〇巨大ドーム

〇コンサート会場

〇巨大ドーム
玲王(れお)「龍世、話がある」
龍世(りゅうせい)「分かってますよ」
　　過去の栄光なんて何の意味もない
　　それは俺が

〇宇宙空間
　　掴みそこねた星の欠片だから

〇巨大なビル

〇撮影スタジオ
龍世(りゅうせい)「候補生 No.29 龍世」
龍世(りゅうせい)「記録に残るより、記憶に残るアイドルになりたいですっ！」
候補生A「元アイドルだって？ 何歳なの??」
龍世(りゅうせい)「ビブスと一緒」
候補生B「意外にイッてるね」
龍世(りゅうせい)（フン、こっちはビジネスだし！）

〇トレーニングルーム
龍世(りゅうせい)「フンッ・ガーッ！」
玲王(れお)「体力テストは最下位」
玲王(れお)「シナリオ通りだな！」

〇コンビニ

〇コンビニのレジ
龍世（りゅうせい）「先輩！」
玲王(れお)「事務所で見かけないと思っていたら、ここで働いていたんだ」
龍世（りゅうせい）「自宅警備ばっかですわ」
玲王(れお)「・・・バイトやる気ある？」

〇トレーニングルーム
龍世(りゅうせい)「番組はヤラセで、俺は若い候補生たちの引き立て役のバイト」
龍世(りゅうせい)「これが元アイドルの成れの果てってね」
玲王(れお)「前金だ」
龍世(りゅうせい)「噛ませ犬くらい、最後まで出来ますよ！」

〇音楽スタジオ
ボイストレーナー「順番に歌って」
龍世(りゅうせい)「歌詞飛んじゃった！テヘ♡」
龍世(りゅうせい)（そんな目で見んなよ）

〇撮影スタジオ
候補生A「ダンス苦手」
候補生B「俺も未経験者」
龍世(りゅうせい)「意識がぬるい！ マジでやる気あんのか!?」
候補生A「じゃあ、手本見せてくれよ！」
龍世(りゅうせい)「少しだけなら・・・」
候補生A「神ログイン!?」
候補生B「ほ、惚れちまうやろ〜！」
玲王(れお)「流石だな」
龍世(りゅうせい)「スミマセン！」

〇ビジネスホテル

〇勉強机のある部屋
龍世(りゅうせい)「先輩、呆れてたな」

〇勉強机のある部屋
候補生A「実は相談があるんだ」
龍世(りゅうせい)「俺にダンスを見てほしい？」
龍世(りゅうせい)「教えるほどじゃ・・・」
龍世(りゅうせい)「代わりにボイトレに付き合ってくれるって？」
龍世(りゅうせい)（舐めやがって・・・あれは演技だぞ！）
龍世(りゅうせい)（いや）
龍世(りゅうせい)（演出としてはアリか？）
龍世(りゅうせい)「分かったよ。協力して合格目指そうぜ！」
龍世(りゅうせい)「クク。視聴率上げて、臨時ボーナスでも請求するか！」

〇撮影スタジオ
龍世(りゅうせい)「スリー・エンフォー！」
龍世(りゅうせい)「苦しくても笑顔！ ファンが見たい景色を想像して踊れ！」
候補生B「ッシャアー!!」
候補生A「やってやんよ!!」
「全員そろって合格だぜ!!」
龍世(りゅうせい)（未来があるお前らが眩しいぜ）

〇巨大ドーム
龍世(りゅうせい)（聞いてねーよ）
龍世(りゅうせい)（最終選考のステージまで残るなんて！）
候補生A「お前らに会えて良かった！」
候補生B「まだ始まってもねーのに、ヤメロって！」
龍世(りゅうせい)「俺は・・・」

〇黒
　　今、どこに向かっているんだ？

〇コンサート会場

〇舞台袖
ボイストレーナー「歌詞忘れ・・・じゃないわよね？」
ボイストレーナー「あのコ、パフォーマンスを放棄する気なの!?」

〇コンサート会場
龍世(りゅうせい)（噛ませ犬に期待なんかしやがって）
龍世(りゅうせい)（番組が終了すれば、俺のことなんて誰も見やしない）
龍世(りゅうせい)（星は、手に届かないからキレイなままなんだ）
玲王（れお）「いつまでイジケてるつもりだ！」
龍世(りゅうせい)「ッ！」
玲王(れお)「今日の星はお前だろ!?」
玲王(れお)「たとえ空に手が届かなくても」
玲王(れお)「この会場にいる人たちに、お前の光を届けることはできる！」
玲王(れお)「輝くことを諦めんな！」
「信じているぞ、龍世ー!!」
龍世(りゅうせい)「フン・・・」
龍世(りゅうせい)「バカな奴ら！」
龍世(りゅうせい)「でも、だからこそ」
龍世(りゅうせい)「一緒に輝きたい!!」
　　そうか

〇コンサート会場
龍世(りゅうせい)「これが俺が見たかった景色なんだ!!」

〇舞台袖
ボイストレーナー「玲王、まだ龍世を噛ませ犬にする気？」
玲王(れお)「新メンバーには、どんな逆境にも折れないメンタルがほしかった」
玲王(れお)「今のアイツとなら、一緒に夜空を駆け抜けられるさ！」

〇宇宙空間
　　夜空に散っていった欠片たちへ
　　イチバンボシはまだ、君の心の中に居ますか？