BURN AND GO!!

にゃぴょう

俺、男子野球部辞めます!(脚本)

BURN AND GO!!

にゃぴょう

今すぐ読む

BURN AND GO!!
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇野球場の観客席
アナウンス「ピッチャー、・・・・・・に代わりまして」
アナウンス「行田 豪(イクタ ゴウ)、背番号11!」
「ゴウ・・・・・・!!」
「ゴウ先輩・・・・・・!!」
「ファイト、ゴウーー!!」
「ゴウ、行けーー!!」
ゴウ(みんなの声援が聞こえる・・・・・・)
ゴウ(・・・・・・あいつの声も)
ゴウ「あいつのためにも」
ゴウ「俺は、前に進む!!」

〇野球のグラウンド
  第1話
  俺、男子野球部辞めます!

〇大きな木のある校舎

〇教室
タンニン「よし、今日の授業はここまで」
タンニン「次の授業までに、教科書13ページの・・・・・・」
タンニン「おい、イクタ!!」
ゴウ「へ?」
タンニン「まだ話は終わってないぞ!」
ゴウ「あ、すんません!部活行きたくて」
タンニン「お前、部活もいいが勉強も少しは頑張りなさい」
タンニン「そういえば、先週の小テストも赤点だったような・・・・・・」
ゴウ「ひいぃっ!部活行ってきまーす!!」
タンニン「こら、イクター!!」

〇まっすぐの廊下
ゴウ「ひー、ヤバかったぜー」
ゴウ「毎日朝練に放課後練してたら、そりゃ授業どころじゃないっつーの」
ゴウ「お?」
ゴウのファン「キャー!!ゴウくーん!!」
「ねぇねぇ、今日こそ一緒にマリトッツォ食べに行こうよー!!」
ゴウ「マリトッツォ!? 何かわかんねぇけど食いてぇ〜!!」
ゴウ「けど、これから部活なんだ!また今度な!」
「えー、残念!!」
「でも笑顔がカッコいい・・・・・・!」
ゴウ「じゃね!」
「じゃーねー!!」
ゴウのファン「ゴウくん、女の子なのに男子硬式野球部に入ってるなんてすごいよねー」
ゴウのファン「しかも強いんだって!」
ゴウのファン「うちの野球部って甲子園常連校でしょ!? すごすぎ」
ゴウのファン「あれ、でも女子って甲子園出られるんだっけ・・・・・・?」
ゴウのファン「それが、出られないらしいよ」
ゴウのファン「ええっ!?それじゃあ・・・・・・」
ゴウのファン「それでも、甲子園という夢に向かって頑張る!そんなゴウくんが素敵なんだよ!」
「推せるー!!」

〇学校の廊下
???「・・・・・・何あれ」
タク「イクタ ゴウだろ、隣のクラスの」
???「ふーん」
タク「オレに匹敵する人気ぶりだよな、アイツ」
タク「負けてられないぜ」
???「女子相手になに張り合ってんの!」
「キャー!!タクさんだ!! 一緒にマリトッツォ食べに行きましょー!!」
タク「え、行く行くー!」
???「だめ!タクもこれから部活でしょーが!」
タク「えぇ〜」
???「ほら、行くよ!」
タク「へーい」

〇グラウンドの水飲み場
ゴウ「野球、やっきゅう〜!」
ゴウ「ん?なんだ?」
ゴウ「スマホの野球部ニュース速報か」
ゴウ「試合速報にしては時間が早いけど、 なんだろ?」
  今夏の女子高校野球決勝、甲子園で開催決定
ゴウ「えぇっ!?」
  これまで「女人禁制」といわれてきた甲子園。女子選手は試合をすることが許されていなかった。
  この8月は、女子選手が甲子園のグラウンドで試合を行う歴史的な年となるだろう。
ゴウ「マジか・・・・・・マジかーー!!!!」
ゴウ「俺も・・・・・・女子でも・・・・・・ 甲子園に出られるかもしれないってことか!?」
ゴウ「女子高校野球部に、入れば・・・・・・」
ゴウ「・・・・・・よし」
ゴウ「そうなったら、やるべきことはひとつ!」
ゴウ「カントクー!!」

