花姫様と最強の冷徹騎士様

ちゅるちゅるめん

懐かしい夢(脚本)

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〇ヨーロッパの街並み
  2日後、2人の婚約を発表すると同時にシャイローゼとヴィンセントが大通りを馬車で通った
民衆「ノンヴィティエス様ー!シャイローゼ様ー!ご婚約おめでとうございます!」
民衆「どうかお2人で幸せになってください!」
民衆「シャイローゼ様!ノンヴィティエス様!どうかこちらを向いてくださーい!」
ノンヴィティエス「みんなありがとう!」
シャイローゼ「これからよろしくお願いいたします!」
ノンヴィティエス「大丈夫?疲れてない?」
シャイローゼ「大丈夫よ、ありがとう」
民衆「既にあんなに仲睦まじいなんて、見ているこっちも幸せになるな」
民衆「えぇ、それに他国の姫と婚約だなんて何十年ぶりかしら。しかもお相手はあのシャルメーク国のお姫様!この国も安泰ね」
アレグラット(ここまで歓迎されるとは驚いたな。最早警護の必要すらあるのか、というくらいに何も無さすぎる)
アレグラット(ただ・・・)
アレグラット(遠くから誰かに見られている。恐らく1人だが、ただの輩では無い。どこから見られているのか分からない。ただ、気配はずっと近い)
アレグラット(気づいているのは俺だけなのだろうか。というか俺以外の人々はなぜ気が付かない?)
アレグラット(どこにいようと、俺がお前を仕留める)
ノンヴィティエス「どうかした?ローゼ」
シャイローゼ「なんでもないわ、ただ」
シャイローゼ「懐かしい誰かがいる気がするの」

〇洋館の階段
蝶々夜胡桃「あぁいた。警護のお仕事お疲れ様」
アレグラット「あぁ胡桃。今戻ったよ」
蝶々夜胡桃「ふふ、すごい人数が集まっていたね。洋館のバルコニーから見ていてもわかるくらいの人集りだったわ」
アレグラット「あぁ、流石に今日は疲れた。・・・ところで2人は?」
蝶々夜胡桃「あの二人は今、来週のパーティーで多くの貴族の方々がこのお城に集まるから、その準備ですって」
アレグラット「そうか、なら俺は多分また警護に行っているからその間は部屋で待っていてくれ」
蝶々夜胡桃「あれ、少し街に降りようと思っていたのだけれど・・・どうして?」
アレグラット「・・・今までにないくらいに、ミルェーツの濃い気配を近くに感じた」
蝶々夜胡桃「・・・そう、わかったわ」
蝶々夜胡桃「じゃあその事も、国王宛ての報告書に書いて送るわ。アルは少し休んでてね」
アレグラット「あぁ、ありがとう」

〇城の客室
蝶ケ夜胡桃「結構難しいけど、かなり役立つわねこの魔導書。これならこの魔法も思ったより早く完成しそうだわ」
蝶ケ夜胡桃「あとは対象者の魔力が詰まったものが必要なのだけれど・・・」
蝶ケ夜胡桃「まあ、それはまた後でいいかな」
蝶ケ夜胡桃(こんな時間に誰かしら? アルも部屋にいてって言っていたし・・・)
蝶ケ夜胡桃(・・・少しくらいなら、大丈夫かしら)
蝶ケ夜胡桃「はい、今出ます」
蝶ケ夜胡桃「はい、どなたでしょうか?」

〇立派な洋館
シャイローゼ「おはよう皆。今日でこの国とも離れてしまうのね・・・寂しいわ」
ノンヴィティエス「寂しいって言って貰えるくらいに、この国を楽しんで貰えたようでなによりだよ」
蝶々夜胡桃「そうだね、ここに来れてよかったよ!多分忙しくて難しいだろうけど、またいつか来たいなあ」
蝶々夜胡桃「でもローゼは結婚したらここに住むんでしょう?いいなあ」
シャイローゼ「確かに。でもシャルメーク国も好きだから少し複雑ねぇ」
アレグラット「またいつか来ることがあるとしたら、俺は最後のシャイローぜ様の警護の時かな。この国で来年挙げる結婚式の」
シャイローゼ「・・・寂しいなあ2人と離れるだなんて」
ノンヴィティエス「でも、アルのおかげで前よりも手紙は送りやすくなったから。交友は途絶えないよ」
ノンヴィティエス「・・・僕も、寂しくないと言ったら嘘になるけれどね」
アレグラット「・・・そんな顔をしないでください。結婚は、主役が幸せじゃないと誰もそうだと思えませんから」
シャイローゼ「そうね、その通りよ」
ノンヴィティエス「あぁ、ずっとお別れという訳じゃないんだ。またいつか会えるしね」
蝶々夜胡桃「というか、この話するのってもっと直前だと思うわ。少し気が早かったんじゃない?」
ノンヴィティエス「ふふ、それもそうだ。それじゃあ遅くならないうちに行こう」

