エピソード3(脚本)
〇繁華な通り
8 金重 賢人「あ、あの、どこに行くんですか・・・・・・?」
久山 有也「黙れ」
8 金重 賢人「は、はい・・・・・・」
〇カウンター席
8 金重 賢人「あ・・・・・・」
それはラーメン屋だった。
8 金重 賢人「あ」
久山 有也「いつもの2つ」
店主「あいよ」
店主「あい、お待ち」
8 金重 賢人「うま・・・・・・!」
それは声が漏れるほどのおいしさで、今まで食べてきたラーメンで1番美味しかった。
久山 有也「だろ?」
この人意外と優しいな、と金重は思った。
俺のために菜奈恵さんを残してラーメン屋に。
そう思った時、金重は急に眠くなった。
久山 有也「効いた」
店主「じゃあ下に連れていくぞ」
そう、店主も協力していたのだ。
〇地下室
8 金重 賢人「ん・・・・・・」
目を覚ますと金重は椅子に座っていて、体を丈夫な紐で縛られていた。
8 金重 賢人「ん・・・・・・!」
ガムテープが口に貼られ、喋れない状態だった。
久山 有也「黙れ」
久山 有也「お前、亜悠をいじめただろ」
8 金重 賢人「ん!ん!」
していませんと答えようとしたが、 ガムテープを口に貼られているので喋れなかった。
ガムテープをべりっと勢いよく剥がす。
〇黒
〇地下室
店主「黙れ。上には客がいるんだぞ」
〇教室
22 久山 亜悠「上手くいってるようだね」
22 久山 亜悠「さあ!次は・・・・・・じゃんけんだ!」
22 久山 亜悠「まず、2人組を作り、じゃんけんをする。負けた人と勝った人とじゃんけんをする。最後に負けた人と勝った人でじゃんけんをする」
22 久山 亜悠「それじゃあいくよ」
22 久山 亜悠「よーい、すたーぁと!」
「うわ。」「やべぇ」「どうしよう」そんな声が聞こえてくる。
5 小曽根 亜由加「待って、私、勝った」
22 久山 亜悠「ビリは?」
6 柿谷 泰晴「お、俺」
周りの男子は「いけー!」「お前ならいけるー!」と騒いでいる。
22 久山 亜悠「じゃあ、勝った人がご褒美ね!」
5 小曽根 亜由加「最初はグー・・・・・・」
柿谷はグー、小曽根はパーだった。
22 久山 亜悠「おめでとうございまーす!」
5 小曽根 亜由加「ご、ご褒美っていうのは?」
22 久山 亜悠「あーまだ!あと1人いないとダメ」
22 久山 亜悠「じゃあ、また同じルールでじゃんけんね!」
「最初はグー・・・・・・」
「あ・・・・・・ま、負けちゃった・・・・・・ど、どうしよう・・・・・・」
そう怯えるのは、私の現・親友である、出席番号16番、高藤歌だ。
いじめられている時も、陰で支えてくれた。
22 久山 亜悠「あ、大丈夫!ヤバいことはしないから」
丹羽「か、勝った・・・・・・」
22 久山 亜悠「じゃあ2人でじゃんけんして!」
そう、元気な声で私は言ったが、全然元気ではなかった。
もし、歌が勝てしまえば、私が考えたご褒美が当たってしまう・・・・・・
そう不安に思った。