勇者にはほしい才能がある

東龍

【番外②】11年ぶりに会う母親(脚本)

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〇英国風の部屋
キン・ユルシャ「そういえば、再婚した事って 元奥さんに報告したほうがいいのかな?」
ギン「えっ?! 居場所 知ってるん?!」
キン・ユルシャ「た、タンスの中に たしかメモが‥‥‥」
キン・ユルシャ「あった あった」
キン・ユルシャ「‥‥‥‥‥‥」
キン・ユルシャ「いや、向こうはこんなアホとは もう会いたくないかな‥‥‥」
ギン「うーん どうなんだろう‥‥‥」
ギン「‥‥‥‥‥」
ギン「俺は、会いたいなぁ‥‥‥」
キン・ユルシャ「お前、行く?」
ギン「行く!」

〇空

〇温泉街
ギン「こ、この本屋かぁ‥‥‥」
マモ「なんで、その服?」
ギン「長い間、旅してきた✨勇者感✨をば‥‥‥」
ギン「なんでいるんだ お前!」
マモ「お前の母親が見たい興味本位!!!!!」
ギン「はぁ‥‥‥」
ギン「じゃあ、一緒に来‥‥‥」
マモ「いや、1人で会いに行ってくれ」
マモ「俺は 後ろから見てる」
ギン「は、はぁ‥‥‥」
ギン「い、いってきまーす」
マモ「いってらー」

〇古書店
ギン「‥‥‥‥‥」
ギン((本!!!!!!))
  本のラインナップ的に
  「売れ筋ばかりあるな」と思った。
  手堅く人気のある作品・作家。
  少なくとも「誰だ? この作家」
  「なんだろう この作品」と、思うような
  本はなかった。
ギン((別にいいけど、手堅い本屋だな‥‥‥))
ギン「!」
  会計場(レジ)の横に、
  エルム・ナキュ作品のコーナーがある。
ギン((というか、レジにいるの‥‥‥))
ギン((いる‥‥‥!))
ギン((うっすら 顔覚えてるぞ‥‥‥!  雰囲気的にも この人だっ💦))
ギン((とりあえず、何か本を買うついでに  さり気なく話しかけてみよう‥‥‥!))
ギン「すみません。コレ ください〜」
ギン母「はぁい」
ギン「‥‥‥‥‥‥‥」
ギン「エルム・ナキュのコーナー ありますね お好きなんですか?」
ギン母「‥‥‥‥まぁ、そうですね 好きです」
ギン母「亡くなったのが、惜しいですよね」
ギン((亡くなった事になってる?!))
ギン「そ、そうですね‥‥‥」
ギン「せめて『ノキースかミーナ』のどっちと くっつくのか、ケリつけて ほしかったですよね‥‥‥」
ギン母「でも、そのおかげで 『ノキースVSミーナ』アンソロが 売れましたからねぇ‥‥‥」
  ※『ノキVSミナ アンソロ』
   他作家が書き下ろした、ナキュ作品の
   二次創作アンソロ本
ギン((そのアンソロ、多分 この人が  関わったんだろうなぁ‥‥‥))
ギン母「本当に、惜しい人を亡くしたと思いますよ えぇ」
ギン((死んだ事に したいんだな‥‥‥))
ギン「‥‥‥‥」
ギン「ん?」
ギン「‥‥‥エルム・ナキュ作品の隣に、 オージュ・ウォゲ作品を置くんですね?」
ギン「ジャンル的に、だいぶ違うと思うんですけど?」
ギン母「こ、これはぁ‥‥‥」
ギン母「エルム・ナキュと このホラー作家、 仲が良かったらしいですからねっ」
ギン母「『見比べてみるの楽しいかもよ』って セット売りしてみたというかっ!」
ギン母「それに、オージュ・ウォゲは今 犯罪者ですからねっ!」
ギン母「話題性があるから、今 売れるんですよ!」
ギン「‥‥‥‥‥」

