Ⅶ(脚本)
〇屋敷の門
親王雅仁の舘 門前
鬼丸「はいしどーど♪はいどーど♪ はいしどーど♪はいどーど♪」
馬「・・・!」
鬼丸「どしたん?」
白面武者「ほう。 これが検非違使が取り逃がした子鬼か」
白面武者「まことにただの童ではないか。 所詮坂東の田舎者に、 都の警護などは務まらぬか」
白面武者「どれ、我らが愛でて進ぜよう」
鬼丸「は、放せ!」
白面武者「貴様!我らを何と心得る!」
白面武者「王家の守護、白面武者団ぞ! この下賤めが! 手打ちにしてくれるわ!」
鬼丸「・・・ひっ!」
『おい手前ら!何してやがる!』
白面武者「ぐあっ!」
白面武者「も、申し訳ありませぬ清盛様!」
鬼丸「きよもり?」
清盛「俺達ァ治天の君の近衛兵。 弱きを助け強きを挫く、花の都の守り人」
清盛「野郎ども!ちったあ弁えやがれ!」
「ははーーーーっ!」
清盛「とまあ、こんな感じで勘弁してくれ」
左府「詫びることはない。 隙だらけの我が舎人にも問題はある」
左府「気合いが足らぬぞ、鬼丸」
鬼丸「す、すいませ~ん」
清盛「素直な鬼だな。結構結構」
鬼丸「おうよ!ありがとう!」
武者丸「ございます」
鬼丸「ありがとうございまーす」
清盛「ところで、今日俺は 本当はお前に会いに来たんだ」
清盛「お互い偉くなっちまったから、 積もる話すら気楽に出来やしねえ」
左府「私は会えずとも一向に構わん。 武者の積もる話はいちいち物騒ゆえな」
清盛「そう言ってくれるな。 まあ、近く席を設ける。 一杯やろうや綾若」
左府「考えておこう、高平太」
清盛「じゃあまたな、子鬼ちゃん」
鬼丸「なあ、左府サマ」
左府「なんだ?」
鬼丸「次、あの人に会うんなら是非私めをお供に」
武者丸「我が君、そろそろ捨てる頃合いでは?」
左府「熟考しよう」
CONTINUED