〇野球のグラウンド
カントク「ムニャムニャ、 今日の練習メニューはムニャムニャ・・・・・・」
ゴウ「カントクッ!!!!」
カントク「おぉ、イクタか。今日も早いのぅ」
ゴウ「はいっ!あの・・・・・・」
カントク「わしは野球を愛する者全てに分けへだてなく接する野球博愛主義者・・・・・・」
ゴウ「カントク、お話が・・・・・・」
カントク「それが男でも女でも、人間でも宇宙人でも!!」
ゴウ「カントク、あの・・・・・・」
カントク「ただし才能を持った者に限る、がな ムニャムニャ・・・・・・」
ゴウ「カントク、お話したいことが!!!!」
カントク「・・・・・・まだユニフォームも着とらん。 よっぽど急ぎの用なのかな」
カントク「聞こう。なんじゃ?」
ゴウ「ありがとうございます!あの、 女子野球の決勝戦を甲子園でやるって話・・・・・・」
カントク「あぁ、知っとるよ」
カントク「女子選手が甲子園でプレイできる。 お前の夢が現実に近づいたというわけじゃな!」
ゴウ「はい、なので俺・・・・・・」
ゴウ「野球部を、辞めます」
カントク「・・・・・・どういうことじゃ?」
ゴウ「このまま男子野球部にいても、 俺は公式戦には出られませんよね?」
ゴウ「俺の夢は、正式に甲子園で戦って、」
ゴウ「それで勝つことなんです」
ゴウ「だから俺・・・・・・」
ゴウ「男子野球部は辞めて、女子野球部に入ります」
カントク「・・・・・・なんじゃと?」
ゴウ「入るっていうか、 女子野球部はそもそも無いから」
ゴウ「一から作るってことですけど」
カントク「・・・・・・それはならん」
ゴウ「え?」
カントク「イクタ。わしはお前のことを評価しとる」
カントク「男子部員との体格差や体力差がありながら」
カントク「絶え間ない努力と前向きな心で技術を向上させてきた」
ゴウ「じゃあ・・・・・・」
カントク「だからこそ、じゃ」
カントク「新しく女子野球部を作るとか言ったな」
カントク「部員はどうする?お前はとにかく、 野球のできる女子がこの学校に何人いるか」
カントク「練習設備もなく、練習相手もいない」
カントク「そんな環境で、十分な練習ができるのか?」
カントク「お前のこれまでの努力が水の泡になるだけじゃ!」
ゴウ「それは、でも・・・・・・」
カントク「つべこべ言うでない! とにかくだめじゃ!」
カントク「お前の活躍できる場所は、わしが いつか必ず用意してやる!」
カントク「わかったら、練習に戻るのじゃ」
ゴウ「・・・・・・いつだよ」
カントク「む?」
ゴウ「いつかって・・・・・・いつのことだよ!!!!」
ゴウ「どいつもこいつも・・・・・・ 小学校で野球始めた頃からずっとそうだ」
ゴウ「いつか、いつかって・・・・・・」
ゴウ「もう、他人には頼らねぇ」
ゴウ「俺は自分の力で夢を叶えてやる!!」
カントク「なんじゃその言い草は!!」
カントク「もういい、好きにすればよいわ!!」
ゴウ「・・・・・・そうします」
ゴウ「今までありがとうございました」
カントク「・・・・・・」
カントク「イクタ・・・・・・」
カントク「お前、わしの気も知らずに・・・・・・」

〇グラウンドの水飲み場
ゴウ「くそっ・・・・・・ 何なんだよ・・・・・・」
ゴウ(カントクの言うことは、もっともだ)
ゴウ(でも俺は・・・・・・)
ゴウ(”高校生になったら、甲子園に出て有名になって、プロ野球選手になる”)
ゴウ(野球少年たちが一度は抱く夢じゃんか)
ゴウ「なのに、なんでそれすら・・・・・・」
ゴウ「くそー!!!!」

〇音楽室
タク「・・・・・・」

〇教室
ゴウ「・・・・・・はぁ」
ゴウ「勢いで部活辞めることにしちまったけど・・・・・・これからどうしよ」
ゴウ「いや、泣いてる場合じゃねぇ!! もうやるしかねぇんだ」
ゴウ「とりあえず部員集めからか、 うーん・・・・・・」
タク「よう」
ゴウ「・・・・・・」
ゴウ「お前、誰?」
タク「ひどいな、去年同じクラスだったろ」
タク「飯尾 拓(イイオ タク)だよ」
タク「タクって呼んでいいよ!」
ゴウ「なんか調子いいやつだな・・・・・・」
ゴウ「悪いけど、俺いまお前に構ってる場合じゃないんだよ」
タク「知ってるよ? 新しく女子野球部を立ち上げるんだっけ?」
ゴウ「お前、なんでそれを・・・・・・!」
タク「あのさ、」
タク「入部させてくんない?」
ゴウ「はぁ!?」
ゴウ「てめぇ、からかってんのかよ!」
タク「違う違う、そんな怒るなって」
タク「まずは部員が必要なんだろ?」
ゴウ「あ、あぁ・・・・・・」
タク「野球って、9人必要なんだっけ?」
タク「オレだったら、残り女子8人・・・・・・」
タク「いや・・・・・・ 100人でも、すぐに集めてやるよ」
ゴウ「・・・・・・!!」

次のエピソード:体験入部やります!

コメント

  • 女子の野球やサッカーって、今活発ですよね。
    ゴウさんも夢を叶えるために、女子野球部を作ろうとしている気持ちわかります。
    夢に性別は関係ないですよね。
    もしそれが叶うとしたら…って思うと動かずにはいられませんよ!

  • 私も女子野球の話を書きたかったのですが、アイテムが少ないし、表現が難しいと思って書くのを辞めてしまいました。それを見事に書き上げてることに尊敬してしまいます。
    主人公の名前と性格もピッタリハマッていて感情移入できるし、相反するチャラ男くんとの仲もどうなるか楽しみです。

  • 彼女の野球への情熱が痛いくらい伝わってきました。私はアンチフェミニストではないけど、女子サッカーが盛んになった時代、男性向きの競技を女子のチームが行っているのをあまり好んではみませんでしたが、こうして熱い思いでそのスポーツに取り組む人がいること、心にとめておこうと思います。

コメントをもっと見る(5件)

成分キーワード

ページTOPへ