〇役所のオフィス
　　お昼休憩。
内山遊戯「教え方はあんな感じ・・・子供が間違えたりしたら次は頑張ろうって感じで、ちゃんと出来た時は良く出来ましたって感じで」
内山遊戯「応えて上げて・・・」
春野翼「分かりました！」
内山遊戯「さて、後で分からない事があれば聞いてね・・・」
春野翼「さて、あたし達もお昼にしようか・・・」
松山春樹「あぁ、そうだな・・・」

〇幼稚園の教室
　　昼食を取って直ぐ、俺は園児達の所に戻る。
松山春樹「・・・・・・」
大鳥秀樹「待てよ一馬〜!!」
一条一馬「へへへ！捕まえて見せろよ！」
大鳥秀樹「逃がすかぁ!!」
三島真紀子「ちょっと２人共！お部屋の中で走らないでよ！誰かにぶつかっちゃうよ!!」
一条一馬「大丈夫だって！」
大鳥秀樹「待て〜!!」
三島真紀子「あぁ！ちょっと待ちなさ〜い！」
松山春樹「（あの子は、いないのか？）」
赤木桜「あ！春樹さん戻って来たんだね！」
松山春樹「あ、君は桜ちゃんか・・・ちょっと捜してる子がいるんだけどさ・・・」
赤木桜「え？誰か捜してるの？」
松山春樹「昭雄君って子なんだけど、何か知らない？」
赤木桜「昭雄君？そう言えば見当たらないな・・・」
松山春樹「え？見て無いのかい？」
赤木桜「うん・・・さっきまでいたんだけどね・・・」
松山春樹「・・・分かった・・・教えてくれてありがとう・・・」
赤木桜「・・・！うん！」
松山春樹「・・・さて、何処を捜そうか・・・」

〇幼稚園
松山春樹「さて、何処に行ったのかな？」
松山春樹「ん？この音は・・・」
　　外に出て直ぐ、近くで大きめの音が聞こえたので早速調べる事に。
小島昭雄「くそ！何でだよ！何でなんだよぉ!!」
松山春樹「あぁ、やっと見つけた・・・」
小島昭雄「あん？お前・・・!!」
松山春樹「やぁ、今日は調子悪そうだったな・・・問題の答えも先を越されたり、ドッジボールも直ぐにやられちゃって・・・」
小島昭雄「何だよ！俺の事馬鹿にしに来たのか？」
松山春樹「そうだけど何か？」
小島昭雄「馬鹿にするな!!俺のパパは会社の社長で、その子供の俺に出来ない事は何も無いんだ！もう１回一馬達と勝負して、」
小島昭雄「今度こそ俺の凄さを見せてお前に謝らせてやる!!」
松山春樹「・・・また負けると思うぞ？」
小島昭雄「はぁ!?」
松山春樹「このままやって一馬君や優君に勝てるのか？俺はそうは思わないな・・・」
小島昭雄「そ、そんな事！俺はお金持ちで強いんだぜ!!」
松山春樹「そうか？その割には凄く弱そうだけど・・・」
小島昭雄「お前ぇぇ!!何処まで俺の事馬鹿にするんだよ!!」
松山春樹「したくもなるさ・・・だって俺も、今の昭雄君見たいに凄く弱かったから・・・」
小島昭雄「え？」
松山春樹「てか皆そうだよ・・・皆が皆最初から金持ちな訳じゃ無かったんだ・・・そもそも君のパパが金持ちなのは、」
松山春樹「君のパパが頑張ったからだよ・・・」
小島昭雄「・・・どう言う事？お前、本当に弱かったのか？」
松山春樹「あぁ、弱かった・・・俺も、一緒に来たお姉ちゃんもな・・・」
小島昭雄「・・・・・・」
松山春樹「俺も昔幼稚園に行ってたんだ・・・その時の俺凄く我儘でさ・・・幼稚園バスに乗りたいだの、あれも欲しい、これも欲しいだ、」
松山春樹「親にも友達にも迷惑ばっか掛けてさ・・・それで良く怒らせたり喧嘩したりもしたんだ・・・」
松山春樹「そんな我儘でどうしようも無い俺も、今じゃ高校生やって将来に向けて幼稚園の実習に来ててさ・・・」
松山春樹「昔じゃそんなの考えられなかったよ・・・今にして思えば、受験とか今やれる事頑張って良かったって時折思う事もあるよ・・・」
松山春樹「そりゃ折れそうになった事も何度もあったけどさ・・・今でもそうさ・・・」