〇古い本
  俺、
  この人 好みの子供に
  なれているのだろうか。

〇古書店
ギン「‥‥‥‥」
ギン母「── はい、お釣りです」
ギン「あっ‥‥‥ ありがとうございます」
ギン「では、またいつか‥‥‥」
???「おかぁさぁ〜ん!」
???「カクが いなぁ〜い!」
ギン母「ちょっともぉ ヨミ! 弟の事 ちゃんと見ときなさいって!」
ギン「こっ、こどもっ‥‥‥?!」
ギン((タネ違いのっ))
ギン((弟&妹っ‥‥‥?!))
ギン((俺、お兄ちゃん!!!!!))
  ゆうしゃ は テンパっている! ▼
ギン「あっ、あのぉ!」
ギン母「はい?」
ギン「親父! 再婚しました!!!!」
ギン母「ふぁ?!?!」
ギン「で、あのっ‥‥‥そのぉ!!!」
テンパりギン「俺、あの雑誌の『1000文字ショート』で たまぁに 入賞して載ってたりしてます!」
テンパりギン「お口に合うかどうかわかりませんが よろしかったら、えーと‥‥‥」
逃げるギン「別に見なくて いいです!!!!!」
ギン母「ちょ、あなた もしかして‥‥‥!」

〇温泉街
マモ「おい。 急に慌てふためいて どうした‥‥‥」
ギン「俺! お兄ちゃんだったぁ!!!!」
マモ「は?」
ギン「とりあえず、逃げよう!!!!」

〇山道
マモ「あっ そう‥‥‥種違いの、ねぇ‥‥‥」
ギン「なんか、逃げちゃった! 雑に出て行っちゃった!!!!!」
マモ「にしても、やはりアレはお前の母親だな」
マモ「読書中の頬杖のつき方や角度が お前とそっくりだった」
ギン「そ、そうですか‥‥‥」
ギン「よく見てらっしゃいますね‥‥‥」

〇空

〇英国風の部屋
キン・ユルシャ「あいつから「結婚おめでとう」って ご祝儀 もらっちゃった‥‥‥」
キン・ユルシャ「い、いいのかな‥‥‥?」
ギン「ま、まぁ いいんじゃない‥‥‥?」
キン・ユルシャ「あと、お前宛てに手紙あるぞ」
ギン「ふぁ‥‥‥?!」
  『あの雑誌のバックナンバーを漁ったら、
   確かにギン君の作品が何個か
   ありましたので 読ませてもらいました』
  『ビビっているのか、
   整合性がとれすぎていて
   想定の範疇内な事が多いので』
  『もう少し冒険してみても
   いいんじゃないでしょうか』
ギン((元編集者の ガチ批評‥‥‥!))
ギン「‥‥‥‥‥‥」

次のエピソード:【番外③】アレ以来の再会

コメント

  • ギン母もナキュオジュ推しとはね……!(違)
    いや〜……😭
    今回は逃げちゃいましたが、うわぁ……いつか義妹ちゃんと義弟くんらには会うのですかね……?!
    パニクりすぎて可愛い❤😂

  • ギンくん、急に妹弟が……11年もあれば、あちらの再婚も充分可能性があるのに何故か疑いもしなかったです。
    挿絵で2人縦並びでいたから「何でいるの!?」、「そっちが驚くんかい!?」と😅。
    母親のこと気にはなる…けどそんな急に、仲良くなるわけではない…ってところがいいですよね。編集者の親に自作品を見てもらう…………恐怖と好奇心の天秤が😅

  • 母上本屋さんを営んでるのか〜!読む、書く、なネーミングもさすが…
    意外とちゃんとナキュ先生の事は本当に好きだったんだな…時間が経って子供も生まれて、少し気持ちの整理が付いたのかな…亡き者にしたそうですが(笑)
    親が編集者ってヤですね〜www
    感想が本当に評価シートで変な汗出るwww😂

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