作に 宣伝なんぞ不要だと思わないかい?」
七三「だったら彼のように黎明期を支えた物語をもっと手厚く紹介してだね・・・」
「・・・」
七三「・・・お、お前は」
七三「付喪神かーーーーッ!」
天パ「ど、どうしました!」
七三「こ、こいつは甲級禍異物だ! 紛れもなく 『鏡』の付喪神に違いない!」
七三「相手と同じ力を持つ非常に厄介な敵だ!」
七三「ゆくぞ和泉君!ツーマンセルだ!」
天パ「承知!」
七三「警備違士青龍部隊付対魔士九十九昭!」
天パ「同青龍部隊警備違士和泉成!」
「いざ!推して参る!」
ヤブニラミ「違うんじゃない?」
「だろうな」
〇雨の歓楽街
『彼は愛を感じない』
『彼は痛みを感じない』
『彼は生を感じない』
『なぜなら・・・ゾンビだから』
『殴られ屋』
1発1000円。
あなたのパンチを受け止めます。
『無痛症の青年武藤がある日出会った一人の寂しきストリッパー』
『女神と揶揄される場末の女マリア』
『その激しい生き様が屍と化した武藤に、
愛を・・・痛みを・・・人生を甦らせる』
『場末のZ』
〇劇場の舞台
七三「え~。全三回、お忙しい中、 長々お付き合い頂き有難うございました」
七三「ここでCM大会は一旦お開きになります」
七三「しかあし! 今まで紹介した作品は、 ほんの一部に過ぎません!」
七三「サクッと読めるORESTORY。 コントタッチな 天空の二人やマイセコンド、BX」
七三「不思議で不気味なESCALATION。 ラスト1タップの回答、 Margaret。 ド直球ハートフルな赤点爺、ある日の春」
七三「そして第一作目にしてシュールな実験作、 観光資源怪獣マボーなど。 全作品手ぐすね引いて皆様の御拝読を お待ちしております」
七三「是非今後とも宜しくお願い申し上げます」
七三「それでは最後に和泉成より改めて、 全60作品全てのあらすじと登場人物と 見どころの説明を詳細かつ克明に・・・」
天パ「出来るかああああッ!」
ヤブニラミ「すまんな。消灯だ」
〇黒
「・・・え?」
『これにて終演でございます』
『最後にもう一作、お付き合い下さい』
〇怪しげな祭祀場
妖怪。それは心を病んだ者が作り出すアヤカシ。
魔法。それは心を救うマヤカシ。
これはアヤカシとマヤカシに満ちた平安の物語。
そしてアヤカシとマヤカシを操る男の物語。
芦屋飛蝗「臨・兵・闘・者・皆・陣」
芦屋飛蝗「陣・・・陣・・・」
芦屋飛蝗「ええと、陣、兵、闘、者」
芦屋飛蝗「戻ってる戻ってる!」
芦屋飛蝗「臨、兵、闘、者、辰、巳、馬、羊、猿」
芦屋飛蝗「いや猿違う!サル絶対違う!」
芦屋飛蝗「・・・」
芦屋飛蝗「あと何だっけ?」
『妖欺~アヤカシマヤカシ~』
2026年初春連載開始(予定)