ビンダーパープル

但馬感象

50面 夢の途中(脚本)

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〇結婚式場のテラス
  ・・・あれは外国の学校だったか
江藤鉱(彼女が俺に気がないんだったら)
江藤鉱(ちゃんと振り切って あきらめなくちゃな、うん)
  と考えて、
  期終わり、
  手あげて、その場を去る
  (挙手伸ばしきらない、照れつつだけど
  人のにぎわいの間、通ってさ)
  俺のことしらない人も、通り過ぎるとき
  手をあげて応えてくれる。
  よい休息をってな、外国のノリだな。
  (キャンパスというか棟の合間
  段々にみんな腰下ろしたり、テラス席)

〇英国風の図書館
上野さな「こんなキレイなところで授業したいよねー」
江藤鉱「ねーっ」
  上野さなとそう言って、
  何この吹き抜け空間、
  とても校舎の一つのそれとは思えない。
江藤鉱「立派な図書館だね」
江藤鉱(さなは現役でいけるし)
江藤鉱(パッと曲がり角曲がるように俺は離れて)
江藤鉱(しゃーない、一緒にいたいけど)
江藤鉱(もう少し話したら見込まれるんでしょ 俺はおいとましよう)

〇ボウリング場
  ──ボウリングしていて、
  俺の使ってるボールが投げられちゃったのか
  それでちょっととりにいきますと、
  レーンの奥に行って(左端通って)
  そこのレーンはわきの通路から
  (奥階段)下りて行くと
  ボールが下りてきていて
  (フロアになっててそこに転がってる)
  自分でとりに来れたりする、
  めんどいからまぁしないだろうけども
  ──自分のボール持って帰ってきて、
  さー投げるか、と思って、
  ふと目に留まる
江藤鉱(これ、他の人の使ってるボール 12オンス、俺のより重いの使ってんだ)
  試しに指入れて持ってみる
江藤鉱(穴の間隔広いな)
江藤鉱(指つっかえはしないけど 小さめなのかな穴)
「ちょっとかしてもらっていっすか?」
江藤鉱「いーよーっ」
  マンガの少年主人公みたいな男性に
  言われたと思ったら
  折中さんで、

〇ボウリング場
折中珠未「からだあっためるの駄目なんですよ」
江藤鉱「え、そうなんですか?」
折中珠未「まぁ、わかんないっすけど」
江藤鉱「そしたら何だっけ 託児所?とかそういう」
折中珠未「そうっすねー あんまりやれないですよね、何にしても」
江藤鉱(あんま汗かいちゃいけないのかな)
江藤鉱(俺はそんなこともないんだろうけど)
江藤鉱(話しててそうなっちゃったな)
折中珠未「・・・仲いい人みんないなくなっちゃう」
折中珠未「そうやってみんなどこかいって・・・」
江藤鉱「何だよちゃんとやれよー」
  っていう感じあったかな
  (自分で何言ってんだって流れちゃう
  身体の悪いのが出ちゃうかもしれないけど)

〇ボウリング場
  ゴン、と俺のボール投げられて、
  ガーターの溝で他の人のボールと
  ぶつかったりして、それでとりにいって
  ちゃんとした投球みせてやる
  とか思ったのかな。

〇勉強机のある部屋
江藤鉱(夢書き、これ以前書いたのかな)
  紙グッと押すと、
  エンター押したみたいに
江藤鉱(何だ、文出てくんのか)
江藤鉱(じゃあそれで全部出しちゃうか)
江藤鉱(あれ、出なくなった)
  (短文4行詩くらいので止まる)
  何回か押して、
江藤鉱(あ、ここまでしか書いてなかったのかな)
江藤鉱(夢の途中で ここまででいいやって止めたのか)
江藤鉱(じゃあ続き書くかな)
江藤鉱(・・・最後まで書かんとね)
江藤鉱(あー随分このときはショック受けてんな)
江藤鉱(大仏の髪が崩れてかぶさって 目をおおうくらいになって)
江藤鉱(口から気体をふいている絵)
江藤鉱(ヤオバザやめた辺りかな?)
江藤鉱(──ああ、これは 写真撮ってもらったのか)
江藤鉱(いい笑顔してるな アップで頭切れてるけど)
  (顔のこめかみから輪郭が
  チョークの粉こすったように白くなってる)
  シャッター下りた店の前とかかな
  名札入れに写真入れて
  首からさげてたのかな
  こんなのだっけ
  (上辺に2つ金具穴開いてたり)
江藤鉱(ヤオバザはいろんな人がいて)
江藤鉱(若い子と仲良くできた)
江藤鉱(楽しかったな・・・)

〇川沿いの公園
折中珠未「たけうまのうた?どんな歌なの?」
江藤鉱「えーっとね、たっけうまー」
江藤鉱「・・・なーんーですーっ」
江藤鉱(うろ覚えはなはだしいな)
江藤鉱(せっかく聞いてくれたのに)
  ──朝の番組内で、
江藤鉱「だいたい何時くらいなんだろ 7:30くらいかなー?」
  と、いつも一緒に
  その時間いるやつと話して、
  折中さんいないんでいつも
  (だから知らないって)
  脚開いて体操、砂利の上でしながら話し
江藤鉱(俺の歌でさっきちゃんと歌ってたのにな)

〇勉強机のある部屋
  何やってんだほんとに
  仰向けに寝ていてすぐ目と鼻の先、
  ぶら下がってる女物の洋服。
  上は白地に黒の横線が胸元に入った、
  肩のところはしぼってふくらましてある
江藤鉱(これ、さなのか)
江藤鉱(へへへ、さな)
  と下から手を突っ込む。
江藤鉱(これぶら下がってんだからね)
  スカートも中から上着の中へ手を伸ばして
  ん、胸のところにいくのに、
  ハンガーに洗濯バサミでもついてんのかな
  狭くなってる。
江藤鉱(ちょっとどうしようかな)
江藤鉱(でもいいや)
  突っきって胸のところ触るや、
「うわあああーんっ」
  足元方向の別室から女性の泣き声がする。
  ああ、何やってんだか、
  連動してんのか。
  実地でできないの?
江藤鉱(女性に対してか、なだめるの?)
江藤鉱(俺がいったってしょうがないんだよな)
江藤鉱(慰めになんて、俺が原因だろ?)
  しかし、服なんて触っても
  匂い嗅いでも、
  別に何てことないのに、
  わかってるのにね

次のエピソード:51面 幸せの日々

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