スパイ衛星は異国の男子高校生に恋をする

ヤミヲミルメ

人工衛星(脚本)

スパイ衛星は異国の男子高校生に恋をする

ヤミヲミルメ

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〇東京全景
  よぞら

〇街の全景
  ヨゾラ

〇地球
  わたしから見た夜空

〇宇宙空間
  わたしはスパイ衛星
  とある国を見つめ続ける
  人々が灯す 街の灯りが
  わたしにとっての夜空
  目をそらすことは許されず
  わたしの背後に広がる本物の星空を
  わたしは知らない

〇組織の本部
  わたしが見張るべきもの

〇兵器の倉庫

〇サッカー場
  わたしが本当に見たいもの
  今日も遅くまで
  練習に励む あの子
  わたしに気づいた
  ごめんね、わたし、UFOじゃないの

〇宇宙空間
  わたしは宇宙から地上を見るだけ

〇歩道橋
  あの子も一人ぼっちなのかな?

〇諜報機関
  地上から宇宙を見張る人もいる
はかせ「あれ? これって・・・」
はかせ「大変だ! 隕石がこの惑星に迫っている!」

〇国際会議場
えらいひと「チッ。退屈だ。 今日もあの国に動きはナシか」
えらいひと「向こうから攻めてきてくれれば 遠慮なくブチのめしてやれるのに」
はかせ「大変です! 隕石が!」
はかせ「隕石があの国に堕ちそうです!」
えらいひと「なに!? あの国に!?」
えらいひと「いいぞいいぞ! ざまぁみろだ!」
はかせ「危ないって教えてあげたりは・・・」
えらいひと「しない!」

〇開けた景色の屋上
  あの子・・・
  あ・・・
女の子「またUFOを探してるの?」
女の子「宇宙人なんかに逢って どうするのよ?」
少年「知らないやつに逢えたら嬉しいじゃん」
少年「見たことのない景色を 見せてもらえるかもしれないし」
  きみには素敵な未来がある
  きみには もっと
  いろんな景色を見てほしい

〇宇宙空間
  見捨てるなんて嫌だ。
  わたしは きみを助けたい

〇国際会議場
はかせ「あれれれれ? 衛星が勝手に???」

〇黒

〇宇宙空間
  ああ、これが
  きみがいつも見てる星空
  さようなら

〇国際会議場
えらいひと「人工衛星が・・・」
えらいひと「壊れた?」
えらいひと「もしかして こっちの国に落ちてくる?」
はかせ「いえ、軌道が変わっただけで 済んだようです」
はかせ「このまま どこか遠くへ 飛んでいってしまうようですね」
えらいひと「大損害だ」

〇星座

〇宇宙空間
  もとの惑星から
  ずいぶん離れちゃった
  このままどこまで行けるかな?
  いつか本物のUFOに逢えたら
  あの子に教えてあげたいな

コメント

  • 人工衛星!!スゴすぎる発想…!!
    SFらしい少々の皮肉が込められつつも不思議な可愛さもある魅力的な作品でした😆

  • 表紙のサムネイルが人工衛星にしか見えなかったので、こんなキャラあったっけ…?と思いきや、まさかの合体キャラ! お話が進むごとに、人工衛星からカワイイ乙女に見えてくるようになるのも良かったです^^

  • 海外アニメのようでした。
    ヴァーツラフ・メルグルとかユーリー・ノルシュテインとか・・・
    えらいひとがおもちゃなのは、すごく批判的で良いですね!
    センスを感じます!
    とても寓話的で詩的な感じがしました。

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