〇結婚式場の入口
星南(せな)（これから先も彼と、伊月くんと一緒に過ごせるなんて──）
　　これから始まる式に、生活に
　　今まで過ごしてきた全ての出来事に思いを馳せる星南
伊月(いつき)「そういえば当日にあの指輪にした意味を伝えたいって言ったこと覚えてる？ 今伝えてもいい？」
星南(せな)「もちろん忘れてないよ！今教えてくれるの？」
星南(せな)（忘れるわけない。 ２人で選んだ大切な指輪）
　　優柔不断な部分がある星南は伊月にいくつか指輪のデザインを絞ってもらっていた。
　　そこから選んだ指輪が今日、伊月から星南の左手の薬指につけられる
伊月(いつき)「あぁ。 やっぱり僕もあの指輪が一番いいと思っていたんだ」
伊月(いつき)「選んだときに見てると思うけど、メビウスの輪のように180度ねじれてるのが特徴で、」
伊月(いつき)「永遠に続く二人の絆を表している指輪になってる。 星南、君の名前の由来みたいだから『これしかない！』って思ったんだよ」
星南(せな)（どんなときでも自分らしさを忘れず輝いてほしい。そうしているときっといい出会いがあるから）
星南(せな)（関わる人たちといい関係を築き、広く前向きに人生を歩んでほしい）
星南(せな)（いつぞや母話してくれた私の名前の由来）
星南(せな)「伊月くん、覚えてくれてたんだ」
伊月(いつき)「当たり前だよ。 じゃあ、もう少しで式が始まるからまた後で」
　　部屋を出た伊月
　　星南はこの夕日が差し込む中、合図で扉が開くまで今しばらく待っていないといけない
星南(せな)（ナイトウエディング 私が憧れていた結婚式の方法）
星南(せな)（夕方から夜にかけて行う、日中とは違った雰囲気）
星南(せな)（サンセットタイムで照明とは違った自然な光の空間を演出でき、）
星南(せな)（陽が沈んだ後の夜空には輝く星が広がる）
星南(せな)（キャンドルを灯し、ライトアップもするためロマンチックにもなる）
　　なんといっても最後の演出が一番楽しみな星南
　　『準備はいいですか』と聞かれ、コクリと頷くと開く扉

〇結婚式場のレストラン

〇結婚式場のレストラン
　　『誓いのキスを』
　　夕陽に照らされ、
　　式場は一段と大きな拍手で包まれた。
伊月(いつき)「式が素晴らしいものになってよかった」
星南(せな)「ね！私とっても幸せ者かも」
伊月(いつき)「今だけじゃなくこれからも幸せにする」
星南(せな)「私だって伊月くんを幸せにします」

〇結婚式場のレストラン

〇結婚式場のレストラン

〇結婚式場の階段

〇星
　　式も全て終わり、最後の演出のために一同外へ出る
星南(せな)（綺麗な夜空）
　　『それでは皆さんランタンを空へお願いいたします』
　　司会の掛け声と共に空へ舞う灯（ひかり）
星南(せな)（メイク崩れちゃう 泣いたらダメなのに...）
伊月(いつき)「星南、今はみんなランタン見てるから大丈夫だよ 空を見上げてるから」
星南(せな)「う゛ん゛ あ゛りがとぅ」
伊月(いつき)「僕にとっての星は君だから。 ほら」
　　差し出された手を握る星南
星南(せな)「うん。これからもずっと一緒だね」
星南(せな)（だからずっとこの手を話さないで──）
　　夜空には綺麗な星が瞬いていた

〇星
　　───fin.