Xヒーロー

語り部

第92話 実力差(脚本)

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〇ブリーフィングルーム
  イリノイ州 ケーン郡 エルジン市 謎の地下空間 旧避難シェルター内部
シャルル「コード、確認完了。よっ、斎王」
  とことこと斎王に近づいて手を挙げて何とも気さくな挨拶をするシャルルに、斎王は少し困惑しながら同じように返した
  シャルルは一人一人とハイタッチしたり、ハグをしたりしていき遂にクロノスの番になった瞬間
フェード「何のつもりだ···?私の変化武器に手を出さないでくれるか?」
  突然フェードが環首刀を抜きシャルルの前を遮る。皆が慌てる中、よく見ると
  シャルルは自然な流れでクロノスの首を切り落とそうと、剣を薙ぐまさにその瞬間であった
シャルル「クロノスは···外海の魔物、本来『地球の生き物が接しちゃいけない』存在」
シャルル「そいつと一部の変化武器は『反人類思想』の持ち主、今すぐ破壊しなきゃいけない」
フェード「キングから聞いている。クロノスは感情が昂ると体の内部から『放射能』が溢れ出し、危険だと」
フェード「そしてそこからクロノスは性格が歪んで、人類を憎み無差別殺人を繰り返す『反人類』に目覚めたと···」
フェード「だがそれは前のことだ。今のクロノスはそんな野蛮では無いし、仮にそうだとしても···」
フェード「『私が正す』。本来の人間的在り方にクロノスを導く。それで文句はないな?」
シャルル「ダメ。クロノスの危険性、わかってない···」
斎王幽羅「じゃあ教えて、クロノスの危険性を。そうでなきゃ納得できない···クロノスはもう『Xヒーローのメンバー』だ」
斎王幽羅「勝手都合で殺すなんて俺が許さない」
  シャルルは斎王に目をやると、彼をじっ···と見つめた。
  斎王の表情を見て何かを感じたのか、シャルルは剣を消失させ『試す』と一言告げると
  フェードに手招きをし、近くにあったアクリル板で囲まれた部屋にフェードだけを招いた

〇地下の避難所
  旧避難シェルター 実験室
フェード「なんだここは···」
シャルル「第二次大戦の時、アメリカ軍が幾つか避難シェルターを作っていて」
シャルル「その避難シェルター内部で司令や訓練などを行えるようにした。ここもその一つで」
シャルル「ここの避難シェルターでは『科学実験』を主に行えるようにしていた」
シャルル「ここはその名残り。かなり年月が経っているとはいえ、強化アクリル板を4重にしてプロテクトしているから」
  そう言いながらシャルルは電子版に数字を入力し、手榴弾を取り出すと
  壁に向けて投げ、手榴弾は爆破。しかしアクリル板の壁には黒く焦げただけで傷一つ付いていなかった
フェード「なるほど···並の攻撃じゃ傷一つ付かないと···それで?試すとか言っていたが何をする気だ?」
  シャルルは剣を出現させ、距離をとるとフェードに対して言った
シャルル「クロノスを正すと言った、でも私の見立てだとお前じゃ『無理。』」
シャルル「だから私の目測が誤りかもしれないから、実力を見たい。今から戦え」
  その言葉を聞いたフェードはジャケットから鉄扇を取り出し『ルールはいるか?』とシャルルに問う
  シャルルは『いる』と返した後こう言った
シャルル「『全部使っていいから、手加減するな』」
  そしてフェードは真っ直ぐ突っ込んで、鉄扇を振り回しながら確実にシャルルの急所を狙い続ける。
  しかしシャルルはフェードの一切の攻撃を避け続け、たった二振りで鉄扇を弾き飛ばすと
  突きの構えを取り、一気に踏み込んだ
  しかし、フェードは最小限の動きで突きを受け流し、掌を打ち付け距離をとるとジャケットから三節棍を取り出し
  右足を前に出し、中腰の姿勢を取った
シャルル「··· ··· ···質問」
シャルル「流水受けからなんで八卦掌?」
フェード「武器を取るために距離を稼ぐ目的だ」
  シャルルはその答えに対して『ふーん···』とだけ答え
  左足を前、右足を後ろして肩幅に開く。左足のつま先は相手に対して真っ直ぐ向け、右足はそれに対して45度に開き
  その状態を維持しながらじりじりと近づいてきた
フェード(あの構え···西洋剣術?近代アレンジが加わっているが···)
  フェードは上段、中段、下段と狙いを散らしながら三節棍を叩き付けようとするが
  シャルルは殆どを避け、避けきれないであろうものは剣で弾いてフェードの攻撃を『観察していた』
  やがてフェードの一撃を読んで、シャルルは三節棍を剣で弾き飛ばすと
  先程と同じように1歩踏み込み、突き攻撃を試みる。当然フェードもそれを体術で返そうとするが
  フェードが受け流そうと構えをとった瞬間、シャルルは剣を振り上げ
  フェードの頭に振り下ろし、寸止めでこの戦いに決着がついた。
シャルル「見立てに間違いなし。今のお前じゃクロノスを正す事はできないし」
シャルル「今後灰色の悪魔とその仲間の『お荷物』になる。抜けたら?Xヒーロー」
  フェードはシャルルの言葉を返すことが出来ず、その場で膝を落とした
  その場を去ろうとしたシャルルにフェードは引き止めるように『問いかける』
フェード「な···なら···ならどうしたら強くなれる?どうしたら斎王達の足を引っ張らないようになれる···?」
  するとシャルルはポツポツとフェードに返した
シャルル「既存の武器術に頼りすぎ、体術がその場しのぎで決定打が無い、武器に頼りすぎて武器を目で探す癖がある」
シャルル「だから弱い」
フェード「っ··· ··· ···」
  フェードはその言葉に何か返すことは無く、シャルルはそのまま部屋を後にした
  To Be Continued··· ··· ···

次のエピソード:第93話 きっかけ

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