ヨゾラノホシヲ(脚本)
〇無機質な扉
看守「もう戻って来るんじゃないぞ」
うるせえや。
〇白
手に入らないものばっかりだった。
これまでずっと。
夢も。希望も。何もかも。
〇黒
真っ暗な人生だった。
〇渋谷の雑踏
だから奪い続けてやるよ。
あんたらの光ってヤツをな。
〇改札口前
〇駅のホーム
〇電車の中
〇田舎の公園
〇空
今日も空は真っ暗だ。
〇田舎の公園
だからどうした。
〇古いアパート
〇古いアパートの一室
〇田舎の公園
〇渋谷の雑踏
〇ペットショップの店内
〇田舎の公園
〇古いアパート
〇CDの散乱した部屋
〇田舎の公園
〇公園のベンチ
〇CDの散乱した部屋
手に入らないものばっかりだった。
何にもない人生だった。
だけど・・・
〇宇宙空間
ここのところ、いい天気だな。
〇田舎の駅舎
〇白
みーちゃんをさがしてます。
ひとなつっこくて
とてもくいしんぼうです。
住所〇〇町〇〇番地〇〇
〇古いアパートの一室
今日も、いい天気だったな。
〇宇宙空間
あの子供も、この星見てんのかな。
見えてねえだろうな。
きっと昔の俺みたいに。
〇黒
今は真っ暗で。
明日も明後日も、ずっと真っ暗で。
真っ暗で・・・
〇一戸建て
じゃあな。
〇黒
手に入らないものばかりだった。
ずっと真っ暗だった。
今までも。
きっとこれからも。
・・・だけど。
〇古いアパート
警官「こんばんは。ちょっとよろしいですか」
警官「近隣の町で窃盗が相次いでましてね」
警官「駅の監視カメラに、 不審な人物が映ってるんですよ」
男「・・・」
警官「警察署まで御同行頂きます」
男「・・・」
男「ちょうど良かったです」
男「もう少し空を眺めたら、 出頭しようと思ってたんで」
警官「空?」
男「なにせ、こんな綺麗な星ですから」
警官「星?」
男「はい」
〇宇宙空間
あいつがくれた・・・光です。
山本律麿さんこんにちは!音楽だけでここまで表現が出来るのかと感動しました!主人公の表面上だけでは分かりにくい優しさや切なさがセリフがないからこそ伝わってきました🙌
とてもアート系ですね!!
凄みを感じます。
セリフがほぼ無い状態で描ききるのが凄まじい!
新藤兼人監督の映画を観ているようです。
感服いたしました。
現代の孤独とやるせなさが、ひしひしと画面だけで伝わりますね😱
男は星空を見上げる。警察は星を挙げる。⭐️
台詞が無くとも、猫との出会いと別れによる男の心境が伝わってきて良かったです。