8 また明日(脚本)
〇学校の廊下
あたしが暗森先生に負けてから数ヶ月。その後も変わらず剣道部員としての活動も、今やってる勉強にも精力的に取り組んでいた。
今日は期末テストの結果発表の日で、あたしの順位は。
熊野敦「おぉ!学年3位はカレン様だ!」
白川美羽「カレン様流石です!」
桜木カレン「3位か・・・今回は自信あったんだけどなぁ・・・」
熊野敦「で、肝心の1位は・・・」
桜木カレン「分かってはいたけど、やっぱり和人君か・・・」
女子生徒「凄いね!君最近越して来た転校生の子でしょ!?今度私達にも勉強教えてよ!」
江戸川和人「あ、あぁ・・・」
女子生徒「ねぇねぇ!もし良かったら一緒に何処かへ遊び行かない?来てまだ日が浅いから、周辺の事良く知らないでしょ?」
江戸川和人「あ、あぁ、考えとくよ・・・」
熊野敦「何だよあいつ!超モテモテじゃねぇか!」
白川美羽「そりゃそうよ・・・最初に噂を聞いた時からカレン様より凄いって話だったし・・・」
白川美羽「ん?カレン様?」
桜木カレン「ごめん、あたしまだやる事があるから、先に教室に戻っててくれる?」
熊野敦「・・・?カレン様?」
桜木カレン「ねぇ、ちょっと良いかしら?」
女子生徒「あ、カレンさん・・・」
女子生徒「どうかしたの?」
桜木カレン「和人・・・江戸川君にはあたしから用事があるの・・・悪いんだけどここまでにしてくれない?」
女子生徒「え?用事って何よ?」
桜木カレン「良いから急ぎなの・・・和人君行きましょう・・・」
江戸川和人「あ、あぁ・・・直ぐ行くよ・・・」
女子生徒「・・・何だったのかしら?」
桜木カレン「随分楽しそうだったわね?」
江戸川和人「え?カレンどうしたんだ?何処か悪いのか?」
桜木カレン「何処も何も悪く無いわよ?て言うか、あたしがあの場にいなかったら、和人君あの子達の誘いに乗ってた訳?」
江戸川和人「え?でも、悪い人達では無さそうだったし・・・」
桜木カレン「あぁ言うの上辺だけって事も有り得るから・・・変に甘々で近付く人には気を付けた方が良いよ?」
江戸川和人「え?あの、さっきからどうしたんだ?何か変だぞ?」
桜木カレン「和人君、今一度自分を見直した方が良いよ?成績優秀だってなら隠した方が良いから・・・変に目立ったら、」
桜木カレン「悪い虫が寄って来るよ?」
江戸川和人「わ、悪い虫?」
桜木カレン「後、これから和人君には今日の放課後あたしの家に来て・・・直して欲しい物が幾らかあるから・・・」
桜木カレン「それと、夏休みの初め頃にあたし剣道の全国大会の予選あるから、絶対応援に来てね?お迎えも出すから・・・」
江戸川和人「え?えぇ?えぇぇ??カレン?一体どうしたんだ???」
桜木カレン「それ以外にもやって欲しい事とかあるから・・・後、あたし以外の女子と話す時はあたしが和人君の隣に立つから・・・」
江戸川和人「え?えぇ????」
桜木カレン「じゃあ、あたし一旦戻るから、何かあれば直ぐあたしの所に来てね?」
江戸川和人「え?え?えぇ???何だったんだ?何かおかしかった・・・」
桜木カレン「はぁ!はぁ!はぁ・・・!!」
桜木カレン「えぇ・・・あたし何してるの?和人君が他の女の子と話してただけで、こんなに嫌な気分になるなんて・・・」
〇城の客室
今日の放課後。あたしは和人君に家に来て貰って、和人君に洗濯機を直して貰っていた。
数分後。
江戸川和人「お待たせ!直ったよ!」
桜木カレン「あ、ありがとう!バイト代は出すからね!」
江戸川和人「あぁ・・・(直して欲しい物があるのは本当だったんだな・・・)」
それから、あたしは和人君にバイト代を引き渡す。
桜木カレン「ねぇ、夏休みはどうするか決めてるの?」
江戸川和人「夏休み?そうだな、可能な限りバイトには出たいし、まぁ、宿題の事もあるし・・・」
桜木カレン「そっか・・・」
江戸川和人「まぁ、何か決まれば言うよ・・・そろそろ俺も買い物しに行かなきゃだから、行くよ・・・」
