第91話 聖人の灰(脚本)
〇ビジネスホテル
2021年 イリノイ州 ピオリア市 ピオリア郡 とあるホテル前
斎王達はマリアの言う通りホテル前で待つと一台の観光バスが到着した
斎王達はそれに乗り込み、長い時間バスに揺られながら目的の場所まで移動を始めた
〇入場ゲート
イリノイ州 ケーン郡 エルジン市 検問所前
長時間の運行で皆はすっかり眠っていた。街に入る直前でバスは止まり、そのブレーキの振動で『鸞、フェード、クロノス』
3人だけが目を覚ますと、そこには『検問所』があった。検問所の前で警備員が運転手に免許証を見せろと言うが運転手は一言
姫騎士「ボスから要請『コード1123』、確認して」
そう言うと警備員は無線でどこかと連絡を取り、数分後バスに乗り込み斎王達を確認すると
直ぐさま警備員は誘導棒で街中へ案内を始めた
鸞「フェード···今のどう思う?」
フェード「国境ならともかくたかが街ひとつ跨ぐのに『やりすぎな対応』···相当慎重派なようだな、シャルルってのは」
鸞「うむ···だが街中を見てみろ、ロックフォードと同じくらい『栄えている』。街の人たちは許容しているのか···?」
フェード「そう見える···普通に暮らしているように感じるな。ロックフォード程賑やかではないが、穏やかではあるな」
すると窓から外を眺めていたクロノスは言葉を発した
クロノス「クイーンが言うなら正しいと思うけど、ボクには···『互いを監視し、腹の中を探りあってる』ように見えるな···」
フェード「··· ··· ···言われてみればだな。一見笑顔で談笑しているように見えるが···『目が笑ってない』何かあるのか?」
鸞「ひとまず探ってみよう、俺らは忍者と殺し屋だ。それくらい楽勝だろ?」
フェード「だな。皆には黙っておくか···クロノス、皆に言うなよ?いいな?」
クロノス「勿論だよクイーン♡クイーンの命令なら何でもオッケーだよ?ボクハードなのも大丈夫だからね?」
フェード「虽然我没听说过...(聞いてないのに···)」
そしてバスは街の広場に到着し、マリアが斎王達を起こすと皆で街中を移動し始めた
そしてマリアはある『一軒家』の前に止まり玄関をノックする。すると扉の向こうから
1人の老婆が現れ『何か用か?』と問う。マリアはそれに先程の運転手が言った数字を返すと
『よくわかんないけど、入って入って!』と皆を家の中に招く。
〇明るいリビング
老婆の一軒家 リビング
老婆皆をリビングに案内すると、老婆はカーテンを閉め何かの機械を作動させると近くのソファに座る
シスター・アンブロジウス「マリアちゃん、その子がシスター・カールが言っていた『灰色の悪魔』とその仲間?」
マリア・イアハート「えぇ、ですがシスター・アンブロジウス。あまり本人を前にしてその言葉は発することは配慮にかけているかと」
マリア・イアハート「この方は仮にもあの···!」
しかしシスターはそれを遮るようにマリアに言葉を返した
シスター・アンブロジウス「『頼様の孫』でしょ?嫌って程聞いてるわよ」
マリア・イアハート「ではなぜ幽羅様を灰色の悪魔等蔑称で···!」
斎王幽羅「マリ姉、気持ちは嬉しいけど今は落ち着いて。冷静になって···」
シスター・アンブロジウス「ふむ···それで?坊やはなぜここに来たのかしら?よければ理由を聞かせてくれるかしら」
斎王は事の経緯を嘘偽りなく全てを話した。するとシスターは大笑いしながら斎王に紅茶を差し出した
シスター・アンブロジウス「うん、いいわね。嘘をついてる顔に見えないし、正直に話してデメリットはないって自信が伺える」
シスター・アンブロジウス「まぁひとまず皆紅茶を召し上がって?話はそれからよ」
皆が紅茶を口にしようとした時、凪園とクロノスは紅茶を飲むことを皆に止めた。何事かと動揺する斎王を他所に
鸞とフェードも遅れてある事に気付いた
凪園無頼「『睡眠薬入ってね?』俺匂いでわかったよー?」
凪園無頼「ババア、俺ら寝かせて何する気だ···ブチ殺すぞ···」
斎王幽羅「え?嘘!?睡眠薬なんて入ってたのこれ!!」
鸞「よく見ると紅茶の底が『少しだけ泡立っている』な···よく気がついたな2人とも」
クロノス「他の奴ならまだしもクイーンも標的に···既にお前は『12万通り』の死ぬ可能性があると言う事を伝えてやる」
シスター・アンブロジウス「全員注意力なし。直感で感じ取ったのは2人と···」
シスターは2人の言葉を無視し、奥の部屋に皆を案内する。斎王達は目の前のシスターが信用出来ない反面
『シスターに従う』以外シャルルに会う方法もないので、渋々従った
〇薄暗い廊下
謎の場所
シスターの部屋から階段で下った先にあったのは無機質な廊下だった。
斎王達は先程のこともあってか、周囲を警戒しながら歩くも特段何もなく奥に『一枚の扉』があった
そこを開けた先にあったのは···
〇ブリーフィングルーム
旧避難シェルター内部
シスター・アンブロジウス「シスター・カール、コード1123に従いボスの客人斎王一派を連れてきたわ。知らないの増えてるけどいいかしら?」
シスターがそう言うとそこには1人の少女が立って居た
To Be Continued··· ··· ···