AI食堂

夏目心 KOKORONATSUME

9 努力が勝つか、AIが勝つか(脚本)

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〇居酒屋のカウンター
  楽達と対話した日から1週間。楽はあの日の翌日に直ぐ前の店を出て俺の元に来た。そこからは俺が
  育美ちゃんと楽を鍛えていた。
安藤楽「ど、どうだ?」
榊原冬弥「はむ・・・」
中村育美「き、今日こそは・・・」
榊原冬弥「う〜ん・・・」
榊原冬弥「2人共不合格・・・」
安藤楽「んな!マジか!」
中村育美「あの、今回は何処が駄目だったんです!?」
榊原冬弥「楽はブランクの影響もあるってのもあるから感覚を忘れてるな・・・このチャーハン火の通しが良く無い・・・」
榊原冬弥「育美ちゃんの天ぷら蕎麦はまだやり切れて無いし、まだ味付けの所に問題がある・・・初めて食った時よりは」
榊原冬弥「少しマシになったとは思うけど・・・」
安藤楽「くぅ・・・分かっちゃいたけどここまで酷いとはな・・・当日まで間に合うかな・・・」
中村育美「う〜ん、あたしももっと頑張らないと・・・」
榊原冬弥「・・・2人共そんな気を落とすな・・・失敗したらその後が大事だ・・・最後まで諦めなかった奴が勝つのは、」
榊原冬弥「昔から変わって無いからな・・・」
安藤楽「・・・は、はは!そう言われたらカッコ悪い所見せられねぇじゃねぇか!見てろよ冬弥!絶対お前に追い付いて、」
安藤楽「今度は俺が厨房独占してやるからな!」
中村育美「あたしもです!絶対あたし達で独立しましょうね!」
  そうだ、俺達は最近、この店を出てまた企業すると言う目標が出来たのだ。その為に俺は2人の料理修行に付き合っているのだった。
安藤楽「なぁ冬弥、一つ気になってたんだが・・・」
榊原冬弥「ん?どうした?」
安藤楽「育美ちゃん最初の頃より少しマシとか言ってたが、どんな感じだったんだ?」
中村育美「え!?ちょま!!」
榊原冬弥「あっはは!あの時本当信じられなくてさぁ!塩一杯を塩いっぱいと勘違いしててさ!」
中村育美「わー!わー!もうそれ恥ずかしいから言わないでぇ!!」
安藤楽「おいおいマジかよ!本当に料理した事無いと言うか、それ以前の問題じゃねぇか!」
中村育美「もう!笑わないで下さいよ!!」
中村俊博「よぉ、まだまだ先は長そうだな・・・」
榊原冬弥「あ、俊博さん・・・」
中村育美「父さん、腕の方は大丈夫?」
中村俊博「あぁ!リハビリの甲斐もあって明日から復帰出来そうだ!」
中村育美「・・・!良かったぁ!」
中村俊博「しかしまぁ、育美本当良かったのか?市役所辞めて冬弥達と仕事するって・・・」
中村育美「・・・父さん、あたしはもう迷って無いわ・・・料理するの楽しいし、何より冬弥さんのお陰で今のあたし達がいるから・・・」
中村育美「あたしもいつか冬弥さん達に追い付いて、今度はあたしが冬弥さんを助けたいって思うから・・・」
中村俊博「・・・そう言われたら応援するしかねぇな・・・冬弥がいなかったら、俺ら今頃路頭に迷ってたかもな・・・」
中村俊博「お前さんには感謝してもし切れねぇ!独立するの楽しみにしてるからよ!困った事があれば言ってくれよ!」
榊原冬弥「俊博さんもね・・・」
中村俊博「ははは!まだまだ若いのには負けねぇよ!」
中村育美「冬弥さん・・・」
榊原冬弥「ん?育美ちゃん?」
中村育美「改めてありがとうございました・・・冬弥さんのお陰で、あたしも色んな物が見える様になりましたし、」
中村育美「あたしも父も助けられました・・・あたしはまだまだですが、これからも宜しくお願いします・・・」
榊原冬弥「あぁ、そのつもりだ・・・」
中村育美「あの、冬弥さん・・・いつかあたしが一人前って呼ばれる様になったら・・・」
榊原冬弥「え?何だい?」
中村育美「えっと、その時言いますね!」
  俺達の行く先にゴールは無い。今ある問題を解決したら、また新しい問題に立ち会う事になるが、
  それら全てを乗り越えれば、俺達はまた先へ行けると思う。やがて、俺達が企業して仕事が上手く行った所で、
  育美ちゃんから気持ちを打ち明けられる事になるのは別の話だ。

〇広い厨房
  3ヶ月後、香織はと言うと。
雨宮香織「し、信じられない!こんなに宣伝もしてるのに!レシピだって一流の物を使ってるのに、何でお客さんが1人も来ないの!?」
雨宮香織「AIよ?優秀なのよ!?一体何が行けないのよ!?」
  あれから香織は1人で店を切り盛りしていたが、仕事は全く上手く行っておらず、悪戦苦闘していた。
雨宮香織「えぇ?広告の仕方が悪いの?それともやっぱり自力で料理しないと駄目なの??」
雨宮香織「冗談じゃ無いわよ!折角ここまで来たのに!!」
借金取り「雨宮香織さんですね?」
雨宮香織「あ、あなたは!?」
借金取り「約束の日です・・・今月分の家賃、払って貰いますよ?」
雨宮香織「ま、待って下さい!私今持ち合わせが無くて、明日中には必ず!」
借金取り「それ、もう何回目ですか?」
雨宮香織「いや、あの、その・・・」
借金取り「我々も遊びでやってる訳じゃありません・・・1人でお店を構えるのは立派な事ですが、利益が出せなければ意味が無い・・・」
借金取り「このまま払えないと言うのなら、我々が良い仕事を知ってますので、それを紹介しようと思いますが・・・」
雨宮香織「だ、大丈夫!絶対!絶対なんとかしますから!!」
借金取り「・・・分かりました・・・では、いつでも仕事を紹介出来る様に致します・・・」
雨宮香織「・・・・・・」
雨宮香織「ロボットは優秀!ロボットは優秀なのよ!」
雨宮香織「誰か!誰か分かってよぉ!!!」
  香織の叫びは虚しく響き、それが誰かに届く事は無かった。やがて、約束の日になっても家賃が払えず、
  香織は何処かへ連れてかれたと言う事を、俺達が知る事は無かった。
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コメント

  • 読了しました。
    AIの導入で存在意義を失った冬弥が、中村親子と出会い、友人である楽と和解した事で新たな道を切り開けたのが良かったです。☺️

    それとは逆に、AIを頼りにした香織が1人ぼっちになって借金まみれ。本当に救いようのない女。😮‍💨
    強いて言えば外見がまたもや黒髪ボブの立ち絵なので、いつも通り面倒な女だってバレバレです。

    1Tapごとの文章の量を減らせば、より読みやすくなりますよ。

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