桜木カレン「・・・・・・」
〇立派な洋館
桜木カレン「和人君!!」
江戸川和人「あれ?どうしたんだ?俺何か忘れ物でも?」
桜木カレン「・・・あたしも、あたしも一緒に行って良いかな?」
江戸川和人「え?」
桜木カレン「あの時助けてくれて、ずっと和人君の事が忘れられなくて、だから強くなろうって決めたの・・・」
桜木カレン「今こうして頑張って行けたのも、今のあたしがあるのも、全部和人君のお陰なんだよ・・・」
桜木カレン「あの時、和人君が転校して来て、和人君と一緒に過ごして、あたし凄く嬉しかった・・・」
桜木カレン「和人君が別の女の子と話してるの見てたら、凄く嫌な気分になった・・・やっぱりあたし、」
桜木カレン「あの日からずっと和人君の事が大好きなんだって!」
江戸川和人「・・・・・・!?」
桜木カレン「あたしも連れてってよ・・・和人君の事、何でも手伝うからさ!!」
江戸川和人「・・・・・・」
江戸川和人「・・・そうか、だからカレンは強いのか・・・」
江戸川和人「でもごめん・・・俺にはそれは出来ない・・・」
桜木カレン「・・・!?どうして!?悪い所があるなら、今直ぐ全部直すからさ!!」
江戸川和人「だから、それが駄目なんだよ・・・」
桜木カレン「え?」
江戸川和人「気付いて無いと思うけど、俺もそうだよ・・・カレンとまた過ごせて凄く楽しかったよ・・・」
江戸川和人「こんな幸せがずっと続いてくれればって考えた事もあるよ・・・でも、」
桜木カレン「で、でも?」
江戸川和人「その幸せって、自分で続けさせる物じゃ無いかって思えてさ・・・ほら、これから就職とか大学受験とかある訳だし・・・」
江戸川和人「もっと先の事だってある・・・いつか、親に頼る事だって出来なくなる日が来るからさ・・・」
桜木カレン「・・・・・・」
江戸川和人「何よりカレン、折角自分から強くなろうとしたんだろ?それを今ここで辞めるのは凄く勿体無いよ・・・」
江戸川和人「その努力は絶対辞めない方が良い・・・これから先で、カレンが困ってる事があるなら、俺が力になるよ・・・」
江戸川和人「全部が全部、出来る訳じゃ無いけど・・・」
桜木カレン「・・・・・・」
桜木カレン「・・・ありがとう!ありがとう!!やっぱり和人君が、あたしの王子様だよ!!」
江戸川和人「・・・そう面と向かって言われると照れるな・・・カレン、また明日な・・・」
桜木カレン「うん!また明日ね!」
あたしはこの時決意した。あたしは人間として、心も身体ももっと強くなろうと。そして、
本当の意味で和人君に相応しくなろうと。和人君の言う通り、あたしも和人君も、これから沢山の問題を乗り越えなきゃ行けない。
この日を境にお互い切磋琢磨し合って、あたし達がちゃんと仕事を出来る様になり、そして。
〇教会の中
数年後、あたし達は結婚したのだった。
「今でも信じられないよ・・・カレンと初めて会ったのはまだあんなに小さくて弱かったのに、」
「まさか俺達がこんな風になるなんて・・・」
「夢なんかじゃ無い・・・全部和人君があたしにくれたんだよ・・・」
「ここから先は、2人で一緒に、もっともっと先へ行こうね!!」
「カレン、ありがとう・・・」
あたしは遂に和人君と結婚する事が出来た。これから沢山の困難が待ち受けるけど、あたしはこれからも、
和人君と共に歩んで行きたい。あたし達のこれからの為に。
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新年あけましておめでとうございます、ピーターです。
初めに気になる点を挙げさせて頂きます。
ラストでカレンさん(親衛隊の2人に怒られそうなので、さん付けで)と和人君が数年後結婚式を挙げるシーン。
立ち絵を使わずに、シルエットやテキストのみにした方が違和感が無くてバッチリだと思います。
幼い頃の出会いから恋焦がれていたカレンさんの願いが成就して良かったです。☺️