〇赤い花のある草原
  ここは、どこだ
  あそこにいるのは・・・
  ・・・俺?
  なんで、シャイローゼ様もいるんだ
アレグラット「シャイローゼ、俺と一緒にいよう。このままずっと」
  やめろ、お前はあの人にそんな事を言える立場じゃないだろう!
  全てを投げ打ってでも、自分以外の誰かがあの人を幸せにするまで守ると決めただろ!
シャイローゼ「うんっ・・・うん。ずっと一緒にいるよ。一生、来世も、また来世もずっと、貴方と一緒に・・・!」
  それを肯定し、泣き崩れる彼女を抱きとめた俺と、その腕の中にいるシャイローゼ様を見て、俺は何も考えることができなかった
アレグラット「辛いことは一緒に乗り越えよう 幸せなことは一緒に感じよう 泣くほど悲しいことがあれば、俺がその涙を拭おう」
アレグラット「子供が出来たら、たくさん可愛がって、幸せにしてあげよう 老いても、君のことを愛そう 死んで生まれ変わっても、君を愛そう」
  その言葉は、俺が彼女に言いたくても言えなかったことだった
  それをこの男は、さも当たり前のことのように彼女に伝えた
  その男は彼女の涙を拭い、顔を近付けて──

〇西洋の街並み
アレグラット「ローゼ、目を開けろ、おい!」
アレグラット「死ぬな、死なないで、死なないで・・・」
アレグラット「ヒールⅤ!」
シャイローゼ「・・・」
アレグラット「なんで、どうして効かないんだよ!!!」
アレグラット「ローゼを守れなかったのなら、何も守れてないのと同じじゃないか・・・」
  俺は・・・この世界でも無能なんだな
アレグラット「ガッ・・・」
???「よ・・・倒れ・・・・・・」
???「おま・・・・・・いた・・・は楽しかった・・・」
アレグラット「だま・・・れ・・・」
アレグラット「グアァァァッ!!!」
アレグラット「絶対、に・・・お前を殺すぞ・・・・・・」
アレグラット「ウグァッ・・・」
???「おも・・・贈り物・・・・・・呪い・・・」
???「また・・・その時は・・・・・・」
アレグラット「ミ、ルェーツ・・・!」
ミルェーツ「・・・おやすみ」

〇英国風の部屋
アレグラット「ッハァッ・・・!」
アレグラット「ハッ、ハッ・・・」
アレグラット(今のは、夢か?だがやけに生々しい・・・)
アレグラット「フウッ、ふう・・・」
アレグラット(落ち着け、まずは落ち着け)
アレグラット「・・・よし」
アレグラット(これは、夢だろうか。それともミルェーツが俺に”見せた”ものか?)
アレグラット(いずれにせよ、トリガーはミルェーツの気配を近くに感じたからだろう)
アレグラット(・・・あれは、俺とミルェーツの本来の実力差なのだろうか)
アレグラット(今の俺で、あいつに敵うのか・・・?)

〇美しい草原
  ここは、どこかしら
  あの子は、小さい頃の私?
???「僕は君のことが好きだ!結婚したい!」
  え、誰かが私に告白してる・・・?!
  でも、相手が誰だかわからないわ
シャイローゼ(幼少期)「ごめん、なさい・・・私、好きな人がいるの」
  身に覚えのない姿やシーンに戸惑って、シャイローゼの思考は停止した
???「そっか・・・それは、もしかしてあの子?」
シャイローゼ(幼少期)「・・・うん、そうだよ」
  告白してくれた人にその事をすぐ伝えるだなんて・・・お相手が可哀想だわ
???「そっか、そうだよね。ごめんね困らせちゃって」
シャイローゼ(幼少期)「ううん!こっちこそなんだかごめんね」
???「・・・またいつか来るよ。その時は3人で遊ぼう」
シャイローゼ(幼少期)「ええ、またね。・・・・・・」
  私がその子の名前を呼ぶ声は、風の音でかき消された

〇貴族の部屋
シャイローゼ「・・・不思議な夢ね」
シャイローゼ(あの子は誰かしら?会ったことはないのだろうけれど・・・)
シャイローゼ(何故かしら、パレードの中で感じた懐かしさをこの夢で感じたのは)
シャイローゼ「少し疲れてるのかしら。お茶を飲んでから寝ましょう」

次のエピソード:情報戦

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