〇教室
蓑田鞠子「何であんたに 裸見られなきゃいけないのよっ」
江藤鉱「うるせーよっ、あんなところで 着替えてんのがいけねーんだろっ」

〇階段の踊り場（ポスター無し）
　　エレベーター降りたところで着替えてんの
　　しかも男と一緒に構わず（普通に会話して）
　　だいたいトランクスだったじゃんか
　　（シルクってほどじゃないけど
　　ボクサーのコスチュームみたいな
　　光沢のあるひらひらの）
　　見られてもいいってことで
　　やってんじゃねーのかよ、蓑田鞠子。

〇教室
　　教室でそのあと、蓑田鞠子歌い出して、
　　何だ、音痴って聞いてたけど、
　　艶のある声してるしうまいじゃん
　　なんて思って
　　（本人気にして
　　外さないようにってやらんのかな
　　ちょっと頼りない感じもあるし、不安）
　　で、すぐ近くに立つんで
　　足元、腿、ショートパンツ、
　　薄いゴールドのって目をやって
　　顔見ると目合って、
　　何か恥ずかしがった表情になって
　　（それでパンツ、裸見たでしょか）
　　ツンデレかっ
　　よくわかんねーやつだな

〇職業安定所の面談カウンター
　　──ハローワークみたいな所なのか、
　　親友のチャップが泣きながら
　　担当の人にいろいろ言われてる。
　　俺は待つ人たちの席について、全体見る。
　　右側へこんで下りていて、その先は
　　桟橋、ボート乗り場、そんな風情の右側。
チャップ（メガネ）
職員「はい、ちゃんと興味持って 聞いていただかないと」
職員「もう今度せっかくしていただいてる お話なくなってしまいますよ」
チャップ（メガネ）
　　押し売りだなー
　　言ってるてめーがうろ覚え
　　係の人なんだろ事務レディ
　　メガネ恋愛シミュレーションゲーム
　　っぽい雰囲気ある
　　その話をするのは中年くらいの別の男か

〇職業安定所の面談カウンター
江藤鉱「わかったかチャップ 結局さのさ・・・」
江藤鉱（（すのす、よのさ、土の土？・・・））
江藤鉱「まで聞かなきゃいけないんだよ」
チャップ「だって、つらいの　口開いて」
　　何だか売れ残ったような本が
　　何種か一まとめに盛られてる。
　　それは俺がつらくても
　　口開けて受けるべき本、だったりして
江藤鉱（ああ、ちゃんと といかなくてもキープしよう）
江藤鉱（・・・こういうことかチャップ）
江藤鉱（はぁ・・・）
江藤鉱（あ、もしかして、そうだ）
　　折中珠未さん。
　　化けてもなく、
　　髪が伸びて八の字たゆましたヘアー
　　目がはれぼった気味で、少し年とったかな
　　（忙しくしてんのかな、で、疲れてる
　　おばさんぽく、髪染めてたかな、
　　赤桃くらい）
　　みかんくすました色のスカート、
　　向こうも気づいたかな、俺のこと──
　　・・・一緒にいられることの幸せを
　　その日々を、口にしたいと思います

〇白いバスルーム
江藤鉱（馬鹿だよな、ハハッ）
江藤鉱（折中さんが俺のこと 思ってるわけないのに）
江藤鉱（どうする？宵山さんと付き合ってますよ なんて聞いたりしたら）
江藤鉱（だって話してる感じの 楽しそうなのが違うじゃない）
江藤鉱（・・・今さら何考えてんだか）

〇桜並木
？「本当だ、実は今 恐怖でからだがふるえた」
？「予感に戦慄が走った」
？「そんなに私のことが嫌いなのね」
？「違うんだ、春風とともに、君」
　　（つむじ巻いて二人の間に風が吹いて
　　花びらもあったか）
？「君が運命の人なんだって」
　　（直感が）
　　素朴なヒロインって感じの子
　　後ろから、トン、
　　と肩触れてくれたのかな
　　ビクッとし過ぎちゃったけど
　　（それが嫌悪されてるって
　　思わせちゃったのかな）

〇グラウンドのトラック
「トップでかえってくるのは、ミノマリだっ」
江藤鉱「おー、はやく入れっ」
蓑田鞠子「わーいっ」
　　て次の人に交代する前に、
　　なかなかゴールの線をこえようとしない。
江藤鉱「ほらもう後ろきてるっ」
　　ほとんど同着で次の走者にたすきが渡る。
江藤鉱「全く、何で代わんないんだよ」
跳ね髪先輩「おやつ抜きっ」
蓑田鞠子「はい」
　　と素直に返しつつ、
蓑田鞠子「だって切りたくなかったんだもん」
蓑田鞠子「そのままでいたいっ」
江藤鉱（・・・かわいいな）
江藤鉱（（たのしいんだね））

〇グラウンドのトラック
プロデューサー「絶対おかしいよ、あれ 合わせてあと変えてるからそうなるんだよ」
　　ってクレーム言ってる、
　　チェックする人のことを言ってる。
　　基準にズレられたら
　　確かにあいまいになるな。
　　（自分の好みとか、人によってとかさー）
　　コースは、あそこはまっすぐ
　　突っ切るくらいか、
　　階段が長くて急だな・・・
　　なんて、学校全体を使った、
　　ＴＶ局まわり主催のイベントかな。