黄泉帰ル(脚本)
〇オフィスのフロア
S県警捜査一課
織田課長「そうだ。対策でなく、対処」
織田課長「君もこの言葉の意味を、 そのまま正確に把握したまえ」
斯波「・・・」
織田課長「まあ、私にも思う所はある」
織田課長「我々凡俗には中々理解出来ない職務 だからこその『対処』係なんだろう」
織田課長「とりあえずウチの管轄での 復活者はこれでゼロになった。 君も刑事なら私情は捨て、 各務君に一言挨拶しときなさい」
斯波「・・・はい」
斯波「望むところです!」
磯川「うっわ~。 先輩マジ、カマす気満々っすよ~」
織田課長「仕方ない。いとも簡単に、 幼馴染を『処分』されたんだ」
織田課長「刑事も人間。そして復活者も人間。 いっそ超人と怪物の戦いだったら、 どんなに苦しまずに済むだろうな」
磯川「あの対処係はどうでしょうね~。 少なくとも苦しんで仕事してる ようには見えませんでしたけど」
織田課長「各務斎。 超人か・・・化け物か・・・」
〇警察署の資料室
斎「~♪」
斎「~♪」
斯波「お早うございます。 CALL対処係、各務斎警部殿」
斎「もーにーん♪」
斎「なんか用か~い?斯波何某警部補君」
斯波「ひとつお願いがありまして。 お時間のある時にでも是非」
斎「・・・?」
斯波「射撃訓練です」
斯波「いや~どうしてああも冷酷に、 人間を撃ち殺せるものかと思って。 是非ご教授を」
斯波「流石に極秘部隊のキャリア様ですね~」
斎「復活事件自体が公にできないのよ。 極秘部隊にならざるを得ないわ」
斯波「そっちの文言に反応するってことは、 少しくらいは良心の呵責があるのか?」
斯波「・・・この人殺しが」
斎「・・・」
斯波「あんな奴でも俺の幼馴染だったんだ」
斎「アンタ、馬鹿なの? 何度同じことを言わせる気?」
斎「復活者はもう人間じゃない。 欲動によって動く怪物なの」
斯波「俺がキレてんのはそこじゃねえ」
斯波「お前はアイツを侮辱した」
〇廃墟の倉庫
斎「もう人間じゃない。 ただの不細工な精液の入れモノよ」
〇警察署の資料室
斎「だって事実じゃん」
斯波「貴様!」
斎「胸倉掴んで『貴様~!』」
斎「そういうテンプレやめてって・・・」
斎「言ってるじゃん」
斯波「ぐあっ!」
斎「締め落とすぞパワハラ男」
斯波「ぐあああっ・・・!」
斯波「放せ!」
斯波「ハア・・・ハア・・・ハア・・・」
斎「一応、特殊部隊なんで。 無暗やたらに喧嘩売らない方がいいよん♪」
斯波「・・・クッ」
斎「ところで斯波警部補。 連続復活事件について、 どれくらいのレク受けてる?」
斯波「ああ?」
斎「今後対処を目の当たりにする度に、 いちいち動揺されたら困るからさ」
斎「君も素人じゃないんでしょ。一応」
斯波「チッ・・・」
斯波「一度死んだ人間が間を置かず蘇生する事案」
〇SNSの画面
『その特異性からマスコミに対し報道管制が敷かれてはいるものの、ネットでの情報は既に洩れるどころか飽和している』
『CALLなる都市伝説として』
〇警察署の資料室
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