生キル(脚本)
〇廃墟の倉庫
斯波「・・・」
斯波「・・・何でだよ。倉木」
斯波「倉木!」
倉木「ククク・・・」
倉木「お前には分からねえさ」
倉木「ず~っと一人で生きて一人で死んでく 憐れな男の心なんてよ」
倉木「誰に顧みられることもなく 何を残すこともなく」
倉木「・・・つって」
斯波「バカなことはやめろ!その娘を放せ!」
倉木「へえ~」
倉木「刑事ってやっぱそういう台詞吐くんだな~ 恥ずかしくねえか?」
斯波「・・・」
倉木「まあ、そんな良識的な所が 幸せな人生を送るコツってか?」
倉木「俺には無理だな 良識も常識も もう何ひとつ我慢しねえ」
倉木「・・・いや」
倉木「我慢出来なくなっちまったみてえだ」
倉木「ひひひ・・・ひひひひ」
少女「イヤああああああッ!」
斯波「倉木ィィィッ!」
斯波「動くな!」
倉木「痛った・・・」
倉木「くない」
斯波「・・・」
倉木「凄えぜ~斯波よお~ 俺、痛みも感じなくなっちまったぜ」
倉木「だけド」
倉木「アレ?」
倉木「・・・アれレ?」
倉木「体が・・・」
倉木「カラだ、が、オカし、いぞ?」
倉木「あたマ、モ、おかシ・・・」
〇流れる血
倉木「グボアあああああッ!」
〇廃墟の倉庫
倉木だったモノ「あぎゃぎゃぎゃぎゃ!?!?」
少女「ひいっ!」
斯波「倉木・・・」
倉木だったモノ「ぎゃ?あぎゃ?」
斯波「クッ・・・」
『ふ~ん。この後に及んでまだ躊躇?』
『よくあるドラマじゃノンキャリって根性満点熱血ヒーローって感じだけど』
斎「このあたりが限界みたいね」
斯波「だ、誰だ?」
斎「そういうモッサリしたテンプレート台詞、 このコスパの時代流行らないわよ」
斎「はいどいて!」
斎「こんばんわ。個性的なイケメンさん」
倉木だったモノ「お、オンな、女、オンナ、おん、ナ」
斎「ふーん。私が欲しいの?」
倉木だったモノ「ホシい!ほシい!ホしイ!欲シィッ!」
倉木だったモノ「アㇶいいいいッツ!」
斎「じゃあ。ア・ゲ・ル♪」
斎「ほらほら~もっともっともっと~♪」
倉木だったモノ「ゴプッ・・・ゴパアッ・・・ゲボアッ!」
斎「イケイケ~!ぶっ飛んじゃえ~!」
斎「あはははは!あはははは!」
斯波「いいかげんにしろ!この野郎!」
斎「何よも~う。 冷めるな~。 さっきから 何の捻りもない台詞を次から次に~」
斎「なにものだー(棒) やめろー(棒) いいかげんにしろー(棒)」
斎「脇役が下手に自己主張すると 次の現場に呼んでもらえなくなるわよ」
斯波「もう、とっくに死んでるだろ」
倉木だったモノ「・・・」
斎「ええ。『少し前に』でしょ?」
斯波「倉木・・・」
斎「そう彼は倉木政二。 34歳独身建設会社勤務の土木作業員」
斎「だけど既に君の友達じゃない。 っていうかモンスター。 ただの不細工な精液の入れモノよ」
斯波「・・・」
斯波「そうか。アンタが『対処係』か」
斎「各務斎(カガミイツキ)」
斎「一応、私警部だから、 アンタ呼ばわりは よした方がいいと思うな~ 斯波泰明警部補クン」
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